アベリアは、春〜秋の長期に渡って鐘形の小さい花をたくさん咲かせる常緑性の低木です。花の香りが豊かで排気ガスに強く、丈夫で育てやすいことから、庭木や生垣、公園樹、街路樹として様々なところでその姿を見ることができます。今回は、そんなアベリアの花言葉や種類、育て方についてまとめました。
アベリアの花言葉は?
『優美』『強運』『謙譲』
生育が盛んで、勢いよく伸びた枝先に花をつける姿から「強運」という花言葉がうまれました。また、花びらよりも葉っぱが多く、目立たないように花を咲かせることが、「謙譲」という花言葉の由来とされています。
アベリアの花の色や学名は?
- 学名
- Abelia
- 科・属名
- スイカズラ科ツクバネウツギ属
- 英名
- Abelia
- 原産地
- 中国
- 開花期
- 7~10月
- 花の色
- 白、ピンク
- 別名
- ハナツクバネウツギ
白ないし淡いピンク色の花を夏から秋にかけて咲かせるアベリアは、東アジアからメキシコにかけて30種が分布し、日本では2種類が自生しています。中でも多く植えられているのがグラディフローラ(grandiflora)という品種で、アベリアといえばこの品種を指す場合が多いです。花の香りがとても強く、開花期には蜂や蝶が蜜を吸いに集まってきます。
アベリアの花の種類や品種は?
アベリア・カレイドスコープ(別名:万華鏡)
2009年に種苗登録された萌芽力が強い品種です。葉に入っている斑は、黄色からオレンジ、銅色へと冬に向けて変化していきます。
アベリア・コンフェッティ
葉っぱに入った白色の斑が、寒い季節になるとピンク色に変化する品種です。葉が小さく、樹形がまとまりやすいのが特徴です。
アベリア・サンライズ
斑入り葉の代表的な品種で、黄色の斑をもっています。樹高が高くならないことから、低い生垣を作るのに重宝されます。
アベリア・エドワードゴーチャ
ピンクの花をつける、よく見かける品種です。葉色は緑で、少し大きめの花がよく目立ちます。
アベリア・グランディフローラ
赤いガクと花色の花びらの対比が美しい品種で、最もよく植えられています;
アベリアの育て方!苗の植え方や水やり、肥料の方法は?
苗の庭植えの方法と時期
暖地を好む植物なので、日当たりがよく、水はけのよい場所を選んで、3~4月か9~10月の温かい時期に植え付けます。土質は選びませんが、庭土の水はけがきになるようであれば、掘り起こして川砂、堆肥、バーミキュライトを混ぜるといいですよ。
また、植え付ける用土には、油粕3:骨粉1:草木灰2の元肥を、植え付ける2〜3週間前に施してねかせておきましょう。
乾燥に強く、一度根づいてしまえば特に水をやる必要はありません。追肥は油粕に骨粉を混ぜた窒素分の多い肥料を、3月〜4月に1回と7月に1回施します。
苗の鉢植えの方法と時期
鉢植えの場合は、庭植え同様の温かい時期に植え付け、日当たりと水はけのよい場所で育てます。寒冷地では冬期、ひどく凍らない程度の屋内に取り込み、日光にできるだけよく当てるようにしてください。用土は赤玉土(小粒)を主体に、川砂、堆肥、バーミキュライトを混ぜたもの用意しましょう。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。ただし、休眠期の秋から冬は水やりの回数を減らして、乾かし気味に管理してください。追肥は4月、6月、8月にそれぞれ1回ずつ、窒素分の多い緩効性化成肥料を施します。
種から育てる場合
アベリアは種をつけにくい植物だといわれていますが、稀にはねつきの羽のような形の種子が見られます。これを完熟する直前に採取します。完熟してしまうと皮が硬くなり、水分を吸収しにくくなるので注意してください。
種は5度以下の低温の場所で保管し、翌春の3〜4月にまきます。小さいので、ハガキなどの厚紙の上に乗せ、指で軽くたたいて均等にピートバンへばらまくようにしましょう。そして、ふるいを使って土をかぶせ、水やりをし、土が乾かないように管理すると、1年後の3〜4月に新芽が伸びてきます。
アベリアの剪定の時期や方法は?
基本の剪定
春〜秋の成育期間中なら、いつ、どこで切っても再び芽を出し、花を咲かせます。ただし、強く切り戻すほど徒長枝を出すので、花が咲くまでに時間がかかってしまうので注意してください。冬場はどこを剪定しても、直接着花に影響しません。
アベリアは、四季咲き性で、温度が高ければ新梢が伸び、その先の部分に花芽を作って開花することを繰り返すので、枯れた枝はそのままにしておかずに取り除いていきましょう。
庭植えの剪定
11〜12月下旬、翌年1〜4月下旬に剪定をします。大きな木にはならないので、強く刈り込む必要はありません。こまめに刈り込むことで、樹形を美しく整えることができますよ。
鉢植えの剪定
通年剪定を行ってかまいません。鉢の大きさとのバランスを見ながら、好みの形に樹形を整えていきましょう。徒長枝は見つけ次第短く切り戻してかまいませんが、冬期の休眠期に短く刈ってしまうのがおすすめです。
アベリアの増やし方!挿し木で増やすには?
アベリアは、6〜8月に挿し木で増やすことができます。日当たりのよい場所で育った新しい枝の途中を、8〜10cmの長さに切り分けて挿し穂を作ります。このとき、あまり細い枝を使うのは避けましょう。葉っぱを2枚ほど残し、下葉はしごいて取り除きます
そして、水を入れた容器に30分〜1時間ほどつけてから水揚げをします。水につけている間に、平鉢などの容器に鹿沼土を入れて平らにならしておきます。水揚げした挿し穂は、用意しておいた土に枝の1/2程が埋まるように挿していきます。挿し終えたら受け皿で腰水(底面配水)をし、水をよくしみこませて半日陰の場所で管理すると発根しますよ。
アベリアの花言葉と育て方を楽しもう
昔は、街路樹や道路の中央分離帯の木として用いられていたアベリアですが、ガーデンデザイナーがおしゃれな低木として紹介したことをきっかけで、ガーデニングに用いられるようになりました。
常緑性で育てやすく、樹形も整えやすいことから、生垣として用いるのがおすすめですよ。アベリアを庭に植えて、庭に白くかわいらしい花を咲かせてみませんか?
更新日: 2021年05月19日
初回公開日: 2015年07月16日