野菜で有名なアスパラガス。実は観葉植物としても育てられると知っていますか?
野菜のアスパラガスをそのまま育てるわけではなく、観葉植物に向いた品種があるんですよ。繊細に細かく生い茂る葉は、部屋に飾るとインパクト抜群なので、育ててみたいという方も少なくありません。
今回は、観葉植物として育てられるアスパラガスの育て方をご紹介します。
観葉植物としてのアスパラガスとは?
観葉植物として出回っているアスパラガスは、ユーラシア大陸やアフリカ大陸が原産のキジカクシ科クサスギカズラ属の植物です。野菜として出回っているものとは、同じ属に分類される別の品種の植物です。
園芸店でよく見かけるのは、細いツルを伸ばして生長する「ナヌス」や、ふさふさの葉っぱを四方に生やす「スプレンゲリ」といった品種です。
観葉植物のアスパラガスの特徴は、ふわふわした葉のように見える「仮葉(葉状に変化した枝)」です。光合成はこの仮葉でしています。初夏になると、白や緑色の花も咲かせてくれますよ。
明るい場所を好むので、窓の多い(大きい)リビングや、窓際など光がたくさん当たる場所においてあげましょう。ただし、夏場の直射日光は、葉を焼いて枯らせてしまうので避けてくださいね。
観葉植物のアスパラガスを育てるのに用意するものは?
- ジョウロ、霧吹き
- 固形の肥料(緩効性化成肥料)、液体タイプの肥料
- 枝を切るハサミ(剪定バサミ)
観葉植物として育てるアスパラガスは、花屋さんなどで鉢に植えられた状態で販売されていることがほとんどです。購入してすぐに飾って楽しめますよ。
合わせて上記のグッズもそろえておくと、手入れが楽になります。
アスパラガスの栽培法。水やりや肥料の与え方は?
アスパラガスは乾燥に強いので、日々の管理はそんなに手間ではありませんよ。毎日の生長を見届け、もし「生長がにぶいな」「どこか元気がないな」などがあれば、都度対応しましょう。
水やり
年間をとおして、土の表面が乾いたら水やりをしてください。特に冬場は水分の吸収が遅いので、乾燥してからさらに数日おいて水をあげます。
夏や冬の乾燥しやすい時期には、霧吹きなどで葉に水を吹きかける「葉水(はみず)」を午前中のあたたかい時間にしてあげてください。
肥料
4~10月の間、2ヶ月に1回のペースで「緩効性化成肥料」と呼ばれる、ジワジワと効き目の出るタイプの肥料を与えるとよいですよ。
もし、元気がなくなってすぐに復活してほしい場合は、効き目の早い「液体タイプの肥料」を水やりのかわりに与えます。
観葉植物のアスパラガスも収穫のような剪定が必要?
アスパラガスは大きく生長すると茎が下に垂れてしまったり、四方に広がり過ぎてしまったりと見栄え悪くなります。そうなると剪定が必要です。
剪定で茎の長さや本数を調整することで、見栄えが整い、さらに通気性がよくなって病害虫からの被害をおさえるメリットもあります。
茎の長さを切りそろえる程度であれば、いつ剪定をしてもかまいませんが、多め(長め)に切るなら、5~9月がおすすめです。この時期であれば、すぐに新しい芽が生えて再び茎や葉を茂らせてくれます。枯れた枝や傷んだ枝は思い切って根元から切ってください。
アスパラガスにつく病害虫はいる?
アスパラガスは、乾燥する夏や冬の時期にカイガラムシ、ハダニなどの虫がつく可能性があります。ハダニは葉っぱの裏に寄生して、傷をつけて植物を弱らせます。葉水を与えて湿らせることで予防できます。
カイガラムシは植物の栄養を吸い取って枯らせる害虫です。白色をしているので、目についたらすぐに駆除しましょう。1匹ずつブラシなどを使って引き剥がすとよいですよ。
いずれの虫も薬剤の散布によって駆除することもできます。薬剤の効果を確認して、それぞれの植物に適したものを散布しましょう。
観葉植物のアスパラガスは植え替えが必要?
アスパラガスは生長が早い植物です。そのため、根が伸びやすく、すぐに鉢の中がいっぱいになってしまいます。毎年4〜6月に植え替えを行いましょう。
鉢の底から根が出ていたり、土に水が染み込まなくなったりしたら植え替えのサインです。用意するグッズと手順を以下で確認してください。
■ 植え替えに必要なグッズ
- 一回り大きな植木鉢
- 観葉植物用培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 細い棒
- ブルーシートや新聞紙
- 軍手
■ 植え替えの手順
- ブルーシートや新聞紙を敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネットをかぶせ、鉢底石を敷く
- 鉢の1/3ほどまで土を入れる
- アスパラガスを鉢からやさしく抜き出す
- 根についた土を少し崩して、新しい鉢の中心におく
- 鉢の縁から2〜3cm下のところまで土を入れて固定する
- 根の隙間まで土が入るよう、細い棒などでつつく
- 鉢の底から流れ出るくらいたっぷりと水を与える
アスパラガスは増やせる?ほかの観葉植物の増やし方と同じ?
アスパラガスは、「株分け」という方法で数を増やすことができます。株分けとは、今のアスパラガスを1つの「株」として、それを根ごと切り分けて2〜3の株に増やす繁殖方法です。植え替えのタイミングに一緒に行うと作業がスムーズですよ。
根を傷つけないよう、竹串などを使って1/2〜2/3ほど土を落とし、黒ずんだ古い根をナイフで切り落とします。その後、2~3株になるよう根をハサミやナイフで切り分ければ苗の完成です。
分けた苗を鉢に植えなおして育てていきましょう。
観葉植物のアスパラガスは丈夫で育てやすい
病気の心配が少ないアスパラガス。やわらかな葉がやさしそうな雰囲気で、お部屋に1つあるだけで癒されますね。
茎や葉を垂れ下げる品種は、壁に吊って飾ると暑い夏にも涼しげな印象を与えます。乾燥にも強く、水やりに神経質にならなくてもよいので、手軽に観葉植物を育てたい方におすすめですよ。
更新日: 2017年01月24日
初回公開日: 2016年06月04日