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コウモリラン(ビカクシダ)の育て方|植え替え、株分けの増やし方は?

コウモリランは、個性的なインテリアとしても親しまれている観葉植物です。壁にかけたり、天井から吊るしたり、おしゃれな飾り方が楽しめます。今回は、コウモリランの育て方について植え替えや植え付け、株分けでの増やし方などをご紹介します。

コウモリラン(ビカクシダ)の学名・原産国・英語

コウモリラン
学名
Platycerium bifurcatum
科・属名
ウラボシ科・ビカクシダ属
英名
common staghorn fern
原産地
インドネシア、オーストラリア
開花期
不定期
花の色
別名
ビカクシダ(麇角羊歯)
ビフルカツム
プラティケリウム

コウモリラン(ビカクシダ)とは?どんな観葉植物?

コウモリラン ビカクシダ

インドネシアやオーストラリアが原産国で、種子をつけないシダ植物の仲間です。プラティセリウム・ビフルカツムという小型な品種が観葉植物としてよく知られています。

樹木や石に絡みついて生息する着生植物で、木板に着生させてそれを壁にかけたり、埋めたりする方法はコウモリラン独自の飾り方として楽しまれています。

名前の由来

「コウモリラン」は、葉っぱがコウモリの羽のように見えることが名前の由来となっています。明治初期頃に日本へ伝わり、葉っぱが「鹿の角:ビカク」に似ていることから、和名の麇角羊歯(ビカクシダ)がつけられました。

外套葉とは?(貯水葉/栄養葉/泥除け葉/落ち葉止め葉)

コウモリランの葉の付け根には、外套葉(がいとうよう)という茶色い葉がついています。外套葉は、生長とともに青い葉から徐々に茶色へと変わり、通常の葉っぱのように落葉することはありません。また、コウモリランの根っこは、この外套葉から下へ出てきます。

外套葉は、水を溜めたり、虫の死骸や落ち葉を吸収してたりして栄養分に変える力があります。品種によっては受け皿のように広がるなど、形は様々です。

コウモリラン(ビカクシダ)の種類・品種は?

コウモリラン ビカクシダ

原種が全部で18種類ほどあります。品種によって葉の形や色、大きさが違い、それぞれの環境に適応した性質を持っています。観葉植物としては、ビフルカツムとウィリンキー(ナガバビカクシダ)の2つが有名です。今回は、いくつかの代表品種をご紹介します。

プラティセリウム・ビフルカツム

オーストラリア産で、一番ポピュラーな品種です。園芸店などで流通しているものはほとんどがこの品種で、暑さ寒さに強く、管理が比較的簡単なため育てやすいのが特徴です。

プラティセリウム・ウィリンキー

ジャワ諸島原産で、胞子葉が細く、長く垂れ下がるのが特徴です。見る角度によっては銀白色にも見えます。乾燥に負けず、繁殖力が強く、育てやすい品種です。

プラティセリウム・スペルブム

東南アジア産の大型品種です。スペルブムは「気高い・上品」という意味があり、日本の寒さ・暑さにも耐えられます。

プラティセリウム・エレファントティス

アフリカやマダガスカル原産の小型~中型品種です。熱帯雨林のやや乾燥した地域に生息します。切れ込みのない外套葉がゾウの耳に似ていることが名前の由来です。コウモリランの中でも寒さに弱く、日本での栽培はやや難しいと言われています。

コウモリラン(ビカクシダ)の育て方のポイント!

10度以上で直射日光の当たらない場所で育てることがポイントです。鉢植えであれば、半日陰かカーテン越しなどの明るい日陰で育てることが大切です。

乾燥気味で育て、最低気温を下回らない環境で育てましょう。ただし、ビフルカツムという品種だけは、5度以上の気温があれば冬越ができます。

コウモリラン(ビカクシダ)の苗植え!鉢植え、ヘゴ板、ハンギングの時期と方法は?

コウモリラン ビカクシダ

5月中旬~9月中旬が、コウモリランの植え付け適期です。一般的には、鉢植え、ヘゴ板、ハンギング(吊るした状態)で育てます。

鉢植え

1. 苗を取り出して、根についている土をもみほぐして取り除く
2. 水苔を丸めて苔玉にし、根で苔玉を覆い、さらに水苔でその周りを覆う
3. 鉢底に軽石や発泡スチロールなどをしき、苗を植える
4. 鉢ごと水の中に沈め、水苔に水を吸わせてから引き上げ、半日陰の場所に置く

ヘゴ板

1. ヘゴ板にワイヤーを通す穴を数か所空ける ※シュロ縄の場合は穴は不要
2. 水苔玉と根がくっついている苗をヘゴ板に乗せ、ワイヤーかシュロ縄で固定する
3. ヘゴ板頃ごと水の中に沈め、水苔に水を吸わせてから引き上げ、半日陰の場所に置く

ハンギング

1. 水苔でできた苔玉を根が覆った状態で根が苔玉で覆われた形になっている
2. 水に沈めて水苔に吸水させる
3. 苔玉を覆って固定しているワイヤーか、シュロ縄にハンギング用の紐を引っ掛ける

コウモリラン(ビカクシダ)の土作り・水やり・肥料の時期と方法は?

土作り

鉢植えの場合は、ピートモス8:パーライト1:軽石(小粒)1の割合の配合土を使います。ヘゴ板やハンギングの場合、水苔を使って着生させます。

水やり

春から秋は、水苔やチップが乾いてカラカラになる前に水やりをします。秋から冬は、頻度が少なくなり、乾かし気味に育てると寒さに耐えられるようになります。

肥料

春から秋の生育期の間、2~3ヶ月に1回、外套葉の下の水苔に緩効性化成肥料を与えます。あまり株を大きくしたくない場合は、肥料の量を少なくします。

コウモリラン(ビカクシダ)の植え替えの時期と方法は?

コウモリラン ビカクシダ ハンギング

5~8月頃、2~3年に1回植え替えをします。方法は植え付けと同じです。

また、胞子葉が枯れてきたらすぐに取り除きます。葉の表面には産毛のようなものがありますが、種子がつかなくなるので、触って取らないように注意してください。

コウモリラン(ビカクシダ)の増やし方!株分けの時期と方法は?

5~8月頃に株分けで数を増やします。親株の外套葉の下から出てきた子株の葉が3枚以上あれば、切り取ってヘゴ板や鉢に植え付けましょう。1ヶ月間は明るい日陰に置いて育てます。胞子(種子)から育てるのは難しいため、一般的には株分け増やします。

コウモリラン(ビカクシダ)の育て方で気をつける病気と害虫は?

コウモリラン ビカクシダ 板付け

炭そ病

春から秋頃、高温多湿な環境で葉っぱに発生する病気です。黒褐色の斑点が現れて、徐々にその範囲が広くなり、斑点も大きくなって穴が空いたり、枯れたりして植物を弱らせます。発病した葉っぱはすぐに取り除き、薬剤を散布して予防と殺菌をしましょう。

カイガラムシ

年間を通して葉っぱを食害する害虫で、特に5~7月頃に発生しやすくなります。放っておくと、排泄物がすす病を誘発するので、早めに駆除する必要があります。幼虫の場合は殺虫剤を、成虫になると薬剤が効かなくなるので、ブラシなどでこすり落としましょう。

風通しがよく、明るい清潔な場所で育てると発生しにくくなります。

コウモリラン(ビカクシダ)の花言葉は?

『信頼』『助け合う』『魔法』

コウモリランの野生種は、ほとんどが樹木に着生して育ちます。大木の協力なくしては生きられないことから『信頼』や『助け合う』という花言葉がつけられたといわれています。

コウモリラン(ビカクシダ)はインテリアにおすすめな観葉植物

コウモリラン ビカクシダ

コウモリランは、水のやり過ぎなどに注意すれば、比較的簡単に育てられる植物です。株分けでも増やしやすく、天井から吊り下げたり、壁掛にしたりするなど個性的なインテリアを探している方にピッタリ。着生植物なので、他の植物とは一味違った、育て方を楽しんでくださいね。

更新日: 2021年01月06日

初回公開日: 2015年09月17日

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