心地よい柑橘系の香りが、さわやかな気持ちにさせてくれるレモンバーベナ。ハーブティーにすると、緊張や不安を和らげてくれますよ。また、丈夫な性質から自宅の家庭菜園でも気軽に育てられます。今回は、レモンバーベナの育て方と、ハーブティーの効能についてご紹介します。
レモンバーベナの花言葉は?
『忍耐』『魅力』『魔力』『寛大』
「魔力」は、バーベナと同じ花言葉で、予言や呪術の力を高める効果があり、古代から媚薬として用いられていたことにちなんでいます。「寛大」は、薬として使われる先の尖った細長い葉っぱを、春~秋の長期間にわたって収穫できることに由来します。
レモンバーベナの学名・原産国・英語
- 学名
- Aloysia cutrodora(Aloysia triphylla)
- 科・属名
- クマツヅラ科・コウスイボク属(イワダレソウ属)
- 英名
- Lemon scented verbena
- 原産地
- 南アメリカ
- 開花期
- 6~8月
- 花の色
- 白
- 別名
- 香水木(コウスイボク)
防臭木(ボウシュウボク)
レモンバーベナとは?どんなハーブ?
レモンバーベナとは、アルゼンチンやチリ、ペルーを原産とする落葉低木です。原産地では3mほどまで大きくなりますが、日本では1~2mほどにしか生長しません。
17世紀、スペインにもたらされことをきっかけに、ヨーロッパで薬用ハーブとして利用されるようになりました。日本へは明治末に鉢物として売りだされたのがはじまりです。たくさん茂る葉っぱからレモンのような香りがすることにちなんで、「香水木」と名付けられました。開花期は6~8月で、茎の先端に房状にいくつもの白い花を咲かせます。
レモンバーベナのハーブティーの効能は?
生葉もしくは乾燥させた葉は、ハーブティーやポプリに利用されます。乾燥させると香りがなくならず、1年中楽しむことができますよ。
レモンのような香りは、シトラール、リモネン、ゲラニオールという成分によるものです。これらの成分には、鎮静や解熱、殺菌、虫除け、消化促進といった作用があります。ハーブティーにして飲むことで、リラックスした気持ちにさせてくれます。また、風邪のひきはじめに飲むとよいとされます。
レモンバーベナの育て方のポイントは?
日当たりと風通しがよければ、特別な手入れは必要ありません。もともと暖かい環境に自生しているので、特に栽培をはじめて1年目の冬は、室内に取り込んだ方が安心です。その後しっかり根付きさえすれば、屋外で越冬できますよ。
レモンバーベナの苗植えの時期と方法は?
種は市販されることが少ないことから、苗から育てるのが一般的です。冬の寒さを避けるため鉢植えの方がよいですが、冬も5度以上の気温が保てるようであれば、地植えにしてもかまいません。
植え付けは、5~6月が適期です。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に株元をしっかりと抑えて植え付けます。地植えは、日当たりと風通しのよい場所を選び、植え付ける2週間前から土作りをはじめましょう。
レモンバーベナの土作り・水やり・肥料の与え方
土作り
水はけのよい、中性~アルカリ性の土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の土に苦土石灰を混ぜ込んだものか、市販のハーブ用培養土がおすすめです。地植えは、植え付ける2週間前に苦土石灰を土に混ぜて寝かし、1週間前に腐葉土や川砂を混ぜて水はけをよくしておきます。
水やり
乾燥を好み、水を与えすぎると枯れてしまいます。鉢植えは、土が乾いてから水やりをします。地植えは、水やりの必要はありません。
肥料の与え方
生育期は肥料が不足しないようにします。5月と8~9月に1回ずつ、ゆっくりと効く緩効性肥料を施しましょう。発酵油かすを与えてもよいですよ。
レモンバーベナの剪定や収穫の時期と方法は?
放っておくと、四方八方に枝が伸び、樹形が乱れてしまいます。5~7月に収穫を兼ねて、先端から2節ほどのところで枝を切っていきましょう。そうすると、新しい茎が左右に生え、収穫量を増やすことができます。
レモンバーベナの増やし方!挿し木の時期と方法は?
種まきや挿し木で数を増やすことができます。ただ、種がつくと木の養分がそちらに奪われてしまうので、挿し木で増やす方が一般的です。咲いた花は、枯れたらすぐに摘みとってしまいましょう。
挿し木
5~7月中旬か、9~10月が適期です。
1. 枝を先端から10~15cmの長さに切り取る
2. 切り口を斜めにカットする
3. 先端の方の葉を2~3枚残し、他を切り落とす
4. 切り口を水に1時間以上浸ける
5. 赤玉土(小粒)などの土に、枝を挿す
6. 明るい日陰で、土が乾かないよう水やりをして管理する
7. 根が十分に生えたら、鉢や地面に植え替える
レモンバーベナの育て方で注意する病害虫は?
アブラムシ
茎葉につく害虫で、株の栄養を吸い取って弱らせます。また、排泄物はすす病を誘発する恐れもあります。少量であればガムテープを使って株から引きはがしましょう。大量に発生したときは、食用にしても大丈夫な薬剤を散布してください。光に集まる修正を利用して、粘着タイプのものを株元に敷いておくのも予防方法の1つです。
ハダニ
葉っぱの裏につく害虫です。水が苦手なので、葉っぱに霧吹きで水をかけて予防することができます。たくさん発生したときは、株ごと水につけて洗い流すこともできます。
イモムシ・ケムシ
蝶や蛾の幼虫で、葉っぱを食べてしまいます。防虫剤を使って予防するか、割り箸などで直接株から取り除いていきます。
レモンバーベナの育て方を覚えて効能を楽しもう
レモンバーベナのライトグリーンの葉っぱは、すずしげな印象を与えてくれます。また、レモンの香りにはリラックス効果や風邪を予防する効果がありますよ。レモンバーベナを育てて、ちょっと体調が悪いかなと思ってときに利用してみてください。
更新日: 2020年07月15日
初回公開日: 2015年11月12日