昼顔は、朝顔に似た花を咲かせる植物です。朝顔と違って、お昼時を過ぎても花を咲かせ続けることから名づけられたといいます。今回は、そんな昼顔の花言葉と育て方についてご紹介します。
昼顔(ヒルガオ)の花言葉は?
『絆』『友達のよしみ』『情事』
「絆」「情事」という花言葉は、昼顔が支柱にしっかりツルを絡ませて生長することにちなんでつけられたといわれています。
また、フランスでは、つる性で絡みつく様子から官能的なイメージを連想させるなど、「昼の美人」「危険な幸福」という花言葉がつけられています。「昼顔」という名前の娼婦として生きる女性がテーマのパリを舞台とした映画「昼顔」が作られるように、海外では「情事」にちなんだイメージが強いといわれています。
昼顔(ヒルガオ)学名・原産国・英語
- 学名
- Calystegia japonica
- 科・属名
- ヒルガオ科・ヒルガオ属
- 英名
- False bindweed
- 原産地
- 日本、ヨーロッパ、アジア太平洋諸島
- 開花期
- 6月
- 花の色
- ピンク、薄紫
- 別名
- –
昼顔(ヒルガオ)とは?どんな花を咲かせる植物?
昼顔は、ヒルガオ科・ヒルガオ属に分類される多年草です。葉っぱの付け根のあたりから、5〜6cmくらいの花を朝から夕方頃まで咲かせます。花びらの見た目は朝顔に似ており、花は淡いピンク色をしています。
昼間だけ開花するものと、朝から昼間まで開花する品種がありますが、どちらも夕方には閉じてしまう性質があります。葉の特徴は、長さが10〜15cmくらいの三角形で先は丸く、根元は左右両側に突き出しています。
つる性植物なので、地下茎が長く、地中をはっていてどんどん増えていきます。一度植えると駆除するのが大変なので、
名前の由来
朝に開花し、昼には閉じてしまう朝顔と違い、昼顔は朝に開花して昼もずっと咲き続け、夕方に花を閉じる性質があります。昼顔という名前は、この性質から付けられました。
風水での意味
昼顔を使って風水の開運を招き入れるためには、庭や鉢植えにしてみて楽しむのもよいのですが、写真を撮って壁などに飾っておくだけでも効果があります。飾る方角は、東、東北、北西、南東、そして家の中心などに置くと吉と言われています。
開花時期と見頃の季節は?
昼顔の開花時期は5〜8月となっています。花が咲くと、初夏の訪れを知らせてくれます。
昼顔(ヒルガオ)の効果・効能は?
昼顔の効果効能として、強壮・強精・利尿・疲労回復作用などが期待できます。糖尿病などといった生活習慣病にも、水で煎じて一日三回に分けて飲むと改善効果が期待できます。
昼顔(ヒルガオ)の種類や品種は?
コヒルガオ(小昼顔)
コヒルガオは、ヒルガオ属の植物です。日当たりがよい草地や畑などに自生しているつる性の多年草で、茎は長く伸び、他のものに絡みつく性質をもっています。葉のわきより、3〜4cmの淡紅色のアサガオのような形の花が咲き、葉は3〜7cmで、結実はほとんどしません。乾燥には強く、アジア東南部に広く分布しています。
マルバアサガオ(丸葉朝顔)
マルバアサガオは、ヒルガオ科・サツマイモ属のつる性一年草植物です。朝顔の品種の1つで、熱帯アメリカが原産。つるには7〜13cmほどの葉が互い違いに生えています。花は直径5〜8cmで、紅紫色や赤色、青色、白色などの多様な花色があります。観賞用に江戸時代に渡来してきて、今では各地で自生しているよくみる野生種でもあります。
ハマヒルガオ
ハマヒルガオは、ヒルガオ科ヒルガオ属の海岸の砂地などに自生するつる性の多年草植物です。日本全土、他にもアジア、欧州、太平洋諸島などに分布しています。茎は砂浜の上を這って広がり、白くて細い丈夫な花茎が砂の中を這うように繁殖するのが特徴です。
ノアサガオ(野朝顔)
ノアサガオは、ヒルガオ科・サツマイモ属の海岸の草地や崖などに自生するつる性多年草です。別名リュウキュウアサガオともよばれ、茎は長いと10m以上にも生長します。根元が硬く、長さ5〜10cmで先端のとがった葉っぱと、淡青色や淡紫色で直径6〜7cmの花びらを咲かせます。
サツマイモ
サツマイモは、実を焼き芋にして食べることで有名なサツマイモ属の多年草植物です。あまり花が咲くイメージを持たれていないサツマイモですが、実はピンク色でアサガオに似たかわいい花を咲かせます。
ただ、開花期間が短く、まれに開花する程度なのであまり花を見る機会がないため、開花姿が見られるのは貴重です。花を咲かせるには、接ぎ木で花を咲かせるのが一般的で、台木から送られてくる養分や植物ホルモンなどの力によって開花を促進する技術が使われています。
昼顔(ヒルガオ)の育て方や栽培のポイントは?
昼顔を元気に育てるには、水切れに注意しましょう。また、つる性で絡みつく性質があるため支柱やネットを用意してあげるとどんどんのびていきますよ。
ただし、朝顔と違って駆除するのが大変なので注意してください。一度植え付けると地下でつるを伸ばして生長し続けるため、あまり観賞用として育てられることはありません。
昼顔(ヒルガオ)の種まきの時期と方法は?
昼顔は苗が出回っていないので、種を採取するか挿し木から育てます。種は、発芽温度が20度以上の気温を必要とします。そのため4〜5月の暖かくなってからが種まきの適期です。種をまく前に、殻が硬いためヤスリで擦って傷を付けておき、数時間水につけておくと発芽しやすくなりますよ。
- 鉢やプランター、庭の土に指での第一関節くらいの深さの穴を開ける
- 種を三粒ほどまく
- 土が乾燥しないように水やりを続け、日のよく当たる場所で管理する
- 発芽して芽が出てきたら育ちの遅い種を取り除く
昼顔(ヒルガオ)の土作り、水やり、肥料の時期と方法は?
土作り
水はけがよくて、腐葉土などの有機質がしっかりと入った土に植えるのがおすすめ。赤玉土5:腐葉土が4:川砂1の割合で混ぜた土や草花用の培養土でも構いません。
水やり
土が乾いたら水をしっかりとあげましょう。まだ土が濡れているうちは水やりは控えます。発芽する時は暖かくなってからで、秋には枯れてしまうため、水やりは毎日やるとよいでしょう。春と秋は晴れたら毎日で、夏は毎日朝と夕方の二回、水をやるといった頻度です。
肥料
培養土で植えた場合はしばらくは肥料をまかなくても大丈夫ですが、花が沢山咲きますので必ず肥料を追加で与えましょう。一カ月に一回緩効性肥料をまくか、液肥を一週間に一回くらいのペースでやるとよいでしょう。
昼顔の手入れ!摘心の時期や方法は?
昼顔のつるが30cm以上に伸びてきたら、先端を切って摘芯をします。定期的に繰り返すことで、大きく広く生長していきますよ。また、枯れた花は都度摘み取ります。花がしぼんだら、種ができるので数を増やしたい方は、そのまま種ができるのを待ち、結実したら採種しましょう。
昼顔(ヒルガオ)の栽培中に注意する病気や害虫は?
昼顔は病気に強いのですが、アカダニやアブラムシの害虫には注意しましょう。見つけたら薬剤を1週間おきに2〜3回ほど散布すると効果的です。
日光が不足してしまうと、生育が止まって花がつかなくなります。半日陰になっても枯れないですが病害虫に弱くなるので、できるだけ日当たりのよい場所で育てましょう。
昼顔(ヒルガオ)の花言葉は絡みつく性質や高い繁殖力から生まれた
昼顔の花言葉は「絆」や「情事」といった、つるが絡みつく様子から「密接な関係」を表すためにつけられたものです。フランスでは特に女性の恋愛に例えられることもしばしば。
繁殖力高さから、あまりガーデニングには好まれていない昼顔ですが、鉢植えで育てれば他の植物の邪魔になることもありません。基本的に朝顔と同じ育て方なので、初夏の朝は朝顔の花を、昼間は昼顔の花を楽しむ生活もよいかもしれませんね。
更新日: 2020年09月30日
初回公開日: 2016年04月24日