最近、芝生に変わるグランドカバープランツとして人気が高まっているイワダレソウ。地面を這うように生長し、夏に名あると小さな花を咲かせます。刈り込みや踏圧によって、葉っぱがどんどん茂る、強さを持った植物なんですよ。今回は、そんなイワダレソウとはどんな植物なのかや、育て方についてご紹介します。
クラピア(イワダレソウ)の花言葉
『忍ぶ恋』
イワダレソウは、その名の通り岩場に垂れるようにして繁殖します。
忍ぶ恋という花言葉は、岩にへばりつくようにして可憐な花を咲かせる姿から、じっと忍耐するような、秘めたる恋を連想してつけられたのでしょうか。
イワダレソウ(クラピア)の学名・原産国・英語
- 学名
- Phyla nodiflora
- 科・属名
- クマツヅラ科・イワダレソウ属イワダレソウ種
- 英名
- Texax frogfruit, Turkey tangle frogfruit等多数
- 原産地
- 世界中の熱帯~亜熱帯
- 開花期
- 5~10月
- 花の色
- 白・ピンク
- 別名
- リッピア
クラピア(イワダレソウ)とは?
クラピアは、同属のヒメイワダレソウと共に、グランドカバーによく用いられる、近年注目の品種です。日本国内に自生するイワダレソウを宇都宮大学の倉持講師が品種改良して作りだされ、現在は生産地(栃木県小山市)で新品種も生み出されています。
芝生の約10倍の速度で広がるほどよく増え、横へ広がり、草丈が伸びにくいので、頻繁に刈込が必要な芝生と比べて、刈り込みの必要性が少ないのが特徴です。そのうえ種をつけないので、周囲の生態系に影響を及ぼす心配もないんですよ。
低く地上を這うようにして育ち、踏圧に強く、暑さ寒さへの耐性があると、グランドカバーにもってこいの性質を持っています。また、日照時間が3時間くらいの日当たりが悪い場所でも元気に育ちます。そして、5月~10月に小さな白や薄いピンクのかわいらしい花を咲かせます。
イワダレソウ(クラピア)の育て方のポイントは?
クラピアはどこででも育つ強さを持っています。根を土壌深くまで伸ばして水分や栄養素を取り入れるので、乾燥にも強く、法面保護や土留めにも適しています。剥がして別のものを植える場合は、ラウンドアップのような非選択性除草剤で対処可能です。
クラピア(イワダレソウ)の植え付け
植え付けの時期
一年中植えられますが、植えてからすぐ広がるベストな植栽時期は5~7月で、ポット苗を植え付けて育てていきます。冬季に植え付ける場合は、目砂などをかけて乾燥から保護してください。芝の代りに植えたり、グランドカバーとして利用することが多いので、地植えが基本です。
植え付けの方法
ポット苗は、シャベルで穴を開けて植え付けます。植えたとき1回だけ、土と苗が密着するよう軽く踏みつけて活着させてください。植え付ける土の質はあまり選びませんが、水はけの悪い土壌を嫌います。
水はけが悪い土壌の場合は、表土に砂を混ぜるなどして排水を改善します。真砂土や山砂など保水力・保肥力の弱い土壌の場合、完熟バークや園芸用土などで改良してください。
クラピア(イワダレソウ)の水やり
植えてから活着するまでの2週間程度は土が乾いたら水やりをしてください。クラピアが広がりだしたら基本的に水やりは必要ありません。少量の水分でも枯れませんが、夏場に乾燥した日が続いたら水やりをしてください。
クラピア(イワダレソウ)の肥料
初期活着には肥料はいりませんが、小さい苗で植えて、早期に被覆させて使う植物ですので、少し広がり始めた頃に追肥を行って下さい。肥料切れになると生育が止まります。施肥の目安は痩せた土で70g/㎡程度、普通の土で50g/㎡程度、肥沃な土で20g/㎡程度です。肥料が多すぎると徒長しすぎてしてしまいます。
クラピア(イワダレソウ)の管理の方法は?
クラピアは、適度に踏まれることで根の張りが活発になります。葉が小さくなり節間が詰まって密生し緑の絨毯のようになってきます。ただ、あまり踏みすぎると花の数が減ってしまうので、適度にしてくださいね。
また、芝のような頻繁な刈り込みは必要ありませんが、年に1、2度刈る事で分枝が促進され密生度が増して美しくなります。また、刈る事で蒸れも防止できるので病気の予防にもなります。徒長してしまった株は手で引き抜いたり、はさみで切ったりしてください。
クラピア(イワダレソウ)の栽培で注意する病気や害虫は?
クラピアは白絹病に感染すると、葉が腐ったような茶褐色に変色し、枯れた部分が円形に広がります。感染した株は回復しないので、見つけ次第スコップなどで掘って処分するのが最も効果的です。空いた穴には砂を入れておくと再発しにくくなります。対処が遅れると、ものすごい速さで広がります。
また、使ったスコップには菌糸がついているので、よく洗ってください。さらに、他の部分に感染している可能性があるので、全体にモンカットフロアブル40を1000倍くらいに薄めて散布し殺菌すると広がりを防げます。リゾレックス水和剤も500倍~1,000倍希釈して同じ使い方で使えます。
クラピア(イワダレソウ)はグランドカバーにおすすめ!
クラピアはやせた土地でもよく育ち、雑草が生えにくいので管理がしやすいです。かわいらしい花の開花期間が長いことも魅力で、グランドカバーにすると、お庭が柔らかい印象になりますよ。実際の踏み心地も柔らかいので、お子さまやペットの居るご家庭にもおすすめです。
芝生では管理が面倒…という方は、クラピアをチョイスしてみてくださいね。
更新日: 2016年07月03日
初回公開日: 2016年07月03日