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山芋(自然薯)とは?栽培方法や種類は?

すりおろしたとろろがご飯や蕎麦などの和食とよく合う山芋。栄養価が高く、疲労を回復させる効果もあることから、夏バテ対策に適した食材として人気があります。また、消化吸収を助ける効果もあるので、食欲のないときに食べるとよいですよ。今回は、そんな山芋とはどんな野菜なのかや、栽培方法、種類などをご紹介します。

山芋(自然薯)の学名・原産国・英語

学名
Dioscorea japonica
科・属名
ヤマノイモ科・ヤマノイモ属
英名
Japanese yam
glutinous yam
原産地
日本
開花期
7~9月
収穫期
10~12月
別名
自然薯(ジネンジョ)
山の芋(ヤマノイモ)

山芋(自然薯)とは?どんな野菜?

山芋とは、ヤマノイモ科・ヤマノイモ属に分類されるつる性の多年草の総称です。ヤマノイモ属はアフリカ、アジアといった熱帯や亜熱帯の多雨地域に分布しており、世界で600種以上あるといわれています。この中で、食用のものを「ヤム(yam)」と呼ばれます。日本では、山芋とはヤマノイモ属の総称で、大きく分けると「ヤマノイモ」「自然薯(ジネンジョ)」「ダイジョ」の3種類に分けられ、さらに「ヤマノイモ」には、「大和芋」「捏芋」などが含まれます。

株は雌雄異株で、つるを10m以上長く伸ばします。葉っぱは5~8cmほどで細長い形をしており、互い違いに生えています。花期になると、雄株は垂れ下がった花を、雌株は立ち上がった花を咲かせます。花色は、白~淡黄緑色をしており、小さく目立ちません。秋に収穫できる芋の長さは、1~1.5mほどで、品種ごとに違った形をしています。

山芋(自然薯)の効果・効能は?

主にカリウム、鉄分などのミネラル成分をはじめに、ビタミン、食物繊維、消化酵素、コリン、サポニン、アルギニンといったさまざまな体によい成分をバランスよく含んでいます。以下に、それぞれの効果・効能と有効成分をご紹介します。

疲労回復の効果

山芋のネバネバは、高い保水性と強い粘りによって、胃酸から胃を保護したり、目の乾きを抑えたりする効果が期待できます。また、効率よくタンパク質を消化吸収させる働きから、スタミナの増強、疲労回復の効果があるほか、ビタミンB群やアルギニン、サポニン、コリンの疲労回復の効果をより高いものに変えてくれます。

ダイエットの効果

山芋に含まれるアルギニンという成分には、成長ホルモンの合成を促進し、脂肪の燃焼を向上させる効果があります。さらに、脂肪の分解が促されてタンパク質が合成されていくので、運動と合わせることで筋肉量の増加、体脂肪の蓄積防止、脂肪の燃焼の効果が期待できます。

美容効果

便秘解消や血行が促進されることで、新陳代謝の働きの工場、クマやくすみの改善が期待できます。また、便秘解消は、老廃物から生じる毒素を減少させ、肌荒れの改善にもよいです。

山芋(自然薯)の種類や品種は?

ジネンジョ(自然薯)

長さ60~100cmで、直径3~4cmほどの太めのごぼうのような形をした山芋です。粘り気がとても強く、深みのある味が特徴。栽培がむずかしく、天然ものはさらに貴重なため、価格は多少高めです。
栽培用品種には、稲武2号などがあります。

ツクネイモ(捏芋)

丸くゴツゴツとした握りこぶしに似た形をしています。主に栽培されている関西や中国地方では、ヤマトイモというと本種を指します。粘り気が強いので、おろしてとろろ汁や揚げものにされるほか、饅頭などの和菓子の材料としても使われます。加賀の丸いも、丹波いも、伊勢いもなどが有名です。

イチョウイモ(銀杏芋)

イチョウの葉に似た、ばち形や棒のような形をした種類です。粘りはナガイモとツクネイモの中間ほどで、すりおろすと濃厚なとろろになります。はんぺんやがんもどき、饅頭などの材料にも使われ、ツクネイモとともにヤマトイモと呼ばれることがあります。

山芋(自然薯)の育て方のポイントは?

過去に山芋を栽培したことのない場所で、芋が大きくなる時期にたくさんの日光に当てることが栽培のコツです。山芋は連作に弱く、3年は同じところで栽培しない方がよいとされています。また、日光にたくさん当てると、生育がよくなります。

山芋(自然薯)の種芋の植え付け時期と方法は?

山芋は、元となる種芋を植え付けて育てていきます。植え付けの適期は、4~5月上旬です。種芋は植え付ける前に、100gくらいの大きさに切り分けて、3~4週間日当たりのよい場所で干しておきます。

プランター

深さが30cm以上ある60cmプランターに2~3株が植え付けの目安です。土は、市販されている野菜用培養土を使います。

  1. 鉢底石を敷く
  2. プランターの8割くらいまで土を入れる
  3. スコップで深さ5cmほどの穴を掘り、種芋の切断面を上にして置く
  4. 種芋同士の間隔は30cmほど空ける
  5. 土を被せる
  6. たっぷりと水やりをする
  7. 発芽後は、土の表面を腐葉土やワラで覆って乾燥や過湿を防ぐ

地植え

植え付ける2週間前までに、1㎡あたり100g苦土石灰をまき、深さ20~30cmくらい土を耕しておきます。そして植え付ける1週間前に1㎡あたり150gの化成肥料を混ぜ込んで耕したら、高さ30cm、幅100cmの高畝を立てます。そして、深さ5cmあたりのところに、株同士の間隔を30cmほど空けて種芋を植え付けてください。

山芋(自然薯)の水やり、肥料の与え方

水やり

過湿に弱いので、土の表面が乾きはじめたらたっぷり水を与えるのが基本です。地植えでは、降雨のみでよいですが、夏場に乾燥しすぎたら水やりをしていきます。

肥料

7月上旬~8月上旬に1回ほど有機肥料を施します。

山芋(自然薯)の誘引、支柱立ての時期と方法は?

発芽し、つるが伸びはじめたら支柱を立てて誘引します。風によって振り回されないよう、早めに誘引してあげてください。また、つるが垂れ下がったまま育つと、「ムカゴ」に養分が取られて芋の育ちが悪くなってしまいます。畑など広い場所があるときは、合掌式の支柱を立てるとよいですよ。

山芋(自然薯)の収穫の時期と方法は?

山芋の収穫は、11月中旬~翌3月頃が適期です。地上部が完全に枯れ、1週間ほどしたら収穫をしていきます。株の周りをスコップなどで崩して掘り、芋が折れないように掘り上げていきます。

また、9月下旬~10月頃には、葉の付け根に「ムカゴ」が付きはじめます。葉色が黄色くなり、指で軽く触って取れるくらいになったら完熟期なので、収穫してムカゴご飯や塩茹でにして楽しむとよいですよ。

山芋(自然薯)の栽培で注意する病気や害虫は?

病気にかかっていない種芋を選べば、元気に育ってくれます。栽培中葉、風通しをよくして、高温多湿を避けて病気にかかるのを予防していきます。また、ときどきヤマノイモコガ、ネコブセンチュウ、アブラムシ、ダニ類といった害虫が発生することがあります。よほど葉を食べられないかぎりは大丈夫ですが、必要に応じて薬剤を使って駆除していきます。

山芋(自然薯)を栽培して楽しもう

ヤマイモ ムカゴ 山芋

山芋は、支柱やネットを用いることで4~5mとよく伸びます。近年では、グリーンカーテンの人気から自然薯など山芋の栽培への注目も高まっているんですよ。山芋だけでなく、炊き込みご飯などムカゴを活用したレシピが楽しめるのも山芋の魅力です。目で楽しみながら、味も楽しめる山芋の栽培に、ぜひチャレンジしてみてください。

初回公開日: 2016年06月27日