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ヒメウツギの育て方|剪定や植え替えの時期や方法は?

ヒメウツギは、5〜7月になると小さな花を鈴なりに咲かせる植物です。ユキノシタ科・ウツギ属に分類され、純白の花と鮮やかな緑の葉のコントラストが見る人の心を惹きつけます。今回は、そんなヒメウツギの育て方について、剪定や植え替えの時期や方法などをご紹介します。

ヒメウツギの育て方のポイントは?

ヒメウツギ 姫空木

ヒメウツギは、乾燥させすぎないことが育てるポイントです。日本の山に行けば見つけられる一般的な花木の1つで、耐暑性や耐寒性があり、放置していても自然に育つ生命力の強さをもっています。

特に過保護に扱う必要はありませんが、乾燥よりも湿った土と日当たりのよい場所を好むので、鉢植えの土の表面が乾いたらたっぷり水を与え、よく日の当たる場所で管理してください。

ヒメウツギの種まきや苗植え。鉢植え地植えの時期と方法は?

ヒメウツギ

苗植え

11〜5月頃までが苗植えの適期です。

■ 地植え

  1. 株よりも1回り大きな穴をほって、掘りあげた土に腐葉土とピートモス、乾燥牛糞を混ぜて2週間ほど寝かす
  2. 1平方メートルあたりコップ1杯分(100~150g)くらいの苦土石灰を混ぜて、さらに2週間寝かせ、緩効性化成肥料を混ぜる
  3. 苗の根に付いている土を軽くほぐし、掘った穴に植えつける
  4. 隙間ができないように棒でつつきながら土をつめていき、水やりをする

■ 鉢植え

  1. 苗が入っているポットより1〜2号大きい鉢を用意
  2. 市販の園芸用土もしくは、赤玉土(小粒)7:腐葉土2:ピートモス1の割合で混ぜた土を用意する
  3. 鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れ、土を1/3ほどいれる
  4. 苗を鉢の中心に置いた後、土を被せていって株を固定する
  5. 鉢底から水が流れ出るまで水をたっぷり与える

種まき

ヒメウツギは、雄雌同株といって1本の株で種をつけ、ひとりでに種がこぼれて周囲に芽が出て増えていきます。一般的には苗を購入して育てますが、10月に熟した実をよく乾燥させて紙に包み、密閉できるポリ袋などにいれて、冷蔵庫で保存します。

  1. 4〜5月頃、気温が15〜20度になったら冷蔵庫から出す
  2. 実からていねいに種を取り出す
  3. バーミキュライト、ピートモス、赤玉土(小粒)のいずれかを育苗ポットに入れておく
  4. 土に水をかけて十分に湿らせておきます。
    ※初めて使うピートモスは水を吸いにくいので、水を張った鉢皿をポットに入れながら、上からも水をかけて、棒で突いていると吸水が早まります
  5. 育苗ポット1つに3〜5粒ずつ種をまき、霧吹きで水をかける
  6. 屋外の暖かい所で新聞紙を被せて、土が乾燥しないように霧吹きで水をかけて管理する
  7. 発芽したら新聞紙を取り、一番生育のよい芽を残して他を間引く
  8. 十分に発根したら、吸水させたピートモスを入れた3号ポットに植え替える
  9. 土の表面が乾いてきたら水やりの代わりに、7〜10日おきに液肥を与える
  10. 草丈が15〜20cmに育ったら、地植えかさらに1回り大きな鉢に植え替える

ヒメウツギの水やり、肥料の時期と方法は?

水やり

ヒメウツギは、水切れによる衰弱を起こしやすいので、乾燥させないようにします。地植えは、地下から水分を吸い上げているので、ほとんど水やりを必要としません。雨が降らず、乾燥した日が続いたときだけ、数日に1回水やりをしてあげましょう。

鉢植えは、1年を通して土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。特に夏場は木陰などの半日蔭に移動させて、朝と夕方の2回様子をみて、土が乾燥していれば水を与えてください。

肥料

植え付けるとき、乾燥牛糞や緩効性化成肥料を土に混ぜます。そして生育期には、3~4月と10~11月に1回ずつ株元に緩効性化成肥料や堆肥などを株元に埋め込んでおきます。

地植えは、3~4月に与える肥料を発酵油かすにすると花つきがよくなります。鉢植えは、鉢の内側ぎりぎりの所に肥料を埋めと、肥料焼けを起こしにくくなりますよ。

ヒメウツギの剪定の時期と方法は?

剪定の時期は、花が終わった後の12〜2月頃です。枯れた枝や混み合っている部分の枝などをハサミで切りましょう。全体に樹形が乱れてしまったら3〜4年に1度、根元から20〜30cmの所で切り取っって姿を作りなおしてもよいですよ。

ヒメウツギの植え替えの時期と方法は?

鉢植えは、2〜3年に1度植え替えが必要です。11〜12月頃、葉っぱが落ちた後に1回り大きな鉢に新しい土を使って植え付けます。地植えは、植え替えの必要がありません。

ヒメウツギの増やし方!挿し木の時期と方法は?

ヒメウツギ

株分け

落葉期の11〜12月頃、株分けで数を増やします。地面に付いた枝から発根しているものを選び、本体から切り離して、別のところに植え付けましょう。土ごとスコップで掘りあげ、手で分割してください。もし、分けにくときは、スコップやシャベル、ハサミを利用してもかまいません。

挿し木

3月下旬〜6月の梅雨入り前が挿し木の適期です。

  1. 10〜15cmの木質化した枝を切り、下から5cm切り取る
  2. 葉を全て取り除き、メネデールなどの発根剤を溶かした水に漬ける
  3. 育苗箱に赤玉土(小粒)を入れて湿らせる
  4. 水からあげた枝を5cm間隔で挿す
  5. 明るい日陰に置いて、土を乾燥させないように水やりをする
  6. 十分に発根したら、ポットや地植えに植え替える

ヒメウツギの寄せ植えの時期と方法は?

4月〜6月の梅雨入り前までが、寄せ植えの植え付け時期です。鉢から株を取り出して、根鉢を崩さないように、大きめのプランターで、湿地を好む植物と一緒に寄せ植えにします。

植え付け方は、苗の植え付けと同じで、植物の間隔を詰めてコンテナ一杯に植えるようにするときれいに飾れますよ。ただし、土の割合が減って水切れしやすくなるので、乾燥のさせすぎには注意してくださいね。

ヒメウツギの育て方で注意する病害虫は?

うどんこ病やサビ病

春〜夏にうどんこ病が発生することがあり、白い粉状のカビが茎や葉を覆います。うどんこ病の予防には、枝が混み合わないように剪定し風通しのよい所で栽培します。

春〜秋の気温が高い時期にさび病が発生することがあり、葉にイボ状の斑点ができます。早めに薬剤を散布するとある程度の予防になります。もしさび病が発生してしまったら、その部分の葉を取り除いて薬剤を散布し、病気が広がらないように対処してください。

害虫

春の新芽にアブラムシが付くことがあります。早めに薬剤を散布して予防し、もし被害を見つけたら駆除します。

ヒメウツギを育ててみよう

ヒメウツギ

ウツギは万葉集に24首が詠まれるほど古来より初夏の花として親しまれており、小さなウツギという意味を込めたのがきっかけで名付けられました。庭木や鉢植え、寄せ植えのアイテムとしてもよく利用されているんですよ。庭にスペースのある方は、ぜひ、ヒメウツギを育ててみてはいかがでしょうか?

更新日: 2022年05月06日

初回公開日: 2016年04月10日

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