ヒペリカムは、門の周りや建物沿いに植えられることの多い花木です。鮮やかに輝く黄色い花は、優雅な印象を与えてくれ、和洋どんな雰囲気にも合いますよ。今回はそんなヒペリカムの挿し木や種まき、苗植えの時期と方法など育て方についてをご紹介します。
ヒペリカムとは?どんな花?
ヒペリカムとは、オトギリソウ科・オトギリソウ属に分類される植物の総称です。ただし、園芸においての狭義では「キンシバイ」や「ビヨウヤナギ」といった品種を指します。
ヒペリカム属の多くは6〜7月になると、黄色い花を咲かせます。
ヒペリカムの種まきや苗植えの時期と方法は?
ヒペリカムは種と苗から育てる植物です。種まきなら4~5月頃にまき、苗なら3月下旬~4月上旬、または9月下旬~10月に鉢に植えて育てます。
- 育苗箱に赤玉土(小粒)を入れ、種をばらまく
- 土が乾かないよう水やりをして、日陰で管理する
- 本葉が2~3枚に育ったら、生育のよいものだけを育苗ポットに移す
- 土の表面が乾いたら水を与え、日当たりのよい場所で管理する
- 草丈が15~20cmに生長したら、鉢や地面に植え替える
- 苗を取り出し、根に付いた土を崩さずに1回り大きな鉢に植え直す
- 草花用の培養土を用意する
- 苗の周りに土を入れて苗を固定する
- たっぷり水を与えて1週間ほど午前中に日の当たる場所で管理する
ヒペリカムの育て方!水やりの仕方や肥料の与え方は?
水やりの仕方
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えは、降雨だけでも育ちます。しかし、乾燥すると枯れてしまうので、夏の暑い日が続いたときは、朝か夕方に水やりをしてください。
肥料の与え方
植え付けるときに、ゆっくりと効く緩効性肥料を土に混ぜておきます。そして、9月中旬~10月と3月に、植え付け時と同じ肥料を与えるか、油かすを1握り施します。
肥料が多すぎると肥料焼けを起こしてしまうので注意してください。
ヒペリカムの剪定の時期や方法は?
ヒペリカムは新芽が伸びる3月か、花が咲き終わった9~10月頃に樹形を整えるために茎を切り取ります。伸びすぎている枝を付け根から切り取っていきましょう。
株を大きくしたくないときは、3月に株元から20~30cmのところでバッサリと切り落とします。その後新芽が伸びてきます。
ヒペリカムの植え替えの時期や方法は?
ヒペリカムは根が丈夫なので、7~8月と12~2月を除いて、鉢植えはいつでも植え替えできます。ただ、生育も旺盛なので、1年に1回植え替えをしないと根詰まりを起こしてしまいます。
春に植え替えると、根がよくはって、寒くなる前に株が充実しますよ。
ヒペリカムの増やし方!挿し木、株分けの時期と方法は?
ヒペリカムは、種まき、挿し木、株分けによって数を増やすことができます。種まきは、9~10月に採取した実をカラカラになるまで乾燥させ、中から種を取り出し、翌年の春に植え付けましょう。
挿し木
5~7月が適期です。
1. よく育った枝を選んで、先端から10~15cmの長さに切り落とす
2. 先端の葉っぱを3~4枚ほど残して、他を取り除く
3. 切り口を斜めに切り、水に1~2時間浸ける
4. 赤玉土(小粒)に枝を挿す
5. 土が乾かないように日陰で管理する
6. 根が十分に生えたら、鉢や地面に植え替える
株分け
横に生長するヒペリカム・カリキナムなどの種類は、株分け増やすことができます。適期は5~7月で、植え替えと同時に行うと効率がよいですよ。
土から株を取り出し、それぞれに枝が均等に付くよう、手やナイフで株を分けていきます。分けた株は、それぞれ植え付け時と同じ方法で、鉢や地面に植え付けてください。
ヒペリカムの栽培で注意する病気や害虫は?
カイガラムシ
ヒペリカムに最も付きやすい害虫です。成虫は体の回りが硬い殻で覆われており、薬が効きづらい性質をもっています。
幼虫のうちに見つけて、薬剤を散布して駆除していきましょう。成虫は、少数なら1匹ずつブラシを使って株から取り除きます。大量発生したときは、思い切って枝を切り落としてしまうのも1つの方法です。
さび病
草丈の低いヒペリカム・カリシナムや苗、体力の落ちた株がかかりやすい病気です。雨の多い時期に発生しやすく、茎葉に茶褐色の斑点がどんどん広がり、枯れてしまいます。
生育に影響のない範囲で病気にかかった葉っぱを取り除いていきましょう。
ヒペリカムの育て方のポイントは?
ヒペリカムを育てるポイントは、日当たりがよい場所に植え、きちんと水やりをすることです。半日陰でも育ちますが、日照時間が少ないと花付きが悪くなってしまいます。
また、斑入りの品種は、直射日光に当たると、葉色が悪くなります。長く乾燥した状態が続くと、茶色く枯れてしまうので、注意してください。
ヒペリカムの挿し木は簡単でおすすめ
ヒペリカムは種類にかかわらず、丈夫で育てやすい花木です。害虫の心配も他の植物に比べて少なく、ガーデニング初心者でも余裕をもって栽培を楽しめますよ。
また、はじめて株を増やすときも、挿し木は簡単なのでおすすめです。
ただ、育てるときは乾燥にだけは注意が必要です。風通しをよくし、土の状態をときどきチェックしてあげてくださいね。
更新日: 2022年07月06日
初回公開日: 2015年11月08日