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柿(カキ)の木の育て方|種まきや苗木の栽培、収穫の時期・方法は?

カキは日本で古くから親しまれている果物の1つです。庭先に植えられることが多く、秋になるとたくさんの実がついているのを見かけますよね。

たくさんの品種があり、渋みのあるものとないものがあるので、自分好みのものを選べるのも魅力です。今回は、種まきや苗の鉢植え、挿し木、植え替えの時期など、カキの育て方についてご紹介します。

柿(カキ)の育て方のポイントは?

カキの実を毎年収穫するには、摘蕾・摘果と剪定をきちんと行うことがポイントです。摘蕾や摘果が不十分で、実がなりすぎてしまうと、翌年の実つきが悪くなってしまいます。

また、枝先に花芽がつくことから、剪定のときに切り落とさないよう注意してください。

「桃栗三年カキ八年」ということわざがありますが、接ぎ木苗などを利用すると4年ほどで実をつけるようになりますよ。

樹高 2m〜5m
開花時期 5月〜6月
耐寒性 強い
耐暑性 強い

柿(カキ)を栽培しよう!種まき、苗植えの時期と方法は?

柿 カキ

種まき

主に接ぎ木のための台木を育てるために、種から育てます。11~3月が適期で、実の中から取り出した種を使います。

1. 育苗ポットに赤玉土(小粒)を入れ、種をまく
2. 土が乾かないように水やりを続けて管理する
3. 暖かくなった頃に芽を出す
4. 本葉が3~4枚になるまで生長したら、鉢や地面に植え替える

苗植え

暖地なら11~12月と2~3月、それ以外は2~3月の暖かくなった頃が適期です。植え付けてから4~5年で花が咲き、実がつくようになります。

鉢植えは、6~8号に苗を1本植え付け、地植えは、日当たりがよい場所を選び、苗よりも1回り大きな植え穴にまっすぐ植え付けます。根についた土を丁寧に落としてから、優しく植えるのがポイントです。

寒さ対策として、株元をワラで覆っておくとよいですよ。また、鉢植え・地植えともに、植え付けた横に支柱を立てて、倒れないように支えておきましょう。

柿(カキ)の育て方!土作り・水やり・肥料の与え方は?

土作り

水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。鉢植えは赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜた土か市販の培養土を使います。

地植えは、植え穴を作るときに掘りあげた庭土に、腐葉土やバーク堆肥を混ぜておきましょう。

水やり

地植えは、水やりの必要はありません。鉢植えは、土の表面が白く乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。

乾燥しているときは、霧吹きで株全体に水をかけてあげると、折れない株になります。

肥料の与え方

植え付けるとき、土に堆肥や油かす、骨粉などの有機肥料を施しておきます。施しすぎると、根が傷んでしまうので注意してください。

その後は、7月と10月にゆっくりと効く化成肥料を与えましょう。

柿(カキ)の枝が伸びすぎたら?

12~2月に、幹への日当たりと風通しがよくなるよう、伸びすぎた枝や内向きの枝など、余分な枝を切り取ります。

枝先の花芽を切り落としてしまうと、実がつかなくなってしまうので、時期を守って剪定をすることが大切です。

柿(カキ)の栽培!摘蕾・摘果の時期と方法は?

摘蕾は4~5月に行います。1つの枝には蕾が3~5つほど残し、他を手で摘み取ってしまいます。内側にある、大きくて萼が4枚ある蕾を残すのがポイントです。

また、カキは悪い実が自然に落ちる「生理落下」という性質を持っています。この生理落下が終わった6~8月に、摘果をすすめていきましょう。

1つの枝に実を1~2個残し、他は手やハサミで取り除いてください。実が適当についていれば、摘果は無理に行わなくてもかまいません。

柿(カキ)の収穫、保存方法は?

8~12月頃、カキの実がオレンジ色になってきたら収穫のタイミングです。手で実をもって枝から外します。果実を収穫せずに放っておくと、樹の養分が奪われて、翌年以降の実付きが悪くなるので、ご注意ください。

柿(カキ)の植え替えの時期や方法は?

鉢植えは、生育に合わせて2~3年に1回、11~3月に植え替えをします。植え替えの手順は、植え付け時と同じです。ひと回り大きな鉢を準備し、植え替えてあげましょう。

柿(カキ)の増やし方!接ぎ木の時期と方法は?

カキは、種まきか接ぎ木で増やすことができます。種まきは、植え付け時と同じ時期と手順で行ってください。接ぎ木は、3月中~下旬が適期です。

接ぎ木

1. 前の年に伸びた枝を5~10cm切り落として接ぎ穂を作る
2. 種まきで育てた苗の幹を、株元から2~3cmのところで水平に切って台木を作る
3. 台木に、垂直に切れ込みを入れる
4. 接ぎ穂の切り口を、台木の切れ込みと合うようにカットする
5. 接ぎ穂と台木の切り口を密着させ、接ぎ木テープで固定する
6. 株全体にビニール袋を被せ、上下を輪ゴムで止めて乾燥を防ぐ
7. ビニール袋に当たるくらい接ぎ穂が育ったら、ビニール袋を取り除き、鉢や地面に植え替える

柿(カキ)の栽培で注意する病気や害虫は?

炭そ病

菌が雨水によって飛び散り、枝や果実に暗褐色の斑点が現れて枯らす病気です。水はけや風通しが悪いと発生しやすく、台風や雨の多い年は注意してください。病気の部分は早めに切り取って処分し、ベントレー水和剤を散布して被害を食い止めましょう。

落葉病

葉っぱに黒い斑点がたくさんでき、どんどん散り落ちていきます。窒素肥料の不足や、長雨によって根っこがダメージを受けると発生しやすくなります。病気にかかった葉っぱはすべて切り落とし、処分してください。5~7月に薬剤を散布して予防できます。

ヘタムシ

カキのヘタを残して実を落とす害虫です。実が3cmほどの大きさになったときと、熟したときに発生します。実の中ではなくヘタに潜んでいるので、早めに薬剤を散布して駆除しましょう。

柿(カキ)は長く栽培が楽しめる果樹

「桃栗三年 カキ八年 人の命は五十年 夢の浮世に ささので遊べ」という歌があります。

このように、カキは実をつけるまでに時間がかかる果樹ですが、一度実がなれば10~40年もの間、秋に果実をつけ続けてくれますよ。じっくり育てて実がついたらおいしく味わってみてくださいね。

更新日: 2021年12月22日

初回公開日: 2015年11月14日

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