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柿(カキ)の効果・効能とは?栄養価や収穫時期、旬の季節は?

柿は、日本で古くから栽培されている果樹の1つです。庭に植えられていることも多く、秋になるとオレンジ色の実がたくさんなっている姿を見かけますよね。栄養価が高く、生で食べるだけでなく、甘みの増す干し柿も有名です。今回は、そんな柿の効果効能や栄養、花言葉、種類、旬の季節についてまとめました。

柿(カキ)の花言葉は?

『自然美』『優しさ』『恵み』『広大な自然の中で私を永遠に眠らせて』

「自然美」や「恵み」という花言葉は、秋になると枝にたくさんつく美しい実にちなんでつけられました。

柿(カキ)の学名・原産国・英語

学名
Diospyros kaki
科・属名
カキノキ科・カキノキ属
英名
Kaki
Persimmon
Persimmon tree
原産地
日本、中国、韓国、東アジア
開花期
4~6月 ※収穫期は10~11月
花の色
黄、クリーム
別名
カキノキ(柿の木)

柿(カキ)とは?どんな果樹?

カキ 柿 地植え

柿は、中国が原産の樹高2~5mほどに生長する落葉性の低木です。学名に「Kaki」とつくほど、日本でも親しまれ、北海道と沖縄を除く全国各地で栽培されています。光沢のある葉っぱ、先が尖った楕円形をしており、秋に紅葉して枯れ落ちます。

紀元前2世紀頃の中国ではすでに栽培されていたという記録が残っているほど歴史が古く、日本でも奈良時代には柿が売り物として販売されていました。また、平安時代の宮中行事には干し柿が献上されていたそうです。

東アジアにしか分布していない果樹であることから、明治時代になって欧米へと伝わりました。

名前の由来

1700年に出版された江戸時代の語源辞典によると、「あかき也。其の実も葉もあかき故也」とあります。これは、柿の黄の中心が赤いことから、「赤木」がカキへと変化したという説と、秋に紅葉した「赤い葉」や「黄色い実」が合わさって「赤黄(あかぎ)」となり、それが変化してカキになったという説の2つを表しています。

他にも、実が堅いことから「堅き」が変化したとする説や、つやつやと輝く実から「輝(カカヤ)」が語源であるとするなど諸説あります。

柿(カキ)の旬の季節と収穫時期は?

カキ 柿 花

4~6月頃が開花期です。新しい枝の葉の脇に、黄やクリーム色をしたツボ型の花を咲かせます。葉っぱの変化した萼は、緑色で大きく、花の周りを囲むようについています。

花には雄花と雌花がありますが、ほとんどの品種は雄花をつけず、受粉しなくても結実します。そして、秋の季節である10~11月に、オレンジ色の実が旬を迎えます。

また、柿は品種によって収穫時期が異なります。8月下旬頃~12月頃が柿の収穫時期で、本格的な収穫は10~11月頃です。

柿(カキ)の効果・効能や栄養は?

カキ 柿 実

「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、柿の実はビタミン類やミネラルなどの栄養を豊富に含んでいます。そのため、古くは医者いらずの万能薬として重宝され、甘いものに乏しい時代には、貴重な甘みでした。

肌荒れ、風邪、二日酔いの防止

1個あたりのビタミンCの含有量がみかんの3~4倍と高いことと、体内でビタミンAへと変わるカロチンを多く含んでいることから、ウイルスや細菌への抵抗力を強め、風邪や肌荒れを防ぐ効果が期待できるといわれています。

また、シビリオールやアルコールデヒドロゲナーという成分がアルコールの分解を助け、利尿作用のあるカリウムも含んでいるので、二日酔い後に食べるのもいいですね。干し柿にすると、アルコールの分解作用はなくなってしまいますが、甘みが増し、カロチンも2倍に増えます。漢方では、カキは冬の乾燥した空気で傷んだ肺を潤し、咳や喘息に効く食薬とされています。

他にも、カキの葉は防腐作用があるので「カキの葉寿司」に利用したり、ビタミンCが豊富な「柿の葉茶」にしたり、果実を発酵させた「カキ酢」など健康食品としても注目されています。

柿(カキ)の食べ過ぎに注意!実に毒がある?

関ヶ原の戦いで豊臣秀吉に敗れた武将石田三成が、処刑場所に向かう途中、引率していた兵士から柿を食べないかと聞かれたときに「柿の実は痰の毒」と答えたことから、毒があると誤って認識されていることがあります。実際、実に毒はありません。

ただ、柿は食物繊維が豊富なことから、食べ過ぎると下痢、消化不良などを招く場合があるので、注意してください。

柿(カキ)の種類や品種は?

カキ 柿 地植え  (3)

明治時代には1000を超えるといわれていたほど、品種がたくさんあります。これらは、渋みがなく熟すと甘い「甘柿」と、渋みのある「渋柿」に分けられます。好みによって育てる品種を選ぶとよいですよ。以下に、甘柿と渋柿の代表的な品種をそれぞれいくつかご紹介します。

■ 甘柿

富有(ふゆう)

甘柿の中で最もメジャーな品種です。果実は200~250gと大きく、肉厚な果肉と強い甘みが特徴です。ただ、花が雌花にしかつかず、他の品種に比べて実つきが悪いことから、結実させるためには人工授粉が必要です。

次郎(じろう)

愛知県や静岡県を中心に、全国地で栽培される品種です。実は250~300gと富有に比べて大きく、上部が平べったい形をしています。また、実の中に種がほとんど入っていないことから、食べやすいですよ。

■渋柿

平核無(ひらたねなし)

新潟県では「八珍」、山形県では「庄内ガキ」と呼ばれている、種のない品種です。実の大きさは180g〜200gで長円形をしており、果肉は橙黄色をしています。新潟県にある原木は樹齢300年以上の巨木で、県指定天然記念物となっています。

甲州百目(こうしゅうひゃくめ)

「鉢屋(はちや)」「富士」とも呼ばれている渋柿で、長野、福島、宮城県で栽培されています。一部は渋抜きをしてから食用にしますが、多くは干し柿にされています。果実は300gを超えるほど大きなものが多く、果肉の質がよいことから「枯露柿(ころがき)」として化粧箱に入れられ、年末の贈答品として出荷されます。

西条(さいじょう)

広島県広島市西条町(現:東広島市)発見された渋柿で、山陰山陽から四国地方で栽培されます。岡山県苫田郡鏡野町には樹齢600年といわれる古木があります。実の先がやわらかくなりやすいことから、長距離輸送ができず、産地でしか味わえない柿となっています。

愛宕(あたご)

愛媛県周桑郡で発見された渋柿で、愛媛、徳島、香川、広島、岡山県で栽培されています。もともとは渋抜きがむずかしいとされていましたが、ポリ袋で密封包装することで渋抜きできることがわかり、全国へ出荷されるようになりました。

柿(カキ)は秋が旬の果物

カキ 柿 地植え  (2)

「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」という正岡子規の俳句があるように、柿は秋を感じさせてくれる果物です。栄養価も高く、古くから万能薬として日本人に重宝されてきました。渋柿と甘柿の品種があるので、自分好みのものを選んで、庭で育ててみるのもすてきですね。

更新日: 2019年11月20日

初回公開日: 2015年11月14日

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