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柱サボテンの育て方|胴切りや挿し木での増やし方は?

「サボテン」と聞くと、多くの方は砂漠の大地につきたつ姿を思い浮かべるのではないでしょうか。そのサボテンは、「柱サボテン」という種類です。個性的な見た目は、お部屋の雰囲気を変えてくれそうですね。枯れる心配も少ないので、インテリアに取り入れやすいと人気です。今回は、そんな柱サボテンの育て方について、胴切りや挿し木での増やし方も一緒に詳しくご紹介します。

柱サボテンとは?花は咲くの?

柱サボテン

柱サボテンとは、サボテン科に分類される植物のうち、「柱のような形をしている種類」の総称です。〇〇属というように明確な定義があるわけではなく、さまざまな属に分類されたサボテンを形状で分けて呼んでいます。

何本かの茎を上に向かって伸ばす姿が独特。数十年ほどの長い間育てていると手のひら大の花を咲かせるといわれていますが、それが咲く条件について詳しくはわかっていません。

「花を楽しむために」というよりは、ニョキニョキと伸びる姿を楽しんでくださいね。

柱サボテンの置き場所は?

柱サボテンは、日光に十分当たる場所であれば、屋内・屋外問わず、どこに置いても楽しむことができます。日差しの入るキッチンの窓辺に1鉢置いてもよいですし、他の植物と一緒にベランダに飾るのもおしゃれですね。

日当たりが悪い場所に飾りたいときは、日中だけ場所を移動させて日光浴をしてあげましょう。日光浴をさせずに育ててしまうと、茎が日光を求めてクネクネと折れ曲がり、形が崩れてしまいます。

また、長雨に当たるなど湿度の高い場所だとすぐに枯れてしまうので、注意してください。

柱サボテンの育て方は?日々のお手入れは必要?

柱サボテンは多少ほったらかしにしていても育つ丈夫な植物です。日々のお手入れのコツを押さえていればそうそう枯れる心配はありません。

ここでは、水やりや肥料の与え方などお手入れの基本をご紹介します。

水やりの仕方

種類によって違いはありますが、多くの柱サボテンは「4〜9月によく生長し、10〜3月は生長がほぼとまる」というサイクルで大きくなります。

よく生長する時期は根からたくさん水を吸収するので、鉢の土が乾燥したら水を与えます。だいたい6〜10日に1回が目安です。

生長がほぼとまる時期は水を必要としないので、茎がしおれたら水やりをするぐらいでかまいません。水やりをしすぎると根腐れしてしまうので、注意してください。

肥料の与え方

柱サボテンは水分と栄養を茎にためこむ力があるので、たくさんの肥料は必要ありません。元気がないなと感じたときに、薄めた液体肥料を与える程度で十分です。

大きく生長させたいときは、4〜10月の間、1ヶ月に1回程度薄めた液体肥料を与えるとよいです。

柱サボテンの増やし方!胴切りや挿し木の時期と方法は?

ユニークな姿の柱サボテンは、簡単に数を増やすことができます。増やし方には2通りあるので、自分にあった方法を選んでチャレンジしてみてください。

1つ目は柱サボテンの茎を水平にカットし、それぞれを育てる「胴切り(どうぎり)」という方法です。

2つ目は、柱サボテンの茎の脇に生える子株(こかぶ)と呼ばれる小さな茎を切り取り育てる「挿し木(さしき)」です。

以下に、それぞれを行うのに適した時期と方法をご紹介します。

胴切りの時期と方法

柱サボテンの胴切りは4〜5月が適期です。茎をどこで切ったらよいか悩むものですが、実はどこで切ってもかまわないんです。元の柱サボテンも、元気であれば切断面から新しい茎が生えてきますよ。

表面が変色している部分は使わず、黄緑色をした発色のよいところを使ってください。

  1. 柱サボテンの茎を水平にカットする
  2. 切り離した部分は風通しのよい場所に置く
  3. 1〜2ヶ月後、切り口から細い根が生えてくる
  4. 植え替えのときと同じグッズを準備する
  5. 鉢の中心に切り離した柱サボテンの茎を軽く埋める
  6. 少し日が差す風通しのよい場所に置く
  7. 鉢に植えてから3〜4日後、たっぷりと水を与える

挿し木の時期と方法

挿し木の適期も4〜5月です。茎から生えてきた小さな子株を、茎との境目で切り取って育てます。元の茎の切断面は、次第に閉じて元の色に戻るので安心してください。

胴切りのときと同様、茎の内側が変色しているのは腐っている証拠なので、挿し木で使わないようにしましょう。

  1. 柱サボテンの茎から子株を切り離す
  2. 切断面の周囲を鉛筆を削るように削ぎ落として尖らせる
  3. 子株を風通しのよい場所に置く
  4. 2〜3週間切り口を乾燥させる

これ以降の手順は、胴切りの4.から後ろと同じです。

柱サボテンの植え替えの時期と方法は?

生長スピードによってタイミングはまちまちですが、柱サボテンを数年同じ鉢で育てていると、根が鉢の底穴から出てきたり、水が土にしみこみづらくなったりします。

これは、根をはるスペースが土の中にない「根詰まり」のサインです。放って置くと弱って枯れるので、4〜9月のうちに新しい鉢へ植え替えましょう。

■ 植え替えのときに準備するもの

  • 今よりも一回り大きな鉢
  • サボテン用培養土
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石か軽石
  • ハサミ

■ 植え替えの手順

  1. 水やりをストップし、柱サボテンの土を完全に乾かす
  2. 鉢の周りを軽く叩いてから、柱サボテンを鉢から抜き出す
  3. 古い土を手でもみほぐしながら取り除く
  4. 傷んだ根を切り落とし、日陰に置いて根を完全に乾かす
  5. 新しい鉢の底穴に鉢底ネットをかぶせる
  6. 鉢の底に軽石を敷き、土を鉢の1/3ほど入れる
  7. 根を広げながら柱サボテンを新しい鉢の中心に置く
  8. 周りに土を足して柱サボテンを安定させる
  9. 直射日光の当たらない場所に置く
  10. 植え替えて3〜7日後に水やりをする

柱サボテンの育て方で気をつける病害虫は?

柱サボテンは風通しが悪く、湿度が上がると、茎が途中から枯れてくる「立ち枯れ病」や土の表面にクモの巣状の糸が張る「クモの巣病」にかかります。

いずれの病気も放っておくと柱サボテンが枯れるので、すぐに対処しましょう。立ち枯れ病は、「胴切り」と呼ばれる方法で、元気な茎を切り取って別の鉢で育てます。

クモの巣病は、表面についている糸のような細菌を手や綿棒などでそっと取り除きます。その後、殺菌剤を散布して完全に駆除すれば0元気を取り戻しますよ。

柱サボテンは寒さに弱い?冬越しの方法は?

柱サボテンは冷たい風や霜に当たるととたんに枯れてしまいます。通年販売されているのでついつい忘れがちですが、柱サボテンは南アメリカのあたたかい地域が原産なので、日本の冬は要注意。

気温が下がる10月以降は、窓から伝わる外気を避けるために、窓から少し距離をとって育てましょう。

ただ、屋内には加湿器が置かれていることもありますよね。加湿器の近くに置くと今度は湿度が上がって病気にかかる恐れがあるので、湿度にも配慮してください。

柱サボテンの育て方を楽しもう

柱サボテン

濃い緑色をした太い茎を上へ上へと伸ばす柱サボテン。大きな鉢を1つ飾るだけで、お部屋のシンボルになるくらい強いインパクトがあります。

ブリキや麻布でできた鉢のカバーを使ったり、小さなフィギュアを飾ったりすると、そのユニークな姿がより一層引き立ちますよ。お部屋の雰囲気作りに役立ててみてください。

更新日: 2023年04月24日

初回公開日: 2016年01月23日

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