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クロモジの育て方|水やりや植え付け方法は?どんな樹木なの?

和菓子に添えられるつまようじの素材として知られるクロモジ。樹皮や枝に入る黒い斑が美しいですよ。華やかな木ではありませんが、枝葉は上品に香ります。秋には葉が黄色く色づき、シンプルで清楚な木の姿がナチュラルガーデンによく似合います。今回は、そんなクロモジとはどんな樹木なのかと、育て方についてご紹介します。

クロモジ(黒文字)の学名・原産国・英語

学名
Lindera umbellata
科・属名
クスノキ科・クロモジ属
英名
原産地
日本
開花期
3~4月
花の色
白、黄緑
別名
トリシバ、アブラギ、ウショウ

クロモジとは?どんな樹木?

クロモジ

クロモジは、クスノキ科クロモジ属に分類される落葉性の低木です。若枝の樹皮に入る黒い斑紋が美しく、文字のように見えることが和名の由来です。

しなりの良い材質であることから古来、カンジキの素材として、また、枝葉を折ったときの香りがよいことから、つまようじや、近年では和ハーブティーやアロマエッセンシャルオイルの素材としても利用されます。

また、クロモジの枝を編んでつくられる「黒文字垣」は、お湯をかけておくとよい香りを放つことから、お茶室の垣根などに使われてきました。

まっすぐ上に伸びる幹は直径5~10cmと細身で2~5mほどの高さに生長します。灰褐色でなめらかな樹皮には丸い皮目があります。雌雄異株で、3月~4月頃の芽吹きと同時に淡薄黄緑色の小さな花をたくさん咲かせます。

後に5mmほどの緑色の丸い液果を付け、9~10月頃になると黒く熟します。

クロモジの育て方のポイントは?

半日陰~日陰に植え付けることがクロモジを栽培するポイントです。直射日光など強い日差しに当たると弱って枯れてしまいます。日光には1日2~3時間当たれば十分です。

クロモジの苗植えの時期と方法は?

11~2月頃の落葉期に、直射日光が当たらず、水はけのよい場所を選んで植え付けていきます。枝ぶりや木の姿を楽しむ樹木なので、地植えにするのが基本です。

苗よりも1~2回り大きな植え穴を堀り、腐葉土や堆肥を掘った土にたっぷりと混ぜ込んでおきます。そして、根に巻かれている麻布は外して植え付けていきます。根付いて花を咲かせるまでに5~6年ほどかかりますが、根付きさえすれば特に大きな手入れは必要ありません。

鉢植えにするときは、苗よりも1~2回り大きな鉢に市販の草花用培養土を入れて植え付けていきます。ただ、植え替えを嫌う樹木なので、5年以内に地植えに切り替えた方が長く楽しめますよ。

クロモジの水やり、肥料の与え方

水やり

土が常に濡れていると根腐れを起こして枯れてしまいます。地植えは、日照りが続いて乾燥が激しいとき以外の水やりは不要です。鉢植えは、土が乾いたら底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。

肥料

植え付けるとき、土にたっぷりと堆肥や腐葉土を混ぜ込んでいれば、追加の肥料は必要ありません。

クロモジの剪定の時期と方法は?

自然と樹形がまとまるので強い剪定は必要ありません。落葉期に、混み合っているところや枯れている枝、伸びすぎている枝を間引くように取り除いたり、切りそろえたりして、自然な樹形に仕立てていきましょう。ある程度枝数を少なくすると、楚々とした自然な風合いを楽しめます。

クロモジの育て方で注意することは?枯れる原因は?

とても丈夫な木なので、害虫や病気にかかる心配は少ないですが、ときどきカイガラムシが付きます。剪定をして株の風通しをよくすることで予防することができますよ。見つけたときは、ブラシなどを使って株から引き剥がすほか、薬剤を散布しておきます。

また、耐寒性がありますが、九州などの暖かい地域で育てられた苗を寒冷地に植えると、寒さで枯れることがあるので、まだ木が若いうちは、冬になる前に株元を腐葉土などで覆って防寒対策を施しておくと安心です。

クロモジは自然な風合いを味わえる庭木

華奢な見た目で、上に伸びる幹の姿が楚々とした風合いを持っているクロモジ。立ち姿がおしゃれで、和風のお庭にも洋風のお庭にもよく合います。また、育てやすい木なので、初めて植える樹木にもぴったり。気品のある香りを楽しむなら、若い枝を使って生け花にするのもすてきですよ。

更新日: 2023年05月18日

初回公開日: 2016年05月31日

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