ブロッコリーは、大きくなった花の蕾と茎を食べるキャベツの仲間です。原産地は地中海沿岸で、日本では第二次大戦後に広く普及しました。ビタミンCがレモンの2倍と栄養価が高く、葉酸や食物繊維も豊富なことから、妊婦さんや子供の食事には取り入れたい野菜の1つとなっています。今回はそんなブロッコリーの種まきや苗植え、収穫や保存の時期と方法など、育て方をご紹介します。
ブロッコリーとは?育て方は簡単なの?
ブロッコリーとはアブラナ科・アブラナ属に分類される緑黄色野菜で、コツさえつかめば、簡単に育てられます。食べている部分は花の蕾が集まったところで、収穫せずに放っておくと菜の花に似た黄色やクリーム色の花をたくさん咲かせます。葉っぱは長い楕円形で切れ込みがいくつも入ります。
ブロッコリーを栽培する準備!土の作り方は?
弱酸性~中性の土を好みます。鉢やプランターで育てるときは、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1の土に苦土石灰を混ぜたものを使います。市販の野菜用培養土でもかまいません。畑は、植え付ける2週間前に苦土石灰と堆肥、1週間前に化成肥料を混ぜ混んでおきます。
また、ブロッコリーと同じアブラナ科を育てたことのある土を使うと、連作障害がでることがあるので、新しい土を用意しましょう。
自分で配合するには手間もかかりますし、市販の培養土には肥料もバランスよく含まれています。色んなメーカーからたくさんの商品が販売されていますので、説明書きを読んで、ご自分の用途に合った商品を選びましょう。
ブロッコリーの栽培!種まきの時期は?
春まき
ブロッコリーの栽培では、発芽適温が15〜25度なため、2月下旬~3月中旬に種をまくことができます。ただし”春まき”はアオムシなどの害虫の活性が高くなる時期に当たるので注意が必要です。
夏まき
ブロッコリーの栽培では、7月中旬~9月上旬にも種をまくことができます。また、この時期なら苗を育苗ポットで育てず、プランターや畑に直接種をまいて育てることができますよ。
ブロッコリーの栽培!種まきの方法は?
ポットの場合
1. 育苗ポットに土を入れ、指で深さ1cmほどの穴を空ける
2. 穴に3~4粒種をまき、薄く土を被せる
3. 土の表面が乾いたら水やりをする
4. 2~3日で発芽したら、葉っぱが重なり合っているところを間引く
5. 本葉が2~3枚になったら、生育のよい株を2本選んでほかを間引く
6. 本葉が4~5枚になったら、それぞれを鉢、プランター、地面に植え付ける
プランターの場合
1. 幅60cm以上のプランターに土を入れる
2. 棒や指で、土に横一本のすじを作る
3. 種をすじまきにして、土を軽く被せる
4. 複数のすじを作るときは、間隔を10cmほど空ける
5. 土の表面が乾いたら水やりをする
6. 2~3日で発芽したら、葉が重なり合わないように間引く
7. 本葉が4~5枚に生長したら、株同士の間隔を40~45cm空ける
地植えの場合
畑に種をまく手順は、プランターと同じです。ただ、事前に土作りをすませて、土壌環境を整えておきましょう。また、すじまきが手間に感じる方は、30cm間隔に1cmほどの深さの穴を空け、底へ種を3~4粒まいてもかまいません。
ブロッコリーの栽培!苗植えの時期は?
苗植えは、3月中旬~4月中旬か、8月下旬~9月中旬が適期です。株同士の間隔を十分に空けて植え付けていきましょう。
ブロッコリーの栽培!苗植えの方法は?
鉢植えの場合
10号鉢に1株が目安です。鉢底石を敷いて水はけをよくしてから、苗を植えていきます。また、土の表面が鉢の縁より2cmほど下になるようにするとよいですよ。
プランターの場合
20~25L以上、65cmのプランターに2株を目安に植え付けます。ブロッコリーは根張りがよいので、容量が大きいほどよく育ちます。株が蒸れると弱ってしまうので、プランターの底には鉢底石を敷き詰め、株同士の間隔を30~40cm空けるようにしてください。
地植えの場合
先に土作りをすませた畑に、幅40~120cm、高さ15~20cmの畝(うね)を作ります。40~50cm空けて植え穴を掘り、水をまいてから苗を植えていきましょう。ブロッコリーは定着しにくいので、土を被せたら手で軽く押さえてあげるとよいですよ。
ブロッコリーの育て方!水や肥料の与え方は?
水やり
頻繁に水やりをすると、根腐れを起こすので注意してください。ただし播種後すぐは、根がまだ成長しておらず水を据える範囲がとても狭いため、土の表面がなるべく乾かないように管理しましょう。一度の乾燥が命取りとなっています。
肥料
植え付けるときに、野菜用の化成肥料を土に混ぜておきます。そして、本葉が10枚位になったら、株元に土を寄せて、株同士の間に同様の化成肥料を2~3週間に1回、花の蕾ができるまで与えます。液肥を与えるときは、500倍に薄めたものを1週間に1回、水やり代わりに施します。
ブロッコリーの栽培!日当たりは?
ブロッコリーはできるだけ長時間日が当たる、風通しの良い場所で育てましょう。
ブロッコリーの栽培!収穫の時期と方法は?
もこもことした花の蕾(頂花蕾)が、10~15cmの大きさに育ったら収穫の時期です。蕾から下10~15cmのところを、包丁やナイフで切り取ります。切り口が太陽を向くよう、斜めに切り落とすのがポイントです。
すると、新しい茎(側花蕾)が左右に生えてきます。このとき、肥料を与えるようにしてください。ただし、側花蕾は3〜5cmほどにしかならないので早めの収穫を心がけましょう。
ブロッコリーの保存方法は?
ブロッコリーはあまり日持ちしない野菜です。収穫後など生の状態では1~2日ほどしか持ちません。黄色く変色したものは、処分してください。冷凍保存した場合は、電子レンジで解答するか、時間がある方は自然解凍させるのがおすすめです。
保存方法
● ビニールの袋やサランラップに入れて野菜室で保存:約3~5日
● 30秒ほど茹でてビニール袋に入れて野菜室で保存:約2~3日
● 30秒ほど茹でてビニール袋に入れて冷凍保存:約1ヶ月
ブロッコリーの栽培で注意する病害虫は?
アブラナ科の野菜は、アブラムシやアオムシなどさまざまな害虫がつきやすくなっています。アオムシは大きく発見が簡単なことから、見つけたら割り箸などで株から取り除きましょう。アブラムシは、見つけたらすぐに薬剤を散布して駆除してください。苗の周りに防虫ネットを張って予防すると効果的ですよ。
ブロッコリーの栽培のポイント!
水はけのよい場所で、外側の葉っぱが大きくなるよう育てることがコツです。湿度が高い環境だと、根腐れを起こして枯れてしまいます。また、肥料が足りないと株が大きくならず、食べられるところも小さくなります。
ブロッコリーの栽培を家庭菜園で楽しもう
ブロッコリーは、優秀な緑黄野菜で、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。茎までおいしく食べることができ、お弁当やシチューなど家庭料理には欠かせない食材となっていますよ。ぜひ自分で栽培した野菜を家族で味わってみてくださいね。
更新日: 2022年07月27日
初回公開日: 2015年11月16日