ガーデニングや園芸で使われる「土」の多くは、植物を原料としてつくられています。今回ご紹介するピートモスもそのうちの1つ。ブルーベリーや種まき用の土として使われることの多いピートモスについて、今回は効果や使い方、注意点、価格のほか、土を酸性(PH)にする方法などをご紹介します。
ピートモスとは?

ピートモスとは、水気の多い場所で育った植物を細かく砕いて乾燥させた土です。主にコケ類を原料としており、自分の10〜30倍ほどの水分を吸収する特徴があります。(※1)
ガーデニングや園芸では、水もちをよくするための土(土壌改良材)として利用されています。
ピートモスの効果!酸性の土を作り、水もちをよくする

ピートモスの効果は3つあります。1つは土質を酸性寄りに変化させること、2つ目は水もちをよくすること、3つ目は土を柔らかくする効果です。
ピートモスは、アルカリ性、中性、酸性と3つある性質のうち、強い酸性を示します。つまり、他の土に混ぜると、土全体が酸性寄りに近づきます。
また、ピートモスはふわふわと柔らかく水をたくさん吸収するので、混ぜ合わせた土全体の水もちがよくなり、土全体が柔らかい感触になります。
ピートモスの使い方!酸性度(PH)を強めたいときは?

ピートモスの使い方は2つあり、1つはそのまま植木鉢などに入れる方法、もう1つは他の土と混ぜ合わせる方法です。
そのまま使う場合の多くは、水もちのよさと無菌状態であることを生かし「種まき用の土」にします。乾燥しきったピートモスは最初の吸水に時間がかかるので、しばらく水につけて置く必要があります。
また、ブルーベリーのように酸性寄りの土でよく育つ植物を育てるなら、現在使っている土にピートモスを混ぜて土のPH数を下げるために役立ちます。
ピートモスを混ぜたら土の酸性度を確認しよう
ピートモスには、無調整のピートモス(ph3.8〜4.8程度)で、ph調整済みのものはph6前後とされています。無調整か調整済みのものかを確かめてから使いましょう。調整済みのものは、アルカリ性の土壌改良材として使用します。
ピートモスはどんな植物に必要?

一般的に知られている植物で、ピートモスと相性のよいのはブルーベリーです。酸性で水もちのよい土質を好むので、市販されている「ブルーベリー専用の土」はピートモスをメインにつくられています。
そのほかにもツツジやサツキ、青色の紫陽花などを育てる場合、室内の観葉植物などにも使われます。
ピートモスの価格は?
ピートモスは、ホームセンターや通販で販売されています。価格の相場は、40Lあたり約800~1,200円ほど。容量は、2L、3L、5L、10L、18L、20L、25L、50Lなど、大から小まで揃っています。
- 容量
- 3L
- 税込価格
- 330円〜
ピートモスの使い方の注意点は?

ピートモスを使用する際の注意は、「水もちがよくなりすぎて根腐れを起こすこと」や「酸性度が強くなり過ぎて植物の生長を邪魔すること」の2点です。
ピートモスを混ぜ込むと水もちがかなりよくなるので、乾燥を好む植物ではかえって根腐れを引き起こす可能性が高くなります。
また、アルカリ性や中性を好む植物に対して、酸性寄りの土で育成してしまうことにより生育が遅れたり、生育障害がおき逆効果になるので注意してくださいね。
ピートモスの使い方を知って、酸性の土をつくろう

ピートモスは、「水もち」や「土質を酸性寄りに変化させる」力が強いので、相性のよい植物にうまく活用できれば、生長を促進させてくれます。
効果が高い分、使い方を間違えると植物を枯らしてしまうことも。お花や観葉植物などを育てていると、どうしても葉っぱや花に目が行きがちですが、健全な土があってこそ植物は元気でいられるのです。
ピートモスの使い方を覚えて、よりよいガーデニングライフを堪能してくださいね。
農林水産省 環境保全型農業関連情報 参考文献:※ 表示価格は、時期やサイトによって異なる場合があります。商品詳細は必ずリンク先のサイトにてご確認ください。
更新日: 2021年04月15日
初回公開日: 2015年05月31日