レモンはさわやかな酸味でよく知られる果樹です。ジュースやお菓子、料理など幅広く活用して楽しめることから家庭菜園の人気の果樹のひとつとして知られています。そんなレモンは、果実を楽しむだけではくおしゃれなインテリアグリーンとしても庭で育てることができるって知っていましたか?今回はそんなレモンの木の鉢植えや剪定、収穫の方法など育て方のポイントをご紹介します。
レモンは家で栽培できる?鉢植えの方法は?
レモンのような果樹を育てるのには、広い庭がないとダメと思う人が多いでしょう。でも実は、鉢植えにしても育てられるんです。生い茂った緑色の葉っぱを生かしてグリーンインテリアとして楽しんだり花を咲かせ、収穫までの過程も楽しめるのがレモンのような果樹の特徴です。
鉢植えの手順
3月~4月が植えるのすすめの時期です。実つきの苗木が出回る9月頃でも植え付けることは可能ですが、秋から冬の植え付けは避けましょう。
苗木よりも一回り大きな植木鉢、市販の果樹用培養土(或いは赤玉土の中粒にピートモスや牛糞やバーク堆肥などを3〜5割混ぜたもの)、そして、鉢底網、軽石を用意してください。
- 新しい植木鉢の底に鉢底網、軽石を底が見えなくなるくらいひと並べして、土を鉢の深さの1/3ほど入れる。
- 植木鉢の中心にポットから抜いた苗木を置き、苗木の接木部位が鉢の上端よりも高い位置になるように苗をセットする。
- 周りに土を入れて苗木を固定する。灌水の水を貯めるウォータースペースを作るため、鉢の上端から3cm程度下までにする。
- 風で苗木がぐらつかないように、支柱を立てる。
- 鉢の底から水が流れ出るくらいたくさん水を与えて苗がぐらつかない状態にする。
レモンの育て方!苗木の植え方は?
レモンを鉢植えにしたあとは、強風にあおられたときに茎が折れたり倒れたりしないよう対策をたてましょう。具体的には背丈を高く育てたい方は苗の横に支柱を立てることと、鉢が倒れないよう壁際に寄せるなどの工夫がおすすめです。
育て始めてから枝が増えすぎると、栄養分が枝の生長によりすぎて花が咲かないことがあります。花を咲かせたい(実をつけたい)ときは、上向きの枝を下方向にビニールひもなどで引っ張って一括りにしましょう。これを誘引(ゆういん)と呼び、花の生長を促します。
レモンの木の手入れ!水やりや肥料の与え方は?
レモンの苗木を植えた後は、水や肥料を与えて定期的にお手入れをしてあげましょう。
水やりの仕方は?
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。夏は気温が高いため乾燥が早く進むので、土が乾燥しきった状態が続くことで枯れるのを防ぎましょう。
肥料の与え方は?
レモンにおいしい実を付けたい方はたくさん肥料を与えます。3月に春肥、5月と7月に夏肥、9月、11月に秋肥の年5回、油かすなどの有機質肥料か、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を与えてください。
レモンの木の剪定の時期と方法は?
植え付け2年間は自由に伸ばさせ、植え付け2年後くらいから枝が伸びすぎたり枝の数が増えすぎることがあります。2~3月になったら、余分な枝を切り落として(剪定して)ください。
レモンは品種によっては背が高くなるものもありますが、鉢とのバランスと収穫のしやすさを考えて、開心自然形といって、樹の中心部を開き、樹の中心部への太陽光が取り込めるようにすることによって収穫を多くすることができます。
枝が絡み合っていたり、伸びすぎていたりしたら、内向きの枝から優先的に剪定してください。枝はつけ根から切り落としていきます。
剪定にによって枝の間の風通しがよくなり、病気や害虫による被害を予防できます。
レモンの実を収穫するなら花は剪定するべき?
レモンの花・枝の剪定
レモンの木を育てるなら実を収穫するまで育ててみたいものですよね。そんなレモンの実をつけるために必要な過程が「開花」です。あまり知られていないのですが、レモンは四季咲き性で、主に5月、6月、11月の3回のタイミングで白くて可愛らしい花をつけることがあります。
また、レモンの実は約25枚に1果といわれています。ただし、新しい花や枝の数増やして栄養を使い過ぎると、実が十分に育たないことがあります。そうならないためにも枝は増えすぎないよう適度に減らしておきましょう。
レモンの実の摘果
花が咲き、実がなったら終わりではありません。実を大きく育てるには「摘果」という作業が必要となります。こちらも剪定と同様、栄養を分散させすぎないようにするためです。
GreenSnapユーザーに聞いた!レモンの摘果体験談
レモンの木の育て方で注意する病害虫は?
レモンを鉢植えにして育てるうえで注意したいことの1つが害虫や病気による被害です。アオムシやアブラムシなどの害虫がよってきたり、カイヨウ病などの病気にかかりやすいので注意してください。
つきやすい害虫
例えば、春先には特にアゲハチョウのアオムシがよくつきます。よく葉っぱを食べて知らない間に食べ尽くされているということも少なくないので、見つけたらすぐに殺虫剤を散布したり、直接株から引き剥がしたりしていきましょう。
かかりやすい病気
病気で注意したいのがカイヨウ病です。葉っぱや果実かこすれあってできた傷から感染するレモンの大敵となります。カイヨウ病になると葉っぱや実に斑点ができて木から自然落下してしまいます。風が強く吹きつけないように注意し殺菌剤を散布して予防しましょう。
また、レモンには鋭いトゲがあり、そのトゲが実に当たって擦れて、そこからカイヨウ病を発症することもあるので、あらかじめ、トゲをハサミで切っておきましょう。
レモンの木は寒さに弱い?冬は育て方に注意
レモンは柑橘類のなかでは最も寒さに強いと言われています。しかし、品種によって耐寒性の強弱に差があるので注意が必要です。代表的な例でいうと、リスボンやビラ・フランカという品種は耐寒性が強く、ユーレカという品種は耐寒性が弱いとされています。
GreenSnapユーザーに聞いた!レモンの越冬体験談
レモンの収穫の時期と方法は?
鉢植えのレモンを栽培していくなかで無事受粉して実が大きく生長してきたらいよいよ収穫です。5~6月に花が咲き、その後6ヶ月ほどたった11月中旬から2月がレモンの実の収穫のタイミング。
緑から黄色に変化する途中のときに、実のヘタのあたりをハサミやナイフで切り取っていきましょう。レモンの枝にはトゲが生えているので、作業をするときは長袖に手袋や軍手を着用にするとよいですよ。
収穫したまだ青いレモンは、徐々に室内で追熟させて、ベストな状態を楽しめます。ただ、熟しすぎてしまうと酸味が飛んでしまうので注意してください。
レモンの木の育て方のポイントは?
今回ご紹介したレモンの育て方のポイントは4つ。①日当たりのよい場所で管理すること、②年間を通して肥料をきらさないようにすること、③夏に土を完全に乾燥させきらないこと、④剪定・摘果のタイミングに気をつける事です。
水やりの管理が苦手な方は、寒さに強い「リスボン」や「マイヤーレモン」「ユーレカ」といった品種がおすすめです。
GreenSnapユーザーに聞いた!レモンの育て方ポイント
レモンの木の育て方はそんなに難しくない
レモンは、少し前まで庭で育てる果樹のイメージが強く、グリーンインテリアとしての人気は高くありませんでした。ただ、近年は思っていたよりも育てやすことから家で育てる果樹として人気が高まってきています。
寒さに弱いという欠点はあるものの、自分で育てたレモンで作ったお茶やジャム、ケーキなどが味わえることを想像すると、初めてレモンを育てる方でも頑張ってみようと思えますよね。何かこれから家で植物を育てようと思っている方は、レモンを鉢植えにして育ててみてはいかがでしょうか?
更新日: 2023年05月12日
初回公開日: 2016年05月19日