アリッサムはガーデニングの初心者からベテランまで人気の高い植物です。育てやすく、小花がいっぱいじゅうたん状に咲き誇る姿が人気の秘訣かもしれません。今回はそんなアリッサムの育て方について、種まきの方法や増やし方、育て方のポイントなどをご紹介します。
アリッサムってどんな花?
アリッサムは小さな花をたくさん咲かせるのが特徴の多年草です。アブラナ科アレチナズナ属に分類され、別種である「スイートアリッサム」とよく間違われることなんかもあります。
3〜5月になると1つの茎からいくつもの小さな花を咲かせはじめ、ボリューム感のある咲き姿が楽しめます。比較的育てやすいことからガーデニング初心者向きの植物としても知られているんですよ。
アリッサムの育て方のポイントは?
アリッサムを元気に育てるためには、日当たりのよい場所と水はけのよい環境が必要です。乾燥を好み霜や高温多湿の環境を苦手とするので置き場所や水やりは注意してください。
夏場は半日陰の風通しがよい場所で、冬は霜に当たらない軒下や防寒対策をして育てるようにしてください。
アリッサムの種まきの時期や方法は?
種まきは2〜4月か、9~11月が適期です。直根性で根が分かれず垂直に伸びるタイプなので植え替えを苦手とします。1ヶ月ほどかけて本葉が2~3枚になったら植え替えをするので、ジフィーポットというそのまま植えられる土で作られた鉢を使うのがおすすめです。
■種まきの手順
- 6cmの育苗ポットに種まき用土を入れる
- 3粒ほど種をまき、薄く土を被せる
- 明るい日陰の風通しがよい場所で、土が湿った状態を保って管理する
- 本葉が2~3枚になったら、状態のよい元気なものを残して間引く
- ポットの底に根がまわりはじめた頃に地面や鉢に植え替える
アリッサムの苗の鉢植え!時期と方法は?
アリッサムを育てるなら苗を鉢植えにして育てるのがおすすめです。3~5月か、9~11月にアリッサムの苗と市販の草花用培養土を用意しましょう。
市販の苗では、根元がぐらぐらとしていない、しっかりとした株を選ぶようにしてください。春先から梅雨まで長く花を楽しむことができるよう、秋の霜が降りる前に植えのがおすすめです。
■苗の鉢植えの手順
- 新しい鉢の底に鉢底石をしき、土を1/3入れる
- 苗の根を傷めないよう注意を払いながら取り出す
- 根に付いた土を崩さずに鉢の中心に苗をおく
- 周りを土で埋める
- 水やりをして苗を固定する
アリッサムのお手入れ!水やりの仕方や肥料の与え方は?
アリッサムの苗を植えたらあとは適度なお手入れで生長をサポートしてあげましょう。
水やりの仕方
土の表面が乾いたらたっぷり水を与えるようにします。暑さによる蒸れや多湿は、根腐れの原因になるので、乾燥気味に育てるのがポイントです。
肥料の与え方
植え付けるときに、ゆっくりと効く有機肥料を施します。花期が長いため、その後は2ヶ月に1回ほど、緩効性化成肥料を与えます。液体肥料であれば、薄めたものを1~2週間に1回施します。
適度な肥料を与えると、花つきがよくなりたくさんの花を咲かせます。
逆に、肥料が足りないと葉っぱが黄色くなったり、花数が減ったりするので開花期の肥料の量は特に注意してください。また、休眠中の夏と冬に肥料の必要はありません。
アリッサムの切り戻しの時期と方法は?
アリッサムの花が枯れ始めたら、切り戻しで花を切りとってあげましょう。切り戻しの目的は次の新しい花に栄養をまわすことと、枯れた花が害虫や菌の住み家になる前に処分して病気を防ぐことです。
6~7月の梅雨の前はアリッサムの茎ごと花を切り取ります。夏を越すと脇芽が出ることによって新しい花が出てくるので、9~10月に再度伸び過ぎた茎を切り戻しましょう。
アリッサムの植え替えの時期と方法は?
鉢植えで栽培しているアリッサムは毎年植え替えをします。根が傷つくと生長不良や枯れてしまうことがあるので丁寧に扱いましょう。
大きな株であれば地上部を半分ほど刈り込んで負担を減らし、根を傷つけないよう土を崩さずに、一回り大きな鉢に植え替えます。
アリッサムの増やし方は?地植えで植えっぱなしでも増える?
アリッサムの栽培に慣れてきたら、種まきや挿し芽で繁殖にチャレンジしてみましょう。地植えにして植えっぱなしにしても、こぼれ種で自然と増えていきますが、挿し芽でも増やすことができます。
挿し芽の手順
挿し芽は切りとった茎から根を生やさせ苗として育てる方法です。1ヶ所に3本ほどまとめて挿すことで、こんもりとした株に素早く仕立てることができます。
- 6月頃、充実した新芽の先端を3~5cm程度に切る
- 切り口に発根剤をつける
- 赤玉土(小粒)など清潔な用土に発根するまで挿す
- 発根後、プランターや花壇に植え替える
アリッサムの寄せ植えの時期とおすすめの花は?
アリッサムは寄せ植えの名脇役として活躍することの多い植物です。個性の強い花同士で寄せ植えにする場合、間にアリッサムを挟むことで調和が保てます。
パンジーやビオラといった花と相性がよいほか、ストックやカレンデュラなど秋から春まで咲く花ともよく合いますよ。
アリッサムの育て方で注意する病気や害虫は?
苗立枯病
5~9月の間に土や株元が過湿によって発生します。水の与えすぎに注意し、若い苗でよく発生するので、育苗中は風通しのよい環境を保ちましょう。
菌核病
多湿になると発生するカビの病気です。植物が腐り、最終的には枯れてしまいます。下の方の葉が黄色く変色していると、発生している可能性があります。
多湿の時期には切り戻しを行って風通しのよい環境を作り予防していきましょう。
アブラムシ
葉の養分を吸い取り、株を弱らせる害虫です。春先から発生するようになり、茎葉やつぼみにつくので見つけたらすぐに薬剤を散布しましょう。
窒素成分の多い肥料を控えることで、発生を減らすことができます。
コナガ
6~11月に発生する害虫です。コナガはイモムシ状の幼虫で、新芽や若い葉を食べてしまいます。1日でほとんどの葉を食べてしまうので、オルトランなどの薬剤を散布して予防をしましょう。
アリッサムでガーデニングを楽しもう
アリッサムは単体を鉢植えにしても寄せ植えにしても、ボリューム感が出て見栄えがまとまる植物です。
庭や玄関先に1つあるだけで華やかな雰囲気を作りだしてくれますよ。初心者でも簡単に育てられるので、ガーデニングの仲間に取り入れてみてください。
更新日: 2023年05月17日
初回公開日: 2015年12月22日