釣鐘型の白い花を咲かせ、甘い実をつけるブルーベリー。地植えや鉢植えのどちらでも育てられることや、実をつけなくても観葉植物として扱えることなど、自分好みの育て方が楽しめる植物なんですよ。今回は、そんなブルーベリーの育て方について、植え替えや肥料、鉢植えの時期と方法などをご紹介します。
ブルーベリーの育て方は簡単?
ブルーベリーは、実をつけるために違う品種を植える必要があるなどのコツがありますが、ガーデニング初心者の方でも比較的育てやすい果樹です。かわいらしい花も魅力的ですよ。部屋の一角でも育てられるので、ブルーベリーを置いて季節の移り変わりを楽しむのもよさそうですね。
ブルーベリーの育て方で、知っておくべき2つのこと
1. 土作りと水やり
ブルーベリーを上手に育てるポイントは、土作りと水やりです。ブルーベリーは酸性の土を好み、乾燥を嫌います。そのため、酸性の土を作って植え、土が乾燥していないかこまめに観察して水やりをすることが大切です。
2. 違う品種を複数植えて、初めて実がつく
ブルーベリーは、違う品種の雄しべと、雌しべがくっつくことで初めて果実を実らせる植物です。これは自家不和合性(じかふわごうせい)という性質で、ナシやりんごなども同じ性質をもっています。同系統の2品種を選んで植えましょう。
ブルーベリーの苗の植え付け時期や方法は?
ブルーベリーを植える適期は、関東地方より東なら3月、関東地方より西の地域なら10~11月頃です。1~2月は避け、芽や根の生長が止まりはじめた休眠期の初期または、終りに苗を植えてください。
苗の選び方
よいポット苗の特徴は、「鉢の中に根がびっしりと張って、根元から太く新しい枝が出ている」ことです。幼い苗を庭に植えると、雑草に負けて枯れることがあります。定期的に雑草を取り除いてください。または、1年ほど鉢で大きく育ててから庭へ植え替えれば、枯れる心配が減っておすすめです。
地植え
- 酸性の土を用意して耕しておく
- 直径80cm、深さ30cmほどの穴を掘る
- 根が地表近くに広がって伸びるように苗を植える
- 根元に土を寄せる(土は踏み固めない)
- 乾燥防止のため、土の上にワラやもみがらを敷く
鉢植え
- 苗よりも1回り大きな鉢を用意して鉢底石を敷き、1/3ほど土を入れる
- 苗を取り出して鉢の中心に置く
- 隙間がなくなるように土を苗の周りに埋める
- 最後に水やりをして完成
ブルーベリーの育て方!種から育てる方法や時期は?
ブルーベリーは、種から育てることもできます。苗から育てることの方が多いのですが、栽培に慣れてきた方はぜひチャレンジしてみてください。
- 完熟した実をすりつぶし、種を取り出す
- 白い種は発芽しないので、茶色の種を選ぶ
- 種を乾燥させ、気温が上がる3月頃まで保存する
- 濡れた脱脂綿の上に種を置いて、脱脂綿を乾燥させないよう常に湿らせる
- 発芽したあとは、種まき用の土を入れたポットや植木鉢へ移す
ブルーベリーの育て方!土のポイントは?
土作り
ブルーベリーは、水もちがよい酸性の土を好みます。鉢植え、地植えともに【ピートモス5〜10:鹿沼土0〜5ほど】の割合で混ぜた土がおすすめです。ピートモスとは、水気の多い場所で育った植物を細かく砕いて乾燥させた土です。主にコケ類を原料としており、自分の10〜30倍ほどの水分を吸収する特徴があります。
酸性が強く水もちがよいので、植え替えや肥料を追加するときに株元へ補充すると、土の酸性度合いが保たれ、水もちもよくなりますよ。市販のブルーベリー用土を使ってもかまいません。
GreeSnapユーザーに聞いた!ブルーベリーの土作り体験談
ブルーベリーの育て方!水やり、肥料のコツは?
水やり
ブルーベリーは、乾燥に弱く、たくさん吸水する植物です。鉢植えなら表面の土が乾いてからたっぷりと水やりをします。春・秋は数日に1回、夏なら毎日水やりをしていくくらいがちょうどよいです。
地植えは、2週に1回ほどを目安に水やりをしてください。乾燥した日が続いたなら、水やりの間隔を短くし、雨が降ったなら間隔を長くするといった調節が必要です。
肥料
ブルーベリーの生長に必要な成分は、カリ・リン酸・窒素の3つです。それぞれの成分を多く含んだ緩行性化成肥料を土の中に混ぜるか、土の上に置いてください。
- カリ:根の生長に役立つので、休眠期から目覚める2月頃に1回与える
- リン酸:花と果実を大きくする成分で、3〜4月頃に1回与える
- 窒素:葉と枝を大きくする肥料で、8月下旬頃に1回与える
ブルーベリーの鉢植えを植え替え!時期や方法は?
ブルーベリーの鉢植えの植え替えは、10〜11月頃が適期です。
- 鉢から株を取り出す
- 根鉢に巻き付いている土を軽くもみほぐす
- 白い根は土から軽くはがして、茶色の根は水を張ったバケツの中に入れて土を落とす
- 株よりも1回り大きな植木鉢を用意して土を入れる
- 株を揺らしても倒れないよう、土で固定する
ブルーベリーの剪定の時期や方法は?
大きくなったブルーベリーは、剪定が必要です。剪定は1~2月が適期で、「木を大きくする」「たくさん果実を実らせる」ためと、生長段階によって目的が違います。
植えてから1~2年目は、花芽がついている先を切って剪定し、木が弱くなるのを防ぎましょう。3年目以降は、内向き・伸びすぎた枝・根元から出ている枝を中心に切り落としてください。
ブルーベリーの収穫と保存の時期と方法は?
収穫
ブルーベリーは、6〜9月上旬頃が収穫時期です。1粒ごとに果実全体が青紫色に変化してから4~7日後が収穫目安です。軽くひねりながら摘み取りましょう。収穫後に甘みが増すこと(追熟)はないので、できるだけ早く食べてくださいね。
保存
ブルーベリーは、0~2度くらいの低温で保存します。通気性のある袋や容器に入れて、フタまたはラップをして、冷蔵庫に入れて保存しましょう。残った分は、半年ほどもつ冷凍保存がおすすめです。
ブルーベリーの栽培は、挿し木でも楽しめる
ブルーベリーの数を増やすときは、挿し木が一般的です。1~2月頃、剪定した枝を利用すると効率的に数が増やせます。ピートモスと鹿沼土を混合した土の中に切り落とした枝を挿しこみ、低温と過湿にならないよう管理しましょう。鉢植えならビニール袋などをかぶせて発根させ、さらに1年ほど育てると立派な苗に育ちますよ。
GreeSnapユーザーに聞いた!ブルーベリーの育て方ポイント
植物やお花好きな人が集まるコミュニティアプリ”GreenSnap”で、ブルーベリーを育てたことのあるユーザー160名に「ブルーベリーを育てた時に失敗した体験、成功した体験」についてのアンケートを実施しました。実際に育てた経験から気づいた、「ブルーベリーの育て方のポイント」について、いくつかご紹介します。
おいしいブルーベリーの栽培をはじめよう
ブルーベリーは、かわいい花と美しくて甘い実の両方が楽しめる果樹です。はじめて果樹を育てたい方や、果物を収穫してみたい方におすすめなのはもちろんのこと、観葉植物を探している方にもピッタリ。ベランダやお庭などスペースに余裕のある方はぜひ、ブルーベリーの栽培にチャレンジしてみてくださいね。
開花時期 | 4月〜5月 |
収穫時期 | 6月〜9月上旬 |
耐寒性 | 品種による。強い:ノーザンハイブッシュ、ローブッシュ、ラビットアイ。弱い:サザンハイブッシュ |
耐暑性 | 品種による。強い:ラビットアイ、サザンハイブッシュ。弱い:ノーザンハイブッシュ、ローブッシュ |
更新日: 2021年12月15日
初回公開日: 2015年05月08日