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培養土とは|使い方や作り方は?腐葉土との違いは?

植物の根は土から水分や養分を吸収し、生長していきます。それぞれの植物に合った、状態のいい土を使うことは、ガーデニングの基本。でも、自分で土をつくるのはちょっと・・・という方におすすめなのが、市販されている培養土です。今回は、培養土とはどんなものか、赤玉土や腐葉土での作り方、さまざまなメーカーから出されている培養土の種類や値段についてまとめました。

ガーデニングの土とは?用土ってなに?

培養土のことを知る前に、ガーデニングの土について、基本をおさらいしておきましょう。

園芸やガーデニング、鉢植えやプランター植えなど限られた用途に使われる土を「用土」と呼びます。ガーデニングは、主に基本用土と補助用土(改良用土)の2種類があり、植物の好む環境や屋内外の環境によって使い分けます。

基本用土

園芸やガーデニングの主軸となる土のことです。園芸では、数十種の土が使い分けられ、1種類だけを使う場合やいくつかの種類を混ぜ合わせた土を使います。

その中でも、使用頻度や混合する割合が高い(5割以上など)土を「基本用土」と呼びます。基本用土は、肥料分を含まず、水はけや水もちのバランスのとれた土が多いのが特徴です。

例:赤玉土、鹿沼土、日向土、黒土、真砂土、ケト土、さつま土、桐生砂、軽石、水苔など

補助用土

肥料成分を含んだり、水もちや水はけに優れた土です。基本用土に混ぜ込んで、水はけ、水もち、通気性、肥料分などを高めます。

例:腐葉土、ピートモス、パーライト、バーミキュライト、ゼオライト、バークチップ、堆肥、石灰など

培養土とは?腐葉土との違いは?

培養土 肥料 堆肥

培養土とは、肥料などが混ぜてある、特定の植物向けに調整された土のことです。肥料分や水もち・水はけなどが調整されているため、そのまま使用することができます。種まき用や挿し木用、野菜用や草花用、観葉植物用などがあります。

培養土は、基本用土と補助用土が最初から混ぜてある用土で、土作りの手間が省けるため、初心者の方におすすめです。

腐葉土は補助用土で、植物を育てる土を改善するための堆肥の一つ。土壌を通気性・保水性・保肥性に優れたものに改良しますが、腐葉土だけで園芸植物を育てることはできません。

培養土の特徴や成分は?

培養土 土 草花 プランター

市販の培養土は、病気にかかりにくく、PH度数を調整する必要がありません。殺菌した清潔な土を使っているため、病害虫が寄り付きにくく、土壌の酸性やアルカリ性などが調整済みなので、一般的な植物に合った環境が整います。

日本は雨が酸性なので、もともと土が酸性に傾きやすく、アルカリ性を好みやすい果樹や野菜を育てるときは、石灰などを加えてPH度数を調整する必要があります(例えば、とうもろこし、小松菜、ほうれん草、ぶどうなどはややアルカリ性の土を好みます)。

市販の培養土は、肥料や根腐れ防止剤、水枯れを防ぐ有効菌など、様々な種類が混ぜ合わされた種類もありますので、土作りが苦手な方にとっては強い味方になりますよ。

培養土の作り方は?腐葉土と混ぜるものは?

市販の培養土は、大体の植物に合うよう配合されているため、個別の植物の性質にピッタリと合わせることは難しいです。実を収穫したり、たくさん花を咲かせたり、できるだけベストな環境で育てたい方は、自分で土を配合するのがおすすめです。

最近、トマトの土、じゃがいもの土、球根の土などそれぞれの植物に合うように配合されている培養土も販売されているので、目的が決まっている場合にはそれらの培養土を使うのも良いでしょう。

以下に、赤玉土と腐葉土を混ぜた一般的な配合例をいくつかご紹介します。後は、個別の植物に合わせて石灰でアルカリ性を強めたり、赤玉土を鹿沼土に変えて酸性を強めたり、微調整をしましょう。

草花、花木 ● 赤玉土(小粒)7:腐葉土3
● 赤玉土(中粒)2:赤玉土(小粒)2:鹿沼土1:腐葉土2:バーミキュライト1
野菜 ● 赤玉土6(小粒):腐葉土4 ※桐生砂1を使いしてもOK
● 黒土4:腐葉土2:バーミキュライト1:ピートモス2:堆肥1
観葉植物 ● 赤玉土(小粒)7:腐葉土3
● 赤玉土(小粒)1:鹿沼土1:バーミキュライト2:軽石(小粒)2:ピートモス2:堆肥2

培養土の使い方は?

自分で作った培養土は無菌の基本用土を使っているので、培養土の作りたては十分に微生物が生育していません。植物を植えつける1~2ヶ月前に混ぜ合わせ、水で湿らせて微生物が住みやすい環境をつくり、通気性のある容器の中でしばらく寝かせておくか、市販の土壌微生物を増やす資材などを足すなどして使いましょう。

市販の培養土の場合は、すでに微生物が繁殖しているので、すぐに使ってかまいません。

培養土の種類は?

野菜用、草花用、観葉植物用、種まき用、挿し木用の培養土など、特定のシーンに活用できるものがたくさんあります。今回は、培養土の種類について代表的なものをご紹介します。

汎用タイプの培養土(野菜や花の培養土)

● 価格:300~1,000円

様々な植物に使用でき商品やメーカーによって肥料の割合や入っている土壌改良剤の種類が違います。育てる植物の品種ごとに培養土をかえる必要がないため、とりあえず野菜も花も育てたいといった初心者の方におすすめです。

種まき・挿し木用培養土

● 価格:500~2,000円

種まき・挿し木用培養は保水性に優れたピートモスなどが混合された培養土で粒が細かく種まきや挿し木などに使える専用の培養土です。

粒状培養土

● 価格:300~2,000円

粒上に処理された土を配合したものです。通気性と水はけがよく、保水性にも優れているので、植物が根をはりやすく、丈夫に育ちます。

ゴールデン粒状培養土

● 価格:300~2,000円

アイリスオーヤマから販売されている粒状培養土の人気商品です。ミネラル分や天然有機物がたくさん含まれて栄養満点なうえ、熱処理が施されていることで雑菌や雑草の繁殖の心配がありません。また、水はけと水もちのバランスも良いのが特徴です。

有機培養土

● 価格:300~2,000円

有機培養土は、油かす、魚かす、鶏糞、カキ殻など自然な有機質材料が混ぜ込まれている培養土です。化学肥料が混ぜられているものよりも肥料がゆっくりと効くため、長くじっくりと育てる果樹栽培などに向いています。特に野菜や果樹をを育てるときに使うと、甘みが強くなる効果があります。

培養土で丈夫な植物を育てよう

鉢 土 培養土

市販の培養土を購入するときは、袋の表示を確認しましょう。使える植物の名前や用途、肥料の配合の有無、原材料などをチェックしておくことで、誤った使用を防ぐことができます。またその培養土を使って上手に花を育てることができた場合、次に培養土を購入するときの参考になります。

また、植物の育生に慣れてくると、培養土を使って植物に合わせて別の土壌改良剤を加えるなどアレンジすることもできます。植物にとって土は、「植物の住まい」といってもよく、とても大切。常に状態のよい土を使って、丈夫な植物を育ててくださいね。

更新日: 2023年07月19日

初回公開日: 2015年09月19日

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