水仙は比較的丈夫で、寒さに強いという特徴があります。どうしても寂しくなりがちな冬のお庭を明るく彩り、春の訪れを感じさせてくれる花です。今回は、そんな水仙の育て方をご紹介します。
水仙(スイセン)とは?どんな球根植物?
水仙は、冬から春にかけてラッパ状の花を咲かせる球根植物です。ほのかな甘い香りは、天然香料として香水の原料にもなっています。また、葉っぱや球根にはアルカロイドという毒があり、悪心や下痢、発汗、頭痛、嘔吐などの中毒症状を引き起こします。
葉っぱがニラ、球根がタマネギに似ていることから、年間で5~20人程が誤食してしまうことがあり、厚生労働省などでは注意を呼びかけています。畑のわきなど間違えやすい場所には植えないよう注意しましょう。
また、小さなお子さんが切り花で飾ったときの水を間違って飲まないようにも注意が必要です。
水仙(スイセン)の育て方!球根や苗の植え方
水仙は球根や苗から育てることができます。いずれの場合も栽培が簡単で、鉢植えや地植えで楽しまれています。9~10月が球根を植える適期で、遅くとも11月いっぱいまでには鉢植えか地植えにしましょう。
冬の寒さに堪えられるように、購入したらできるだけ早く植え、根をしっかり張らせるようにするのがポイントです。
球根の鉢植え
赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜあわせた用土を用意します。そして、鉢の底には鉢底石を敷いておきましょう。鉢の準備が整ったら、6号鉢に3~5球を目安に、球根の高さの2倍くらい土をかけるようにしていきます。
球根の地植え
日光がよく当たる場所で、水はけのいい土壌に植えます。庭土が粘土質な場合は、掘り起こした土に腐葉土を混ぜ込むといいですよ。そして、深さ10cm(球根2つ分程度)の穴を掘り、株間を15~20cmほど空けて植えていきます。
苗の鉢植えと地植え
水仙の苗は、ポットの中にすでに根が回っていることが多いので、入手し次第すぐに植えていきます。鉢植えの場合は、1~2周り大きい物に植えていきましょう。地植えの場合は、株間を15~20cmと十分にとります。根鉢を崩さずに植えるのがポイントです。
水仙(スイセン)の育て方!土作り、水やり、肥料の与え方は?
土作り
水仙は水はけのよい土であれば、土質を選びません。赤玉土(小粒)7:腐葉土3を混ぜあわせた用土か、市販の草花用培養土でも元気に育ってくれます。
水やり
生育期である冬から春にかけては、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
また、花が枯れてしまってからも、光合成をするために葉を伸ばすことから、極端に乾かさない程度に水をあげましょう。葉が全て枯れたら、水やりをするのはやめてください。
肥料
肥料は、植える際に、リン酸分の多い緩効性肥料をすき込んでおきます。そして、開花時には毎月1~2回液肥を施しましょう。開花後は、できるだけ早く花がらを摘んで、お礼肥としてカリウムの多い速効性の化成肥料を株元に与え、球根を太らせると、翌年もしっかりと花を咲かせてくれます。
水仙(スイセン)の植え替え!球根を掘り上げる時期と方法は?
鉢植えの植え替えは、葉が枯れ、球根が休眠期に入る7~9月に行います。地植えの場合は、球根を太らせるために2~4年に1回の頻度で植え替えをするぐらいで大丈夫です。
植え替えるために球根を掘り上げると、子球根たくさんついていることがあるので、分球してください。掘り上げた球根は一旦日陰の涼しいところで乾燥させ、植え付けに適した時期まで保存しておきましょう。
水仙(スイセン)の増やし方!球根を分けて増やす?
植え替え時に掘りあげた球根に子球根がついていれば、分球していきます。掘りあげた球根の親球の内部に子球根手があるので、手で割って分けてください。
この子球根は、苗を植える同じ方法で育てていきましょう。ただし、分球した球根が小さいと、まだ栄養を十分に蓄えられていないことから、花を咲かせるまでに1~2年かかることがあるので注意してください。
水仙(スイセン)の育て方で気をつける病気や害虫は?
モザイク病などのウイルス性の病気にかかりやすいです。感染すると葉にモザイクのような色ムラが現れ、生育不良になって枯れてしまいます。
一度かかった株に薬は効かないので、球根を抜いて焼却処分してください。また、植わっていた土も処分し、他の感染していない株は違う場所に植え替えるようにしましょう。
水仙(スイセン)は球根から育てるのがおすすめ
水仙には甘くよい香りがする「香り水仙」や、まるでバラのような華やかさを持つ「八重咲き水仙」、1本の茎にたくさんの花をつける「房咲き水仙」、ラッパのような「ラッパ水仙」、口紅を差したように紅色の縁をした「口紅水仙」など、いろいろな種類があります。
球根からの栽培も簡単にできる、初心者向きの花なので、自分の好みの水仙を見つけて、楽しく育ててくださいね。
更新日: 2023年07月19日
初回公開日: 2015年07月12日