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鹿沼土とは?pHや赤玉土との違い、特徴は?

植物を育てようとホームセンターに訪れると、様々な種類の土があることに驚きますよね。ただパッケージだけ眺めても、どんな特徴なのか、どんな植物に適しているのかはわからないこともしばしば。そこで今回は、基本の土の1つである鹿沼土についてまとめました。

鹿沼土とは?どんな特徴がある?

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鹿沼土とは、関東ローム層で採取できる軽石です。約4.5万年前に赤城山が噴火したときの火山灰が風化し、主に栃木県鹿沼地方で採取できることからその名前が付きました。

赤玉土と並んで、基本用土の1つとして園芸やガーデニングには欠かせない存在です。サツキとの相性がよいことから、昭和40年代のサツキがブームになった際に需要が高まったとされています。

特徴

土質を左右する条件には、pH度数、水はけ(排水性)、水もち(保水性)、肥料もち(保肥性)、通気性、粘度があります。

鹿沼土は、「黄色みを帯びた白色の粒状、肥料成分を含んでいない、粒が硬く崩れにくい、水はけと水もちのバランスがよい」という特徴があります。水を含むと、黄色が強くなります。

鹿沼土と赤玉土の違いはpH?

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土によって酸性の度合いが違い、pH6.5~7を中性、それよりも値が低いものを酸性、高いものをアルカリ性とします。鹿沼土のpHは4~5で、酸性度合いが強めの土≒酸性土、酸性土壌だということがわかります。

もともと、酸性の雨が降る日本の土は、弱酸性~酸性土になります。そのため、鹿沼土は日本原産の山野草などの栽培には適していますが、海外が原産の植物や、アルカリ性を好む植物には適しません。

鹿沼土の種類はどれくらいある?

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鹿沼土は、粒の大きさや硬さによって種類があります。粒の大きさは、細粒、小粒、中粒、大粒に分かれています。また、鹿沼土よりも硬い「硬質鹿沼土」という種類もあります。

粒の硬さは、粒の崩れにくさに関係しています。粒の形が崩れると、より細かい粒になるため、だんだん水もちがよくなり、水はけが悪くなっていきます。

つまり、粒が硬いほど長い間、水もちや水はけの状態を維持できるので、土の入れ替えの必要がありません。ただ、一般的には、粒が硬いほど少し高価になります。

鹿沼土の種類!細粒・小粒・中粒・大粒の違いとは?

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鹿沼土は、ふるいにかけて大きさごとに分けられます。ただ、大きさの区別に明確な基準はないため、販売元によって粒の定義と大きさは異なります。

一般的に粒が細かいほど崩れやすく、粘土質に近づき、水もちがよくなります。その分、水はけが悪くなるので、粒が崩れて水はけが悪くなったら土の入れ替えを行ってください。

粒のサイズ
(mm)
用途 水はけ
(排水性)
水もち
(保水性)
大粒:12~20 鉢底のゴロ土、軽石、鉢底石の代わりに使う
中粒:6~12 盆栽や鉢物など樹木の植え付けに用いる
小粒:2~6 酸性の強い土を好む山野草の植え付けに最適
細粒:1~2 酸性度合いを強めるため、他の土に混ぜる

鹿沼土の種類!硬質鹿沼土(日光土)とは?

硬質鹿沼土とは、主に鹿沼市と日光市の堺で採取できる、鹿沼土よりも硬い土のことです。「日光砂」という名称でも販売されており、微塵(みじん)と呼ばれる細かい粒を取り除き、硬く大きいものだけを選別してあります。

植え替えを嫌う植物の植え付けに向いていますが、選別の手間や採取場所が限定されるこもあり、一般の鹿沼土よりも高価です。

鹿沼土の使い方は?どんな植物に合う?

フランネルフラワー

ガーデニングでよく用いられる赤玉土よりも粒が崩れにくいことから、保水性、通気性が高く、酸性を好む植物に対してよく使われます。反対に、中性~アルカリ性を好む植物には適しません。

また、水を含んだときと、乾燥したときで土の色が明らかに違うことから、水のやりすぎや水不足を判断しやすいこともメリットです。

肥料分がほとんどなく、雑菌が繁殖しにくいことから、挿し木の土に利用されたり、水を弱酸性に傾け、藻の繁殖を防ぐためのメダカを飼育する水槽に使われたりします。

ただ、入れすぎると酸性が強すぎてしまい、飼育している魚に害を与える可能性があるので注意が必要です。

鹿沼土を使うのにおすすめの植物

ブルーベリー、フランネルフラワー、サツキ、ツツジ、シャクナゲ、洋ランなど

鹿沼土と赤玉土の違いは?

大粒 赤玉土 赤土 植え付け 土作り

鹿沼土とともにガーデニングでよく用いられる土に、「赤玉土」があります。赤玉土は、鹿沼土と同じ関東ローム層で採取される、赤土を乾燥させた土です。褐色をした弱酸性の土で、ほぼすべての植物に用いることができる汎用性の高さが赤玉土の特徴です。

鹿沼土と赤玉土は、どちらも園芸の基本用土と呼ばれるので、初心者の方は混乱してしまうかもしれませんね。利用頻度でいうと赤玉土の方が多く、酸性度の高い土質を好む植物に対しては、鹿沼土を利用するといった使い方がい一般的です。

鹿沼土の販売価格は?

 

価格は大袋(約10~20L)で1,000~2,000円ほどです。関東ローム層の土なので、関西など西の方面では、やや割高になっています。また、硬質鹿沼土は少し値段が上がり、大袋で600円前後です。

鹿沼土はサボテンや観葉植物など何にでもに利用できる

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近年、酸性土を好まない海外の植物を中心に育てるガーデニングが増えていることや、植物ごとに合った培養土が多く販売されるようになったことで、利用機会が少なくなってきている鹿沼土。

ただ、市販ではなく、自分で土をブレンドして楽しむ方にとっては、鹿沼土はなくてはならない土でもあります。植物を育てるのに慣れてきたら、一度鹿沼土を手にとって、盆栽や樹木の栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

更新日: 2023年10月13日

初回公開日: 2015年10月23日

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