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赤玉土とは?小粒と中粒と大粒、硬質の違いと特徴、使い方を解説

ガーデニングをはじめるとき、まず手に入れるのが土と植物です。土は、植物を支え、栄養を与える大切な存在です。ただ、土にも用途に合わせて様々な種類やサイズがあり、慣れていないとどれを選んだらいいのかと迷ってしまうことも。今回は、赤玉土について使い方や鹿沼土との違い、硬質、小粒などの種類などをご紹介します。

赤玉土とは?どんな特徴がある?

赤玉土

赤玉土とは、東京周辺の土(関東ローム層)のことです。主に、火山灰が積み重なってできた「赤土」を乾燥させた土のことを指し、褐色で粒状、肥料成分を含んでいないという特徴があります。清潔で弊害がない使い勝手のよさから、園芸やガーデニングの主流の土として知られています。

水はけや水もちのバランスがよい

植物が好む土にはいくつか条件があり、pH度数、粘度、水はけ(排水性)、水もち(保水性)、肥料もち(保肥性)、通気性などが植物によって土質が変わります。

赤玉土は、肥料成分がないため虫や菌が寄り付かない清潔な土で、水はけ、水もち、肥料もちがよいことから、園芸やガーデニングに欠かせない基本用土の1つになっています。

大抵の植物は、赤玉土3~8:他の土や肥料2~7の割合で混ぜた土で育てられるといわれ、植物の好む生育環境に合わせて土の割合を調節して育てます。

植物は、根っこから水や空気を吸って生きているので、土の粒と粒の間には水と空気が必要です。赤玉土は、粒状の土の集合体なので、粒の中や粒同士の隙間に水や空気がたまり、植物の根っこがそれを吸収しやすい構造になっています。

 

赤玉土のpHは弱酸性?

赤玉土

土には、酸性とアルカリ性があり、pH6.5~7を中性として数値が低いと酸性、高いとアルカリ性寄りの土となります。赤玉土は、pH5~6の弱酸性の土です。

日本は酸性雨が降るため、手を加えていない土地は基本的に弱酸性で、日本で育つ植物は、弱酸性~酸性寄りの土を好むことが多いです。

鹿沼土は赤玉土より酸性が強い

赤玉土と並んで使われる園芸の基本的な土に、「鹿沼土」があります。鹿沼土は、栃木県鹿沼市が原産の軽石で、赤玉土に比べて酸性度合いが強いことが特徴です。

赤玉土の種類はいくつある?

赤玉土は、土の粒の大きさと硬さによっていくつかに分類されています。土の粒の大きさは、細粒(極小粒)、小粒、中粒、大粒の4つに分けられ、土の硬さは、通常の赤玉土と、それよりも硬い硬質赤玉土などに分けられます。

赤玉土の種類① 細粒、小粒、中粒、大粒の違いは?

赤玉土 小粒 中粒 大粒 比較

赤玉土は、赤土を乾燥させた後、ふるいにかけて粒の大きさごとに分けます。ただし、明確な粒の基準がないため、メーカーや販売者ごとに粒の大きさの基準が異なり、呼び名も違うことがあります。

赤玉土は、土の粒が大きいほど、水はけがよくなり、水もちが悪くなります。反対に、土の粒が小さいほど、水もちがよくなり、水はけが悪くなります。

例えば、粘土のように粒同士の隙間が小さく狭いほど水が下からでていきにくく、砂利のように隙間が広いものほど、水が流れ落ちていくことと同じです。

また、赤玉土の特徴としては、時間の経過とともにだんだんと粒が崩れて小さくなっていきます。つまり、土の質が変化していくので、一定期間で土の入れ替えが必要になるということです。

粒のサイズ(mm) 用途 水はけ
(排水性)
水もち
(保水性)
大粒:12~20 鉢底のゴロ土、軽石、鉢底石の代わりに使う
中粒:6~12 植物を植え付ける主要の土、挿し木用の土
小粒:3~6
極小粒:2~3 湿地を好む植物の土
細粒:1~2

赤玉土の種類② 硬質赤玉土の特徴とは?

赤玉土 赤土 土作り 硬質赤玉土

赤玉土を600~900度ほどの高温で焼き固め、硬度を高くした土のことを「硬質赤玉土」といいます。焼き赤玉土、焼赤玉土、超硬質赤玉土、上質赤玉土などとも呼ばれ、焼き固めることで、時間がたっても崩れにくいのが特徴です。

ただし、「硬質」と呼ばれる硬さの厳密な定義がありません。そのため、メーカーや販売者によって硬さ、焼き固める温度、呼び名などが異なり、中にはアルカリ性寄りの硬質赤玉土もあるので、利用・購入の際は注意してください。

赤玉土の使い方は!どんな植物に合う?

赤玉土 多肉植物

「赤玉土に腐葉土と肥料を加えて混ぜ合わせ、植物を植える」のが一般的な使い方です。肥料成分が含まれていないので、固形・液体肥料や微生物が繁殖しやすい養分の多い土を混ぜ合わせることで、園芸やガーデニングのほとんどの花や植物を育てる土になります。

また、挿し木・挿し芽用の土には赤玉土がおすすめです。市販の草花用培養土は、栄養が多すぎて挿し木の枝が枯れてしまいますが、赤玉土ならその心配がありません。

このほかにも、金魚やメダカを飼育するとき、水槽の底に赤玉土を使うと、水が弱酸性になって藻が繁殖しにくくなる効果もあります。ただ、水はけが悪くなるので、定期的に植え替えをして、新しいものを使うようにしてください。

よい赤玉土の見極め方

赤玉土の状態を見極めるには、水を入れたコップに赤玉土を入れてかき混ぜます。その中で粒が崩れないものが質がよいと判断できますよ。

赤玉土を使うのにおすすめの植物

多肉植物、カランコエ、グリーンネックレス、シバザクラ、アリッサム、万年青、タニワタリ、シンゴニウムなど

赤玉土の販売価格は?

価格は大袋(約10~20L)で1,000〜2000円です。関東ローム層の土なので、関西地方の方がやや割高になっています。また、インターネットでは安い赤玉土も売っていますが、どれがいいのかわからない場合は、園芸店などでおすすめの商品を聞いて選ぶようにしましょう。

安いものは粒がもろくてつぶれやすく、すぐに取り替えなければならなくなる傾向にあります。値段は上がってしまいますが、植え替えが面倒な方は硬質赤玉土を購入するのがおすすめです。

赤玉土の使い方を学んでPHをうまく調整しよう

赤玉土は、弱酸性でどんな植物とも相性がよい万能な土です。肥料成分がないことで、無菌のきれいな状態の土に植物を植え付けることができるのもうれしいですよね。

1袋持っておくと、ほかの土との配合にもチャレンジでき、植物に合った土を作ることができますよ。ガーデニングをはじめるなら、まずは手に入れたいグッズの1つです。

更新日: 2023年10月13日

初回公開日: 2015年10月20日

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