株を覆うように枝をジグザグに伸ばして茂るブライダルベール。見た目が花嫁のまとうベールに似ていることから、名付けられました。春~秋にかけて咲く白く小さな花と、濃い緑色の葉っぱのコントラストが美しいですよ。今回は、そんなブライダルベールの育て方について、冬越しや植え替えの時期と方法などをご紹介します。
ブライダルベールの育て方のポイントは?
気温5度以上の明るい日陰に置き、樹形が乱れたら切り戻しをすることが、きれいに育てるポイントです。切り戻しをすることで、新芽の発育を促し、株をこんもりと茂らせることができます。また、日当たりのよい場所の方が生育はよくなりますが、直射日光に当たると葉っぱが焼けてしまいます。
ブライダルベールの苗植えの時期と方法は?
4~9月の間であれば植えられますが、5月が最適です。5度以下の気温だと弱ってしまうので、基本は鉢植えにして育てます。苗よりも1~2回り大きな鉢に植えていきましょう。
ブライダルベールの土作り・水やり・肥料の与え方は?
土作り
水はけのよい土を好みます。赤玉土(小粒)4:腐葉土3:川砂3の割合で混ぜた土か、市販の観葉植物用培養土がおすすめです。ハンギング仕立てにするときは、腐葉土の代わりにピートモス、川砂の代わりにパーライトを使って軽くします。
水やり
生育期の春~秋は、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。葉っぱが茂って蒸れやすいので、必ず土に触ってから水やりをしてください。乾燥が気になるときは、葉っぱに霧吹きで水を吹きかけると、ハダニの予防にもなりますよ。秋~冬の間は、土が乾いて2~3日たってから水を与え、乾燥気味に育てます。
肥料の与え方
生育期の5~8月の間、月に1回ゆっくりと効く緩効性化成肥料を与えるか、10~15日に1回液体肥料を与えます。肥料を施しすぎると、細い茎が伸びてだらしない草姿になるので注意してください。
ブライダルベールの剪定の時期と方法は?
茎が伸びすぎて草姿が乱れたら、真冬を除いていつ剪定してかまいません。黄色くなった葉っぱや茂りすぎた葉などを適宜切っていきましょう。そして1ヶ月ほどして、新しい茎が2節ほど生長したら、再び切り戻すと樹形が整います。
また、下の方の葉っぱが枯れてきたときは、株元から2~5cmほどのところでばっさり切り戻すのも1つの方法です。これによって新芽の発育が促されます。
ブライダルベールの冬越しの時期と方法は?
耐寒気温は5度と、観葉植物の中では比較的寒さに強いですが、日本の冬を屋外で越すことはできません。鉢を室内に取り込み、レースのカーテン越しの窓辺に置きましょう。
ブライダルベールの植え替えの時期と方法は?
根詰まりが起きやすいので1年に1回、1回り大きな鉢に植え替えます。植え替えの時期や手順は、植え付け時と同じです。すでに根詰まりを起こして下の葉っぱが枯れてしまっているなら、株元から2~5cmのところで切り戻してから植え替えます。
ブライダルベールの増やし方!挿し木と株分けの時期と方法は?
挿し木
適期は5~9月です。切り戻した枝を活用すると、効率的に数を増やすことができます。
1. 茎を先端から5~8cmほどの長さに切る
2. 同じような茎を8~10本用意する
3. それぞれの茎の先端にある葉っぱを2~3枚ほど残し、他を取り除く
4. 茎を束にして1つにまとめる
5. 赤玉土(小粒)など挿し木用の土を鉢に入れる
6. 束にした茎を5号鉢なら2束、6号鉢なら3~4束まとめて挿す
7. 明るい日陰で、土が乾かないよう水やりをして管理する
8. 10日ほどで発根し、根が十分に生えたら液体肥料を与える
9. 株が十分茂ったら、1/2ほどの高さに切り戻し、わき芽を生やす
株分け
適期は5~9月です。鉢いっぱいに育った株を抜き出し、根に付いた土を1/4~1/3ほど落とします。そして、それぞれ均等に茎が付くよう、2~3株にハサミや手で分けていきます。その後は植え付け時と同様にそれぞれを鉢に植え、明るい日陰で管理します。
ブライダルベールの栽培で注意する病気や害虫は?
炭疽病
葉っぱに現れた黒い斑点が、どんどん広がって植物を枯れさせるカビが原因の病気です。見つけたらすぐに病気にかかった部分を取り除き、薬剤を散布して拡大を防ぎます。
ハダニ
乾燥した環境で発生しやすい害虫で、葉っぱの裏について栄養を吸い取ります。水に弱いので、葉っぱに霧吹きで水を吹きかける葉水によって、予防することができますよ。大量に発生したときは、薬剤を散布して駆除していきます。
カイガラムシ
湿度の高い環境で発生し、茎葉に帰省して栄養を吸い取ります。幼虫のうちは薬剤で駆除できますが、成虫は硬い殻に覆われていて薬が効きづらいので、ブラシなどで株からこすり落とします。
ブライダルベールの花が咲かない理由は?
ブライダルベールの花が咲かない理由としては、「日光不足」「肥料不足」「根詰まり」の3つが考えられます。まずは、根の状態をチェックしてみてください。鉢いっぱいに根が回っていると、生育が衰えてしまいます。根が広がるスペースを十分に確保したうえで、直射日光の当たらない明るい日陰に置き、生育期にきちんと肥料を施しましょう。
ブライダルベールの白い花を咲かせよう
小さな花をたくさん咲かせるブライダルベールは、そのかわいらしい見た目から人気の観葉植物の1つです。ただ、葉っぱが茂ることから、水の管理がむずかしいことで知られています。また、生育がよく、根詰まりを起こして花が咲かないこともしばしば。葉っぱだけを楽しむのであれば、簡単に育てられるので、気楽に長く育て続けていきたいですね。
更新日: 2016年01月14日
初回公開日: 2016年01月15日