優雅な花姿と豊かな香りをもつオールドローズ。バラはガーデニングやプレゼントとして古くから人気があり、親しまれている歴史ある植物です。オールドローズは、数あるバラの中で原種のバラに近い品種の総称で、普段私たちが目にするバラとは少し違います。今回は、そんなオールドローズの花言葉や育て方、種類や品種についてご紹介します。
オールドローズの花言葉!意味や由来は?
『優美』
「優美」という花言葉は、オールドローズがもつ豊かな香りや、優雅で気品あふれるその花姿にたとえられて付けられたとされています。
オールドローズの学名・原産国・英語
- 学名
- Rosa L.
Rosa ssp.
- 科・属名
- バラ科・バラ属
- 英名
- Old rose
- 原産地
- ヨーロッパ
- 開花期
- 5~6月
- 花の色
- 濃赤、赤紫、紅色、ピンク、淡いピンク、白など
- 別名
- アンティーク・ローズ
オールドローズとは?どんな花を咲かせるバラ?
オールドローズとは、1867年に誕生したモダンローズの「ラ・フランス」より以前に栽培されていたバラの品種です。現在ある数多くの品種の元となっており、古くからあるバラの品種群という意味から「オールドローズ」と呼ばれるようになりました。また、「アンティーク・ローズ」とも呼ばれ、優雅な花の形と豊かな香りを放つのが特徴です。一季咲きの品種が多く、花の中心が見えないほど重なりあった花びらをもつことから、切り花としてではなく、主にヨーロッパの庭園でつるや茎を含めてバラ全体を楽しむ目的で親しまれています。
オールドローズの種類や品種は?
改良の元となってきたオールドローズは、数えきれないほどの品種に分けられています。また、場合によっては野生種であるワイルドローズが含まれることもあります。今回は、その主な系統をいくつかご紹介します。
ガリカ
トゲが少ない一季咲きの品種群で、紀元前からの栽培が確認されている「赤バラの元祖」ともいえます。濃い赤色の花が多く、濃厚な甘い香りが特徴です。枝にも強い香りがあり、鑑賞用や香料用に栽培されます。
ダマスク
ガリカとロサ・フェキニア(もしくはロサ・モンスカータ)が交配して生まれたとされる系統です。一季咲きでピンク色をした品種が多く、強い香りを放ちます。ブルガリアやトルコが主な原産地で、ローズオイルを抽出するために使われます。
アルバ
寒さに強く、生命力に富んだ育てやすいオールドローズです。白や淡いピンクの花色がガリカとは対照的で、清楚な趣があります。甘い香りがあり、「白バラの祖」ともいわれています。
チャイナ
中国を起源とするバリエーションが多い品種です。春から秋まで次々と花を咲かせる「四季咲き」の起源となっています。
ケンティフォーリア
キャベツの葉っぱのように花びらの数が多いことから、「キャベツローズ」「キャベツバラ」とも呼ばれる系統です。ピンクがメインのバラで、甘い香りは香水の原料として利用されるほか、鉢植えにも多く使われます。
オールドローズの育て方のポイントは?
日当たりと風通しのよい環境で管理することが、きれいな花を咲かせるコツです。日当たりが悪いと木が育ちにくく、花付きが悪くなるほか、病害虫の被害を受けやすくなります。最低でも1日3~4時間ほど日が当たるようにしましょう。
オールドローズの苗植えの時期と方法は?
春に購入した苗を、遅くとも6月中旬までに植えていきます。苗の根に付いた土は、崩さないように植えるのがポイントです。
鉢植えは、品種によっても異なりますが、深さの7~10号鉢に1株が植え付けの目安です。土は、市販のバラ用培養土か、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の水はけのよいものを使ってください。
地植えは、日当たりと風通しのよい場所を選びます。そして、直径と深さ50cm程度の植え穴を掘り、堆肥や骨粉、乾燥牛ふん、油かすなどを土とよく混ぜ合わせておきます。半分ほど土を戻したら、苗を置き、掘った土を戻して、たっぷり水を与えます。支柱を立てて株を支え、つる性の品種であればトレリスなど枝をはわせる場所も用意しておきます。
オールドローズの水やりと肥料の与え方は?
水やり
バラの中では丈夫ですが、根が完全に乾くと枯れてしまいます。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えも、基本は降雨で過ごしますが、乾燥しやすい時期は水やりをしてください。ただ、冬は休眠して生育が鈍るので、水やりのペースを落します。
肥料の与え方
一季咲きで春に咲くバラは、油かすや骨粉、堆肥、米ぬか、ぼかし肥などの有機肥料を12~2月頃に施せば、あとは花後に再び肥料を与えるのみでかまいません。地植えは、株元から20~30cmほど離れたところに、直径と深さ30cmの穴を掘り、肥料を埋めるとよいですよ。鉢植えは、月1回ほど固形肥料を株元に置き、7~10日に1回薄めた液肥を施します。四季咲きのバラは、何度も花を咲かせるため、花が咲き終わったら何回か肥料を与えてください。
オールドローズの剪定の時期と方法は?
一季咲きであれば1~2月初旬に剪定をします。株全体を見て、密になっている部分の古い幹を付け根から切り取りましょう。細枝や枯れ枝、絡んでしまった枝など不要な枝と病気の枝があれば合わせて整理します。また、花の咲く位置を調節するために1/2~2/3ほど、昨年咲いた位置の高さに枝先を剪定するとよいですよ。
四季咲きの品種は、深く切りすぎると枝葉ばかりが伸びてしまい、花が咲かなことがあるので、枝を軽く切りそろえていく程度の剪定にとどめます。また、こまめに枯れた花を摘み取ることも大切な作業です。
オールドローズの植え替えの時期と方法は?
鉢の中が根でいっぱいになってしまうと、水や肥料の吸収が悪くなり、生育に悪影響を与えます。1年に1回、12~2月に1回り大きな鉢へ植え替えを行いましょう。このとき、土を新しくすることで生育も促せます。
オールドローズの増やし方!挿し木の時期と方法は?
挿し木の適期は、冬の休眠期に挿す冬挿し(11~1月)と、初夏の生育期に挿す夏挿し(6~7月)があります。冬挿しは新芽が出るまでの期間が長いうえ、室内で水分を切らさないようにする必要があるため、短期間でできる夏挿しがおすすめです。ただ、バラの挿し木はもともと成功率が低いので、うまくいかなくても何度か挑戦してみてください。
1. 生えてから1年ほど経った、少し堅い枝の真ん中を選ぶ
2. よく切れるナイフやハサミで斜めに枝を切る
3. 根を出したい部分の葉っぱとトゲをきれいに取り除く
4. 1時間ほど切り口を水に浸ける
5. 湿らせたパーライト7:ピートモス3に枝を挿す
6. 水を与え、半日陰で土が乾かないように管理する
7. 新芽が出るか、1ヶ月ほど経って葉っぱが緑なら鉢に植え替えて引き続き育てる
8. 根が十分生え、生育がよいようであれば、鉢や地面に植え替える
オールドローズの栽培で注意する病気や害虫は?
バラは病気や害虫の被害を受けやすい植物として知られています。特にうどんこ病や黒星病にかかりやすく、いちどかかってしまうと回復が難しくなってきます。バラが育ちやすい環境を作り、日頃から殺菌剤を散布して予防しておくことが大切です。
オールドローズは人気のあるバラの種類
古くから庭園で育てるバラとして使われてきたオールドローズ。バラ好きやガーデニングを好む人にとって、オールドローズは近年のバラにはない、クラシカルな雰囲気があると人気です。たくさんのオールドローズを飾って、小さな洋風のガーデンを作ってみるのもすてきですね。バラは栽培難易度の高い植物ですが、その分花が咲いたときの喜びは大きなものになりますよ。
更新日: 2016年03月27日
初回公開日: 2016年03月27日