山野にひっそりと咲く弟切草。古くから薬草として利用され、人々の傷を癒してきました。分類では、ガーデニングや花束に利用されるヒペリカムと同じ属に入りますが、日本原産とあってその性質には若干の違いがあります。今回は、そんな弟切草の育て方について、苗植えの時期と方法などをご紹介します。
弟切草(オトギリソウ)の育て方のポイントは?
日当たりのよい場所を選び、酸性の土に植え付けることが元気に育てるコツです。日本に古くから自生しているので、これといって特別な手入れは必要ありません。ただ、海外が原産のヒペリカムと違い、酸性の土を好む点には注意してください。
弟切草(オトギリソウ)の苗の植え付け時期と方法は?
種を採取して育てることもできますが、まずは苗から育てはじめるのが一般的です。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に1株ずつ植え付けていきましょう。株の大きさに応じて、3~6号鉢が適当です。
地植えは、日当たりと風通しのよい場所を選び、苗よりも1回り大きな植え穴を掘って植えていきます。水はけが心配なときは、腐葉土を植え穴を掘った土に混ぜ込んでおくと安心です。
弟切草(オトギリソウ)の水やり、肥料の与え方は?
土作り
弟切草の鉢植えには、赤玉土(小粒)7~8:川砂2~3か、赤玉土7:鹿沼土3の割合で混ぜた土がおすすめ。市販の山野草用培養土を使ってもよいですよ。地植えは腐葉土を3割ほど混ぜ込んで、1週間ほど寝かせておいたものがよいですよ。
水やり
水切れを起こすと枯れてしまいますが、土がずっと濡れていると根腐れを起こしてしまいます。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。真夏の乾燥しやすい時期に、水やりが追いつかないときは、日陰~半日陰に鉢を移動したり、遮光したりするとよいですよ。地植えは、よほど乾燥しているときだけ水やりをする程度で十分です。
冬は地上部が枯れてしまいますが、根が生きていれば翌年花を咲かせるので、水やりはかかさないようにしましょう。
肥料
春になったら、根元あたりにゆっくりと効く緩効性化成肥料を置きます。もしくは、3~9月の間、10~15日に1回液肥を与えてもかまいません。
弟切草(オトギリソウ)の植え替えの時期と方法は?
鉢植えは、根が鉢いっぱいになったら植え替えをします。花が咲く前の3~4月が適期で、手順は植え付け時と同じです。
弟切草(オトギリソウ)の増やし方!種まきの時期と方法は?
秋についた実の中にはたくさんの細かい種が入っています。放っておいてもこぼれ種で自然と増えていきますよ。採取して育てるときは、すぐにまくか、乾燥させて2~3月まで保管しておきます。
実から種を取り出し、ばらまきにしていきましょう。土が乾燥しないように水やりをして管理し、本葉が2~3枚になるまで生長したら、鉢か地面に植え替えます。
弟切草(オトギリソウ)は気楽に栽培できる花
毎年きれいな黄色い花を咲かせる弟切草。育て方も簡単で、ほとんど放っておいてもかまわないくらい丈夫で病害虫の心配もありません。
ただ、冬も根に水を与えないと枯れてしまうので注意してくださいね。むりせず、素朴にガーデニングを楽しみたい方におすすめです。
更新日: 2020年12月01日
初回公開日: 2016年02月05日