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四季の山野草!春・夏・秋・冬に咲く花15選

控えめで楚々とした存在感がすてきな山野草。最近ではホームセンターなどでも取り扱いが増え、庭やベランダで素朴な雰囲気を味わえると人気を呼んでいます。一度育てると、その自然な美しい風情がやみつきになる方も多いそうですよ。今回は、春、夏、秋、冬に咲く四季の山野草を15種、花の色や形、大きさ、特徴とあわせてご紹介します。

春の山野草

1. カタクリ(片栗)

カタクリ

カタクリは早春を代表する花の一つで、山菜としても親しまれています。花はシクラメンを小さくしたようなW字形で、淡紅色や紫紅色が一般的です。

その姿を地上で見られるのはわずか4〜5週間ほどしかなく、初夏には地上部がすっかり枯れてしまうことから、「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」とも呼ばれています。

2. スミレ(菫)

スミレ

可憐で清楚なスミレの花は、日本人に昔から愛されてきた春の山野草です。日本全国の山へいけば普通に見られるタチツボスミレなど、日当たりのよい道端や山野に自生しています。

暖かくなってくると葉っぱの付け根から細い花茎を伸ばし、直径1〜2cmほどの濃紫色の花を1輪ずつ咲かせるのが特徴です。

3. サクラソウ(日本桜草)

ニホンサクラソウ 日本桜草

日本桜草は、サクラに似たかわいらしい花をつけるプリムラの仲間です。白やピンクの淡い花色が多く、株の中央から伸びた花茎の先に直径2cmほどの花を数輪咲かせます。

古くは東日本の河原や草原のあちこちで見られましたが、一時絶滅の危機に瀕したこともあり、現在では自生地に柵を設けるなどして手厚く保護されています。

夏の山野草

4. オダマキ(苧環)

オダマキ ウィンティダブル

日本原産のミヤマオダマキは、高山帯の岩場や草原に生える多年草です。草丈は20cmほどで、初夏に直径4cmほどの青紫色〜白の花を咲かせます。

筒状の花びらを取り囲むのは5枚の萼片で、付け根には距(きょ)と呼ばれる突起があります。ヨーロッパ原産の西洋オダマキは多彩なバリエーションで知られ、赤、桃、白、黄のほか青や黒など、なかなか見られない珍しい花色が人気です。

5. 矢車草(ヤグルマソウ)

矢車草は、北海道西南部〜本州の山地の木陰に群生するユキノシタ科の山野草です。5〜7月頃に1mほどの花穂を立ち上げ、先端に小さな白い花をたくさんつけます。名前は掌のようにつく5枚の小葉を鯉のぼりの矢車にたとえたもので、混同されやすい花にキク科の矢車菊があります。

6. セッコク(長生蘭)

セッコク 花 木

セッコクは、山中の樹木や岩の上に根を張る小型の野生ランです。5〜6月頃、バルブの節から短い花軸を伸ばし、直径2〜3cmほどの白や淡紅色の花を2輪ずつほころばせます。

日本に自生する3種のうち、オキナワセッコクは沖縄本島北部の固有種で、大型のキバナノセッコクは淡い黄緑色の花を咲かせます。

7. 弟切草(オトギリソウ)

オトギリソウ 弟切草

弟切草は草丈30〜60cmほどの宿根草で、日本各地の日当たりのよい山野や道端に自生します。7〜9月頃になると、花茎の先に直径2cmほどの黄色い花を1〜3輪咲かせます。

花は日中に開いて夕方にはしぼむ1日花で、全草を乾燥させたものは「小連翹(しょうれんぎょう)」という生薬になります。

8. ホタルブクロ(蛍袋)

ホタルブクロ  蛍袋

うつむくように咲く花姿が人気のホタルブクロは、草丈30〜80cmにもなる比較的大型の山野草です。夏に咲く花は長さ4〜5cmほどの薄い袋状で、先端が浅く5つに分かれた釣鐘形をしています。

広域に分布するため環境による変異が多く、一般的な白や淡紅色のほか、色の濃いものや素心花、斑点が入ったものなどがあります。

秋の山野草

9. リンドウ(竜胆)

リンドウ 花

本州以西の山野や草原に生えるリンドウは、秋の風物詩ともいえる花です。ラッパ形の花は濃い青紫色で、高く澄みわたった空を見上げるように上向きに咲きます。

日光が大好きな植物で、日当たりの悪い場所ではつぼみがつきません。花も晴れた日の日中に開き、天気の悪い日や夜間は閉じてしまいます。

10. ツワブキ(石蕗)

ツワブキ 地植え 花

ツワブキは日本に古くからある山野草で、東北地方以南の海岸付近に自生しています。10〜12月頃に小菊によく似た黄色い花をつけ、花後には綿毛のついた種を飛ばします。

日陰や湿気に強いことから、斑入り葉や獅子葉の園芸品種も数多く作出され、古典園芸植物として古くから親しまれています。

11. ホトトギス

ホトトギス 種類

ホトトギスは日本特産の秋の山野草です。花は直径2〜3cmほどの6弁花で、上向きに咲く「ホトトギス形」と下向きに咲く「ジョウロウホトトギス形」があります。

花色は赤紫、赤、ピンク、黄、オレンジ、白など多彩に揃い、花びら全体に鳥のホトトギスの胸毛に似た細かい紫斑が散りばめられています。

12. 女郎花(オミナエシ)

オミナエシ 女郎花

女郎花は、8〜10月頃に咲く秋の七草の一つです。日当たりのよい山野や土手に生え、9月頃になると十五夜用の切り花として花屋の店先でよく見かけます。

草丈1mほどの自生種のほか、矮性のタマガワオミナエシ、斑入り葉の美しいフイリオミナエシなどがあり、いずれも黄色の小花を傘状につけます。

13. シュウメイギク(秋明菊)

シュウメイギク 秋明菊

シュウメイギクは、本州以西の山野に自生するアネモネの仲間です。9〜10月頃になると、枝分かれした花茎の先に直径15cmほどの大きな花を咲かせます。原種は八重咲きの淡い紅紫色ですが、園芸品種は白、ピンク、紅色と変化に富んだ花色がみられ、一重咲き種の方が主流です。

冬の山野草

14. 福寿草

福寿草 雪 フクジュソウ

まだ寒さの厳しい時期に雪を割って咲く福寿草。「元日草」「正月花」とも呼ばれ、新年を祝うめでたい花としてお正月の寄せ植えに利用されています。自然環境下で厳寒期に開花するのは一部の早咲き品種で、残雪の間から地表すれすれに顔を出す姿は、一足早い春の訪れを感じさせてくれます。

15. 日本水仙

スイセン 水仙

日本水仙は、真冬に最盛期を迎える貴重な球根植物です。毎年、寒い時期になると山野や道端の草地に芽吹き、白い花びらに黄色の副花冠が目立つ花を咲かせます。

小ぶりで清らかな咲き姿にもかかわらず、植えっぱなしで増える非常に丈夫な性質から、どこの庭でも見られる身近な山野草として親しまれています。

四季の山野草で季節を感じよう

いかがでしたか?ガーデニングで「和もの」が見直されている今、日本の四季を感じさせる山野草は魅力的ですよね。多くは宿根草や多年草なので、季節ごとに順番に花が咲くようなプランを考えてみましょう。

一年草と上手に織り交ぜることで、一年中花の絶えない庭やベランダを楽しめますよ。

更新日: 2021年10月20日

初回公開日: 2016年04月15日

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