シュウメイギクは、涼しくなった人里や野山にひっそりと咲く秋の風物詩です。日本固有種のイメージがありますが、古く中国より日本に伝わったものが野生化して定着したといわれています。今回は、そんなシュウメイギクがどんな花なのか、開花時期や花言葉、種類、品種などをご紹介します。
シュウメイギクの花言葉!意味や由来は?
『薄れゆく愛情』『淡い思い』『あせていく愛』『多感なとき』『忍耐』
「薄れゆく愛情」や「淡い思い」など、移ろう恋心を表現した花言葉がつけられています。同属の仲間なだけあって、シュウメイギクとアネモネには花言葉にもどことなく似た雰囲気がありますね。
シュウメイギクとは?別名や原産国、英名は?
- 学名
- Anemone hupehensis var. japonica
- 科・属名
- キンポウゲ科・イチリンソウ属(アネモネ属)
- 英名
- Japanese thimbleweed
Japanese anemone
- 原産地
- 中国
- 開花期
- 8~10月
- 花の色
- 白、薄ピンク、紫
- 別名
- 貴船菊(キブネギク)
秋牡丹(アキボタン)
秋明菊(シュウメイギク)
シュウメイギクとは、キンポウゲ科・イチリンソウ属に分類される多年草です。秋に咲く八重咲きの花がキクに似ていることから「シュウメイギク」と名付けられました。
実際にはキク科ではなくアネモネと同じキンポウゲ科で、現在では萼片(がくへん)が5枚の一重咲き種が園芸種として人気を集めています。
シュウメイギクの開花時期と見頃の季節は?
シュウメイギクの開花時期は品種によって若干のずれがあります。早いもので8月下旬から咲き始め、9月下旬頃に最盛期を迎えます。
開花時期の差を利用して数種類の品種を寄せ植えにすると、11月いっぱいまで色とりどりの花が楽しめますよ。
シュウメイギクはどんな花を咲かせる?萼片(がくへん)とは?
シュウメイギクには花びらがなく、花びらのように見えるのは萼片が大きく変化したものです。この世のものとは思えない可憐な咲き姿から、中国で発見された当初は「秋冥菊」という漢字があてられていました。
日本では、京都の貴船山に多く帰化していたことにちなみ、「キブネギク(貴船菊)」の別名でも知られています。
シュウメイギクの種類や品種は?
シュウメイギクは、花色や形にバリエーションをつけるのが難しい花として知られています。
国内では八重紅色花や一重白花、一重ピンク花の3種が主流でしたが、矯性品種の登場で一躍注目度が増し、現在は少しずつ品種数を増やしています。
シュウメイギク(ギブネギク)
日本に渡来したのは江戸時代とされ、1681年に発刊された日本最古の園芸書「花壇網目」にもその名が記載されています。草丈は50~80cmほどで、原種本来の紅色の八重咲きが特徴です。
タイワンシュウメイギク
台湾原産の一重白花の小輪種で、日本では主に山野草として扱われています。この系統は50~100cmと草丈が高く、園芸種では本種とシュウメイギクの交雑種が多くを占めています。
チャボシュウメイギク(ミニシュウメイギク)
ヨーロッパで交配されたシュウメイギクの矮性種です。草丈が20~40cm程度と扱いやすく、コンテナ栽培にも向きます。
白や桃、紅色など複数の花色に一重咲き、八重咲きがあり、洋風ガーデンにもよく映えます。
ダイアナ
シュウメイギクより花色が濃く濃桃色の萼片と、中心部分の黄色のコントラストが美しい一重2色咲きです。
開花時期はやや早めの8~9月頃で鉢植えにすると15cmほどにまとまります。
祭りシリーズ
チャボシュウメイギクと「ダイアナ」を交配して誕生した矢祭園芸オリジナルの矮性種シリーズです。ピンク系の様々な咲き姿を楽しめますよ。
9月中旬~9月下旬頃だと、八重咲きの「ねぶた祭り」「葵祭り」「祇園祭り」、一重咲きの「花笠祭り」、複色一重咲きの「うねめ祭り」などがおすすめです。
娘シリーズ
祭りシリーズと同じ矢祭園芸が開発したシリーズです。ヨーロッパやアメリカを中心に世界中の園芸愛好家を魅了しています。
- 9月上旬~9月中旬頃:一重咲きピンク色の「星娘」、八重咲きピンクの「福娘」
- 9月下旬~10月上旬頃:八重咲きサクラ色の「桜娘」
シュウメイギクでガーデニングを華やかに
秋の訪れとともに満開を迎えるシュウメイギクは、見る者に四季の節目を感じさせてくれる花です。数年は同じ場所で開花するので、毎年秋が来るのが待ち遠しくなりますね。
日当たりがいまひとつで持て余しているスペースがあれば、しっとりとした情感漂うシュウメイギクを植えてみてはいかがでしょうか。
更新日: 2021年09月27日
初回公開日: 2015年10月07日