片栗粉は、天ぷらなど料理の材料として誰しも1度は見たことがありますよね。実は、カタクリという植物の球根からとれるデンプンということを知っていましたか?その花も独特で美しく、古くから春の花として親しまれてきました。今回は、カタクリとはどんな花なのかや、花言葉、見頃の季節などをご紹介します。
カタクリ(片栗)の花言葉
『初恋』『寂しさに耐える』
「初恋」という花言葉は、下向きに花を咲かせる姿が、恥じらって自分の気持ちをうまく伝えられない恋心を抱く乙女を想像させることに由来しています。また、「寂しさに耐える」も同様に、下向きに咲く花の姿が、耐え忍んでいるように見えることにちなみます。
カタクリ(片栗)の学名・原産国・英語
- 学名
- Erythronium japonicum
- 科・属名
- ユリ科・カタクリ属
- 英名
- Katakuri
Dogtooth violet
- 原産地
- 日本、朝鮮半島
- 開花期
- 3~6月
- 花の色
- 薄紫、ピンク
- 別名
- 片子(カタコ)
堅香子(カタカゴ)
カタクリ(片栗)とは?どんな花を咲かせる植物?
カタクリは、ユリ科・カタクリ属に分類される球根性の多年草です。日本全国の平地から山地まで幅広く自生している、山野草の一種でもあります。
球根にはデンプンがたくさん含まれており、それらを集めたものが市販の「片栗粉」として販売されています。
7~8年ほどかけて種が球根となり、3月になると球根から葉っぱを出します。6月ごろまでには葉が枯れてしますので「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」とも呼ばれているんですよ。
カタクリ(片栗)の開花時期と見頃の季節は?
カタクリの開花期は3~6月で、3~4月が最も見頃となっています。自生しているカタクリは、多くの都道府県で絶滅危惧種に指定され、大切に保護されていますよ。各地の群生地では、春の開花時期に合わせて「カタクリ祭り」が開催されています。
カタクリ(片栗)の種類や品種は?
カタクリ属には、ユーラシア大陸に4種、北米大陸に20種の植物が分類されています。以下に、同じカタクリ属に分類されている植物をいくつかご紹介します。
エリスロニウム・グラディフローラム
茎先に黄色い花を咲かせることから、「キバナカタクリ」とも呼ばれる、北アメリカやカナダを原産とする品種です。花は横向きに咲き、カタクリに比べて大きいことが特徴です。
エリスロニウム・アメリカナム
北アメリカ東部を原産とする品種です。地面をはうように茎が伸びるため草丈が低く、カタクリに似た黄色い花を下向きに咲かせます。
エリスロニウム・カリフォルニクム
北アメリカ西海岸が原産の品種です。白からクリーム色の花を咲かせます。生命力が高く丈夫で、たくさん分球するので数がどんどん増えていきます。
エリスロニウム・トゥオルムネンセ
アメリカ・カリフォルニア州中部を原産とする品種で、園芸品種の「パゴタ」は、エリスロニウム・グラディフローラムとともに「キバナカタクリ」として知られています。寒さに強く丈夫で、1株でたくさんの花を咲かせます。
カタクリ(片栗)の花の名所に出かけてみよう
かつては山野で自然と見ることのできたカタクリの花。生長がゆっくりで、群生するまでには数十年の月日がかかるとさえいわれています。そのため、今では群生地の多くが大切に保護され、天然記念物に指定している地域も少なくありません。
裏を返せば、それくらい私たち日本人が好む花なのかもしれませんね。一度名所を訪れて、じっくりカタクリを観察してみてはいかがでしょう。
更新日: 2023年04月17日
初回公開日: 2016年02月20日