開花期を待つようにじっと土の中で栄養を蓄えてからは花を咲かせる球根植物。一瞬の開花期のためにときを過ごす姿から健気さを感じさせるところが魅力です。また、毎年きれいな花を咲かせてくれることから、ガーデニングによく取り入られています。今回は、球根から育つ花を春夏秋冬の季節ごとにいくつかご紹介します。
春に咲く球根の花
チューリップ
シュッと上に伸びた茎の先にカップのようなかわいらしい花を咲かせるチューリップ。春を代表する球根植物として、世界中で愛されています。小型から大型まで背丈の幅があり。花の色合いや姿も品種によって様々です。花が咲き終わった球根は掘りあげてとっておき、秋に植え直すと翌年もまたきれいな花を咲かせてくれます。
開花時期 | 3~5月 |
植付時期 | 10~11月 |
2. アネモネ
アネモネが真っ赤な花を風に揺らす姿は、美しく儚い雰囲気がありますよね。鉢植えやプランターでも簡単に育てられる手軽さから、ガーデニング初心者にも人気です。
赤い花色が広く知られていますが、たくさんの種類があってピンクやオレンジ、白、青と花色のバリエーションも豊富。色々な品種をプランターに寄せ植えすると彩りのある春を迎えられますよ。
開花時期 | 2~5月 |
植付時期 | 10~11月 |
3. ムスカリ
ムスカリは、つぶつぶの花がユニークなのに他の花の邪魔にならないことから、寄せ植えのアクセントによく加えられる球根植物です。特に開花期が同じチューリップとの寄せ植えはよく見かけますよね。
夏の暑さがおさまってきた頃に球根を植えると、コンパクトな株に仕上がります。育てたい背丈に合せて植える時期を調節してみてください。
開花時期 | 3~5月 |
植付時期 | 9~10月 |
4. フリージア
寒さがまだ残る早春に黄色や赤、ピンク、紫の花で庭や花壇を彩ってくれるフリージア。カラフルでよい香りを放つ花が魅力の球根植物です。
その可愛らしい姿とは裏腹に、病気や害虫の被害にあう心配が少ないこともうれしいポイントですね。2~3年は植えっぱなしにしても毎年花を咲かせる力強さもあります。
開花時期 | 3~4月 |
植付時期 | 10~11月 |
夏に咲く球根の花
5. サンダーソニア(クリスマスベル)
サンダーソニアは、明かりがともったランプのような花を咲かせる球根植物です。細長い葉っぱと花のバランスがよく、庭やプランターをすずしげな雰囲気にしてくれます。球根はブーメランのような変わった形をしているので、植える位置はよく確認してください。
開花時期 | 6~7月 |
植付時期 | 3~5月 |
6. グラジオラス
長い茎に連なって花を咲かせるグラジオラス。葉っぱの姿が剣に似ていることから、ラテン語の「gladius(剣)」が語源となって名付けられました。名前の通り強くて丈夫な性質で、管理が簡単な夏の花なんですよ。栽培できる花が少ない夏のガーデニングには欠かせない存在の1つです。
開花時期 | 7~10月 |
植付時期 | 3~6月 |
7. カラー
カラーはくるんと丸まった純白の花が上品な雰囲気を持つ夏に花を咲かせる球根植物です。シンプルで上品な花姿に加えて、「乙女のしとやかさ」「清浄」という花言葉から、ウエディングブーケによく使われます。
畑地性と湿地性の2つのタイプがあり、はじめて育てる方は栽培の簡単な畑地性を選ぶとよいですよ。
開花時期 | 4~7月 |
植付時期 | 4~5月 |
8. クルクマ
クルクマスイレンのような幻想的な花色と、くっきりと葉脈が浮き出た葉っぱを魅力の球根植物です。カレーのスパイスとして知られるウコンの観賞用の種類です。
鉢植えを1つ飾っておくだけでも、その独特の姿はインパクト大。球根の形が独特で、芽が出る部分と栄養分を蓄えておく部分に分かれているのもおもしろいですね。
開花時期 | 5~10月 |
植付時期 | 5~6月 |
秋に咲く球根の花
9. 彼岸花
道端や土手などでよく見かける彼岸花。真っ赤な花が細い茎の先に咲いている姿は、秋の訪れを感じさせます。お墓の近くに植えられている印象から日本ではあまりよいイメージはないかもしれませんが、欧米ではそのユニークな姿から人気です。
今では白や黄色、ピンクと花色のバリエーションも増え、園芸品種もたくさん作られているんですよ。
開花時期 | 7~10月(原種は9月) |
植付時期 | 6~10月 |
10. サフラン
サフランとはクロッカスの仲間で、雌しべは高価なスパイスになります。花は淡い紫色をしていて、落ち着いた雰囲気がありますよね。花が咲いたらすぐに赤い雌しべを抜き取って、キッチンペーパーなどにのせて乾燥させれば、サフランライスやパエリアに使えって楽しめますよ。
開花時期 | 10~11月 |
植付時期 | 8~9月 |
11. ネリネ(ダイヤモンドリリー)
茎の先に開く花が彼岸花によく似ているネリネ。花びらに光が当たるとキラキラ輝いて見えることからダイヤモンドリリーの名前で親しまれる秋に花を咲かせる球根植物です。これまでは彼岸花と花姿が似ていることで敬遠されがちでしたが、近年人気が高まっています。球根の先端が土から出るよう浅く植えるのが植えるときのコツです。
開花時期 | 10~12月 |
植付時期 | 8~10月 |
12. ダリア
ダリアは、秋を代表する花の1つです。花束やブーケに人気の花とあって、品種改良が今でも盛んに行われており、花の大きさや花びらの形、背丈は様々です。春の気温が暖かくなってきた頃に球根を植えて、剪定をしながら草姿を整えていく楽しみがありますよ。
開花時期 | 7~10月 |
植付時期 | 3~5月 |
冬に咲く球根の花
13. シクラメン
日に日に寒さが厳しくなっていくと、庭やプランターで育つ植物も減って寂しくなってしまいますよね。そんなときに活躍してくれるのがシクラメンです。
大きな葉っぱを株元に生やし、その間からピンクや紫、白の色鮮やかな花を咲かせます。地植えにするなら、霜に当たっても枯れないガーデンシクラメンが栽培におすすめです。
開花時期 | 10~3月 |
植付時期 | 9月 |
14. クロッカス
クロッカスは秋植え球根で、少しずつ寒くなってきた10月頃に植えて育てていきます。草丈が低く、短い茎の先にカップ型のかわいらしい花をを咲かせます。株元からシュッと生える葉っぱと紫や白の花が冬の花壇に早い春の訪れを知らせてくれそうですね。
開花時期 | 2~4月 |
植付時期 | 10~11月 |
15. 水仙(スイセン)
寒さが厳しい冬のまっただ中、白や黄色の鮮やかな花を咲かせて楽しませてくれる水仙。道端で水仙の花を見かけると、心がほっこりあたたかくなった感じがするから不思議です。どうしても寂しくなりがちな冬の庭やプランターを明るい雰囲気で包んでくれます。
開花時期 | 12~4月 |
植付時期 | 10~11月 |
球根を育てて花を咲かせよう
球根植物の魅力は、きちんと掘りあげたり管理したりすれば、毎年花を咲かせてくれるところです。花を咲かせる時間は一時かもしれませんが、じっくり育てる楽しみもあります。季節ごとに自分のお気に入りの球根植物を見つけて、花を咲かせてみてください。
更新日: 2021年12月15日
初回公開日: 2016年08月20日