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ダリアの球根の植え方や植え替え、種まきでの育て方は?

花束やブーケにもよく用いられ、カラーも豊富なダリア。その高級感あふれる姿は、切り花や園芸などいろいろな場面で活躍してくれます。今回は、そんなダリアの育て方について、球根の植え方や掘り上げ方、冬越や種まきの方法などをご紹介します。

ダリアは球根と種まきどっちから育てる?

ダリア

ダリアは球根植物なので、球根から育てるのが一般的です。種から育てることもできますが、立派な球根になるまで3年ほどかかります。ただ、最近では室内用のミニダリアや早咲き品種など、春に種をまいて夏に開花するタイプが出てきました。

種まきもできますが、発芽率が100%ではないので、初めてダリアを育てるなら球根から育てるのがおすすめです。

ダリアの育て方のポイントは?

ダリアは、日当たりと水はけのよい場所を好みます。ただ、夏の直射日光には弱いので、西日が当たらない場所か、遮光ネットで日除けをしてください。こまめに移動させられるなら真夏は日陰へ移動させます。

ダリアの種まきの時期と方法は?

ダリア
ダリアは、20~25度くらいが発芽する温度です。暖かくなってきた3~5月に種を用意しましょう。夜が冷え込む地域は室内で育てます。

  1. セルトレイか箱(卵パックなど)に種まき用の土を
    入れる
  2. 5cm間隔で種を2~3粒まき、5mmほど土を被せる
  3. 水やりをして、発芽するまで土が乾かないよう管理する
  4. 1週間ほどで発芽が確認できたら土が乾いてから水やりをする
  5. 本葉2~3枚まで生長してきたら、1回り大きな鉢か庭に植え替える

ダリアの球根を植える時期と植え方は?

ダリア 球根

ダリアの球根は、3月下旬~5月頃が植える適期です。気温が20度ほどになったら、よく晴れた日の午前中に作業をします。東北地方や北海道などの寒冷地域は、もう1〜4週間ほど遅らせて、霜がなくなってからにしましょう。

ダリアの根は横に広がるため、球根は1個だけ植えるのが基本です。球根1個に対する鉢のサイズは、超大輪・大輪系が8~10号鉢、中輪・小輪系は5~7号鉢が目安。球根は植えるとき、細い首のようになっている部分(発芽点)が上向きになるようにしてください。

鉢植えでの植え方

生長すると背が高くなるので、必ず支柱を立てるようにしましょう。枝も多くなり、生長するほど倒れやすくなります。

  1. 鉢底に軽石か鹿沼土を多めに数cmほど敷く
  2. 鉢の2/3ほどまで土を入れる
  3. 球根が鉢の中央に向かって発芽するような向きに置いて、土を5~10cmほど被せる
  4. 土に浸透性の殺虫剤と緩効性化成肥料を施す
  5. 4本を目安に支柱を立てる
  6. 鉢底から流れるほどたっぷり水やりを行い、発芽するまで水やりはしない

地植えでの植え方

いくつもの株を植え付けるときは、大型種で株同士の間隔を80~100cm、小・中型種で30~40cmくらい空けてください。

  1. 植え付けの2~3週間前に肥料を土に混ぜておく
  2. 植える当日、深さ5~10cmほどの穴を掘る
  3. 球根の発芽する場所が上向きになるように置く
    3. 土を被せて穴を埋める
  4. 支柱4本を立てる
  5. 鉢底から流れるくらいたっぷり水やりをする
  6. 発芽するまで次の水やりをしない
  7. 発芽後は土が乾燥したら水を与える

ダリアの土作り、水やり、肥料の時期と方法は?

ダリア

土作り

鉢植えなら、パーライト5:パーミキュライト5や赤玉土(中粒)5:培養土3:パーミキュライト2の割合で混ぜた土がおすすめです。草花用培養土も使えます。

地植えは、1㎡あたり完熟堆肥約5kg、腐葉土約1/3袋、化成肥料約50gを混ぜて2週間ほど寝かせ、その後1㎡あたり苦土石灰を1握り(100g)ほど混ぜて2週間寝かせれば完成です。

水やり

鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。地植えは、球根を植えた後に1回水やりをしておけば、基本的に天候任せで問題ありません。暑く乾燥した日が続いたときは、葉の表裏に霧吹きで水をふきかけてください。葉の洗浄と病気予防につながりますよ。

肥料

腐葉土を含んだ土や市販の草花用培養土を使っていれば、植えてから1ヶ月後と、秋の開花前に緩効性化成肥料を1回ずつ追加で与えます。

ダリアの剪定の時期や方法は?

ダリア

ダリアは、きちんとメンテナンスをすることできれいな花を楽しめる植物です。メンテナンスには、花の大輪や小輪など大きさによって「天花仕立て」と「摘心仕立て」の2つの支柱立ての方法があります。また、花の大きさに関係なく行うメンテナンスが剪定です。

剪定、切り戻し

夏の暑さで弱ったり、うまく育たなかったりした株は、株元から30~40cmの位置で切り落とします。これを剪定や切り戻しといい、地中または地際から芽が伸びてくるまで繰り返します。切り戻しをすると、秋に新しい枝が出て、花を咲かせてくれます。

ただ、切り口から病原菌が入り腐ってしまうことがあります。乾燥させて切り口をアルミホイルなどで覆い、茎の空洞に水がたまるのを防ぐとよいですよ。

天花仕立て(大輪咲向き)

最初の花(1番花)は1本だけ開花させ、2番花で複数の花を咲かせる方法です。球根から出た芽の中で、一番丈夫そうな茎1本が花を咲かせるまで、株元近くの2節分を残して、他の芽はすべて切り取り続けます。花が咲いた後は、花びらの下の部分で切り落として、残った2節のわき芽を育てます。

摘心仕立て(小〜中輪咲向き)

1番花から複数の花を咲かせる方法です。球根から育つ1番太い茎が、地表から2~3節伸びたところで切り落とし、2~3節から育つ約4~6本のわき芽を生長させることで複数の花を咲かせます。その4~6本のわき芽も天花仕立てと同じように、株元の1~2節を残して他のわき芽を切り取ります。

ダリアの球根の掘り上げ方は?植え替えは不要?

ダリア

掘り上げ

ダリアの球根は、翌年も花を咲かせるため、秋を過ぎた頃に掘り上げます。寒い地域では、霜が降りる前に掘り上げてしまいましょう。発芽点を折らないよう注意しながら球根を掘り上げ、軽く水洗いして日陰に1週間ほど置いておきます。

保存

保管する場所は5度以下にならない場所が理想です。湿らせたもみ殻やピートモスなどをつめたダンボールに球根を入れて保管します。ダンボールは、通気口となる穴をいくつか空けておくのがポイントです。また、ダリアは球根植物なので植え替えの必要はありません。植える場所の土を毎年入れ替えるか、場所を変えてください。

ダリアの増やし方!分球や挿し芽のタイミングは?

ダリア

ダリアは、分球、挿し芽、種まきで増やすことができます。種まきは、上記で紹介したとおりです。

分球

2~3月頃になると、掘り起こした球根から新しい芽が出てくるので分球をします。芽が確認できたら、折れないよう注意しながら、カッターナイフなどで切り分けて保管します。球根の掘り上げと一緒に行うと効率的です。

挿し芽

挿し芽は、芽を土に植えて数を増やす方法です。植え方と育て方は同じですが、球根から直接切り取った芽を植える「かき芽法」と、育った茎に生えたわき芽の付いた茎を切り取って植える「わき芽法」の2種類あります。

  1. 球根と同じ土と鉢を用意する
  2. 6~7cm枝を切り取る
  3. 2~3倍程度に薄めた発根促進剤を切り口に数秒間つける
  4. 土に切り口を2〜3cm挿し込む
  5. 日陰で2週間ほど土を乾燥させないように水やりを続ける
  6. 徐々に半日陰から西日の当たらない日なたに移して管理する

ダリアの育て方で注意する病気や害虫は?

ダリア

ダリアの栽培で注意したいのは、灰色カビ病やメイガです。灰色カビ病は、高温多湿で風通しの悪い場所に発生し、枯れた花や傷んだ葉から病気になります。

枯れた花や傷んだ葉を見つけたときは、こまめに取り除きましょう。メイガは、茎の中に入り、内部を食べてしまう害虫で、定期的に薬剤を散布して予防しておくのがおすすめです。

ダリアの球根を植えて育て方を楽しもう

草丈が4〜5mまで伸びたり、花びらが30cm以上まで育ったり、ガーデニングする花にしては大型のダリア。風が強い地域であれば支柱を立てる手間もかかり、ガーデニング好きの方であれば育てがいのある植物かもしれません。

ただ、摘心をこまめに行う必要はあるものの、水やりの回数は少ないので、地植えであれば簡単に楽しめますよ。いろいろなサイズのダリアの栽培にチャレンジして、友人や近所の方にプレゼントするのもすてきですね。

更新日: 2023年06月11日

初回公開日: 2015年05月27日

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