シマトネリコは、庭木のシンボルツリーや鉢植えで室内インテリアとしても栽培が楽しめる人気の観葉植物です。一方で、成長が早く放っておくと枝や葉が茂ってシマトネリコの特徴である「涼し気な印象」が損なわれてしまうことがあるので、枝を切る「剪定(せんてい)」が必要になります。今回は、シマトネリコのキレイな見た目を維持するための剪定の仕方や時期、きれいな株立ちを作るコツなどをご紹介します。
シマトネリコとは?観葉植物に人気の理由は?
シマトネリコとは、モクセイ科トネリコ属の樹木です。1年中緑の葉をつける常緑タイプで自然に育つと10mくらいまで成長します。
寒さや暑さに強く育てやすいうえ、高い背丈を利用してリビングを彩るインテリアにもなるので、初めての観葉植物にもピッタリ。お部屋に置くアイテムをお探しの方におすすめです。
シマトネリコに剪定が必要な理由は?
剪定とは、見た目を整えたり繁殖用の枝を用意したりするために行う、枝や葉を切る行為のことです。
特に、シマトネリコは生長が早く、放っておくと管理できないほど高くなるので、剪定によって管理しやすいサイズに調節したり、見た目を整えたりする必要があります。
シマトネリコの剪定の仕方や時期は?
シマトネリコの剪定の基本は、枝の生えぎわから切り落とすことです。生長を見込めない古い枝を切って量を減らし、新しい枝に高さをそろえましょう。
見た目を整える剪定は、剪定後に他の部分から枝が生えてくることを見越す必要があるので、シマトネリコが枝を生やしやすい時期に行うのが理想です。
3〜4月上旬、6~7月上旬、9~10月上旬の期間であれば、見た目を整える剪定に適しています。ただ、シマトネリコの花が見たいなら、開花前の6〜7月上旬の剪定は避けましょう。
■準備するもの
- 清潔な剪定バサミ
- 切り口に塗る癒合剤
■手順
- メインの幹になる枝の先が複数あれば1本にする
- 外側の「古く太い枝」をいくつか切る
- 「下向き・内向き・伸びすぎ・同じ向き(平行)」な枝を切る
- 若く新しい枝の高さに合わせて全体が楕円になるよう高さを揃える
- 枝の数が多い部分を減らして量をそろえる
- 切り口に癒合剤を塗る
- 通常と同じように育てる
シマトネリコの剪定で株立ちを整えるには?
「株立ち」とは、1つの根元から複数の幹が生えている状態のことです。言い換えると、シマトネリコは複数の幹からなる樹木だといえます。
本来、観賞用の「株立ち」は美しいものです。株立ちする植物は剪定でその形を整えてあげる必要があり、シマトネリコは12月の間に株立ちを整えます。
鉢に植えたシマトネリコの大きさや幹の数に合わせて、株立ちを整える2つの剪定を行ってみてください。
■株立ちを整える方法
- シマトネリコを真上から見下ろしたとき、中心となる1本の大きな幹の周りを囲うように複数の幹が位置するように剪定する
- 「幹の生えぎわ付近の枝」や「大きな幹の内側へ向かって伸びている枝」など不要な枝を適度に剪定する
初めてシマトネリコを剪定するときに注意することは?
初めて剪定するときは、どれくらいの長さや量を切ったらいいのかな?と心配になりますよね。そんなときは次の3つのポイントを意識して剪定すると失敗が少なくなりますよ。
1. 一度にたくさん切らない
シマトネリコの剪定は、一度に全部切り落とすのではなく、数本ずつ枝を切っていくのがポイントです。
全体を楕円形や扇型の樹形に整えることを意識しながら、余分に伸びた枝や樹形を乱している枝から剪定して、様子を見ながらまた剪定をする、といった流れで進めます。
2. 影になる葉を作らない
葉が重なり合っているなら、新芽の少し上あたりでどちらかを切り落としましょう。これを「透かし剪定」といって、一つ一つの葉に十分な日光が当たるように剪定する方法です。
3. 清潔なハサミを使う
シマトネリコを剪定するときは、「清潔なハサミ」を使いましょう。例えば、ノコギリで剪定すると切り口が汚れたり傷ついて、病原菌が侵入しやすくなり、結果枯れる原因になりかねません。
シマトネリコの剪定をして自分好みの形を楽しもう
剪定が上手になればシマトネリコが長生きするので、その分長い間栽培が楽しめるメリットがあります。また、切り過ぎても時期を間違えなければ成長が早いシマトネリコが枯れる心配は、ほとんどありません。
剪定に慣れてくると、好みの形を作れて剪定が楽しくなり、シマトネリコへの愛情が一層深まりますよ。
更新日: 2023年04月11日
初回公開日: 2015年06月16日