アザミに似たポンポンのような花を咲かせるアゲラタムは、夏の花壇の名脇役として活躍してくれる草花です。鮮やかな葉っぱも美しく、やわらかな印象があるので、サルビアやマリーゴールドなどはっきりした主張の強い花との相性もよいですよ。今回は、アゲラタムの花言葉と育て方、冬越しの方法などについてご紹介します。
アゲラタム(カッコウアザミ)の花言葉とは?
『信頼』『幸せを得る』『安楽』『永久の美』『あなたの返答を待ちます』
アゲラタム(Ageratum)という学名は、ギリシャ語の「ageratos(古くならない、年を取らない)」という言葉が語源となっています。これは、開花期が長く、花の色がなかなかあせないことにちなんで付けられました。また、「永久の美」「安楽」など穏やかな花言葉は、この花の性質に由来します。
アゲラタム(カッコウアザミ)の花の色や開花時期は?
- 学名
- Ageratum
- 科・属名
- キク科・カッコウアザミ属
- 英名
- Floss flower
Pussy foot
- 原産地
- 中南アメリカ
- 開花期
- 5~11月
- 花の色
- 紫、青、白、ピンクなど
- 別名
- カッコウアザミ
アゲラタム(カッコウアザミ)とは?どんな花を咲かせる?
アゲラタムは、キク科・カッコウアザミ属に分類される多年草です。しかし、中南米原産で寒さによわいことから、日本の園芸では一年草として扱われます。
草丈は15~80cmと種類によって幅があり、花壇や鉢植えに向くのが草丈の低いタイプ、切り花には背の高いタイプの品種が利用されます。青や白、ピンク色をしたふわふわの花を夏から秋にかけて咲かせますよ。この花の姿がアザミに似ていることから、カッコウアザミという和名が付けられました。
アゲラタム(カッコウアザミ)の育て方のポイントは?
日当たりと水はけのよいところに植え付け、生育しやすい気温を維持できるような工夫を施すことが、アゲラタムを栽培するコツです。基本的に丈夫で育てやすい草花ですが、日当たりが悪いと花付きが悪くなります。また、生育適温は20~25度なので、気温が低いときは株元にワラを敷いて防寒します。
アゲラタム(カッコウアザミ)の種まきの時期と方法は?
4~6月に、アゲラタムの種をまいて育てていきます。複数の株を植え付けることが多いので、苗までは育苗ポットや育苗箱で育て、その後鉢や地面に植え付けた方が、生育の速さが揃ってキレイに仕立てられますよ。また、種がとても小さく水で流されやすかったり、重なりあって生長を邪魔しあいうこともあるので注意してください。
- 3号の育苗ポットか育苗箱を用意する
- 赤玉土(小粒)やピートモスなど種まき用の土を入れる
- 折った厚紙の上に種を置き、手の甲をやさしく叩きながら種を土へふるい落としていく
- 光がないと発芽しない好光性種子なので、薄っすらと種に土を被せる
- 霧吹きなどでたっぷりと土に水を与える
- 土が乾かないよう水やりをしながら、日当たりのよい場所で管理する
- 発芽したら、土が乾いたら水やりをするようにして引き続き育てる
- 本葉が2~3枚になったら、鉢や地面に植え替える
アゲラタム(カッコウアザミ)の苗植えの時期と方法は?
4〜6月頃、種まきから育てた苗なら本葉が2~3枚になったタイミングで、鉢や地面に植え替えて育てていきます。鉢植えや寄せ植えの前面には草丈の低い品種、地植えや寄せ植えの背面には草丈の低いタイプを植えるのがおすすめです。日当たりのよい場所で育て、株同士の間隔が20~25cmくらい空けるようにして植え付けるとよいですよ。
アゲラタム(カッコウアザミ)の土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけのよい土であれば、特に性質は選びません。鉢植えやプランターなら市販の草花用培養土がそのまま利用できて簡単です。自分で配合するときは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3か、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜた土がおすすめです。それでも水はけが悪い場合は、川砂を少し加えてみてください。
地植えは、植え場所の土を耕し、2~3割ほど腐葉土を混ぜ込んで1〜2週間ほど寝かせておくとつちがふかふかになって水はけがよくなります。
水やり
地植えは、乾燥した日が続かない限り水やりの必要はありせん。鉢植えは、土の表面が乾いたら水を与えるようにします。乾燥気味で育てた方が丈夫に育ちますよ。
肥料の与え方
植え付けるときにゆっくりと効く緩行性化成肥料を土に混ぜ込んでおきます。その後は、花が咲いたら、液肥を1~2週間に1回施すか、固形肥料を1ヶ月に1回株元に置くとよいですよ。窒素分が多いと花付きが悪くなるので注意してください。
アゲラタム(カッコウアザミ)の増やし方!挿し木の時期と方法は?
アゲラタムは種まきと挿し木で数を増やすことができます。ただ、親株と同じような花が咲くとは限らないことから、種まきはあまり一般的ではありません。
挿し木は、気温が15度以上あれば時期を選ばずにできます。芽の先端を10cmほど切り土地、土や水に挿しておけば、根が生えてきます。特に冬越しさせたいときは、秋に向けて苗を育てておくと安心です。
アゲラタム(カッコウアザミ)の冬越しの方法は?
アゲラタムは本来多年草なので、気温の管理に気を配っていれば、冬を越すこともできます。鉢やプランターは室内に取り込み、日当たりのよい場所で夜も冷えないように株元をワラなどで覆ってマルチングするとよいですよ。
アゲラタム(カッコウアザミ)の育て方で注意する病害虫は?
丈夫で、病気や害虫に強いところも、アゲラタムがガーデニングによく利用される理由です。ただ、乾燥するとハダニが発生することがあります。葉っぱの表裏に水を吹きかける葉水で予防できます。
アゲラタム(カッコウアザミ)は用途によって品種を選ぶ
アゲラタムには、大きく分けて3種の園芸品種があります。背の高い「高性種」背の低い「矮性種」中間の「中高性種」です。高性種は切り花向き、矮性種は花壇や鉢植え、ハンギング向き、中高性種は切り花や花壇栽培に向いています。それぞれの草丈を活かしながら、ふわふわのかわいらしい花を長く楽しんでくださいね。
更新日: 2021年08月11日
初回公開日: 2016年05月18日