クルミを食べると、油とともに香ばしい香りが口の中いっぱいに広がります。この特徴を生かして、クッキーやパウンドケーキに加えられることが多いですよね。また、ローストしたものは塩をまぶしておつまみにしたり、サラダのアクセントにしたりと幅広い使い方があります。今回は、そんなクルミとはどんな樹木なのかや、花言葉、木の育て方などをご紹介します。
クルミ(胡桃)の花言葉とは?
『知性』
クルミは、古くから人々に食べられていたナッツの1つです。近年の研究によって、脳を活性化させ、認知症の予防に効果があるということがわかり、「ブレインフード」と呼ばれています。この効能から、「知性」という花言葉が付いたと考えられています。
クルミ(胡桃)の学名・原産国・英語
- 学名
- Juglans
- 科・属名
- クルミ科・クルミ属
- 英名
- Black walnuts
Walnuts
- 原産地
- ヨーロッパからアジア西部
- 開花期
- 5月
- 収穫時期
- 9~10月
- 別名
- ー
クルミ(胡桃)とは?どんな樹木?
クルミとは、クルミ科・クルミ属に分類される落葉性の高木です。ヨーロッパ南西部からアジア西部が原産とされ、今では北半球の温帯地域に広く分布しています。縄文時代の遺跡からもクルミが出土したことから、紀元前7,000年頃にはすでに食用されていたと考えられています。
樹高は5~20mと大きく生長します。葉っぱは先端が尖った楕円形をしており、鮮やかな緑色が爽やかな印象を持ちます。雌雄同株で、5月頃から雄花と雌花を咲かせ、結実すると3cmほどの仮果を付けます。その中にできた種子が、日頃ナッツとして食べられるクルミです。実はとても硬く、ハンマーを使わないと割れないものもあります。
クルミ(胡桃)の実の栄養や効果・効能は?
クルミはナッツの一種で、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB6、葉酸、マグネシウム、銅、亜鉛などビタミンやミネラルをバランスよく含んでいます。特に、オメガ3脂肪酸がナッツの中でも多く含みます。オメガ3脂肪酸は、必須脂肪酸の1つで、動脈硬化の予防、コレステロールや中性脂肪の値を下げる、生活習慣病の予防に効果があるとして、近年注目を集めています。
クルミ(胡桃)の種類や品種は?
クルミは、世界中に約20種が自生しているとされています。その中で、日本にはオニグルミやヒメグルミといった品種が自生しています。商業的に栽培されているのは、中国や韓国からやってきカシクルミを元に作られたシナノグルミが主流です。食用にされるものとそうでないものがあるので、自宅で育てるときは目的に合せて種類や品種を選ぶようにしてくださいね。
クルミ(胡桃)の木の育て方!ポイントは?
雄花と雌花が付くタイミングに合せて複数の品種を植え付けます。クルミは1本の木に雄花と雌花を咲かせる雌雄同株です。ただ、雄花と雌花の咲くタイミングが違い、実を付けにくい性質があります。
そのため、開花時期の違う品種をいくつか植えて、実付きをよくしていきます。また、クルミの葉っぱには他の植物の生長を抑制する働きがあるので、枯れ落ちた葉っぱは取り除くようにしてください。
クルミ(胡桃)の苗木の植え付け時期と方法は?
12~2月に苗木を鉢か地面に植え付けます。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に植え付け、2~3年に1回植え替えをしながら育てていきます。地植えは、日当たりのよい場所を選んで植え付けます。複数株植えるときは、株同士の間隔を3~4m空けるとよいですよ。
クルミ(胡桃)の土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけと水もちのバランスがよい土であれば、土質は特に選びません。鉢植えは、赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合でまぜた土か、市販の果樹用培養土を使います。地植えは、植え穴を掘った土にたっぷりと腐葉土を混ぜ込んでから埋め戻します。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。地植えは、植え付けから2年の間は乾燥したら水やりをします。その後は、特に水やりの必要はありません。
肥料の与え方
地植えは2月と10月、鉢植えは加えて7月にも肥料を与えると生育がよくなります。有機質肥料か速効性肥料が適しています。ただ、実付きをよくする必要がなければ、肥料を与えなくてもよく育ちます。
クルミ(胡桃)の剪定の時期と方法は?
1~2月が剪定に適した季節です。5年ほどかけて樹形を作っていけば、その後は枝を間引くくらいの軽い剪定だけで形を維持できます。
植え付け直後
高さ40~50cmのところで切り戻します。鉢植えなら、鉢の高さの3倍くらいで切り落とすとよいですよ。
植え付け後1年目の1~2月
左右バランスよく2~3本ほどメインの枝を残して、他の枝を切り落とします。残した枝は半分くらいの長さに切り詰めてください。
植え付け後5年目までの1~2月
残した枝に新しく生えた枝は全て切り落とし、残した枝自体も1/3~1/2の長さに切り詰めてください。
植え付けから5年目以降
混み合っている枝や伸びすぎた枝を切りそろえて樹形を維持していきます。
クルミ(胡桃)の収穫の時期と方法は?
9月下旬~10月上旬に、実が熟して割れていきます。割れた中にクルミの殻が見えたら、収穫の適期です。自然に落ちた実を収穫するか、木を揺すって落ちてくるものを採取していください。生のクルミの果実は直接触ると肌がかぶれることがあるので、ゴム手袋をつけておくと安心です。
クルミの栽培で注意する病気や害虫は?
コウモリガの幼虫が幹の中に入って、食害するときがあります。放っておくと株が弱って枯れてしまうので、穴を見つけたら針金等で引きずり出して駆除します。
クルミ(胡桃)の栽培方法はむずかしくない
クルミは大きく育つ樹木ですが、手間はそれほどかからず栽培の難易度は高くありません。幼い木であれば、鉢植えで手軽に育てて楽しむこともできますよ。実を付けるには複数の品種を同時に育てていきますが、実のなる過程を見られるのもクルミの栽培の醍醐味かもしれませんね。
更新日: 2022年08月31日
初回公開日: 2016年06月22日