強力な粘りと、シャキシャキとした食感がおいしい山芋。すりつぶしたてご飯にかけたり、お好み焼きのつなぎにしたりと、料理をおいしくしてくれる存在です。同じように粘りのある芋に、長芋や自然薯などがありますが、それぞれの違いを知っていますか?今回は、栄養やそれぞれの特徴をご紹介しながら、山芋と長芋、自然薯の違いを詳しく解説していきます。
山芋と長芋、自然薯の違いは?それぞれの特徴は?
山芋とは?自然薯のこと?
山芋の正式名書は「ヤマノイモ」となっており、ヤマノイモ科・ヤマノイモ属に分類されるつる性植物の総称です。中でも、日本原産の品種を指し、別名が「自然薯」となっています。つまり、山芋と自然薯は同じもののこと。独特の甘みがおいしく、粘り気が強いことが特徴です。地域によって「大和芋」「伊勢芋」とも呼ばれます。
長芋とは?
長芋とは、ヤマノイモ科・ヤマノイモ属の1種です。ときに「山芋」にまとめられることもありますが、一般には中国から伝わってきたものを指します。中世以降に日本に渡ってきたとされ、筒状の細長い見た目をしています。また、山芋に比べて水分量が多く、粘り気も弱いことから、酢の物やサラダに利用するとよいですよ
山芋と長芋、自然薯の栄養の違いは?
山芋(自然薯)と長芋は、同じヤマノイモ科・ヤマノイモ属の野菜です。そのため、含まれている栄養素に差はほとんどありません。
山芋類には、たくさんの消化酵素が含まれています。この消化酵素には、タンパク質の代謝を助ける働きがあり、栄養の吸収率が上がります。また、抗ウィルス作用で、細胞の活性化や老化防止といった効果も期待できますよ。ただし、加熱してしまうとネバネバと一緒に栄養素も失われてしまうので、生のまま食べるのがおすすめです。
山芋と長芋で調理方法は違う?
長芋は、山芋に比べると水分量が多いので、すりおろしても、粘りがそれほどでません。そのため、長芋はそのシャキシャキとして食感を生かして、短冊切りにしたものに醤油をかけて食べたり、サラダに加えたりするのがおすすめです。すりおろして食べるときは、長芋よりも山芋を利用した方が強い粘りがでますよ。山芋は、揚げものやソテーなどにして食べると、本来の甘みが引き立ちます。
山芋や長芋を調理するときの注意点は?
長芋や山芋に触ると、IgE抗体が引き起こすアレルギーや、シュウ酸カルシウムによって肌の痒みが引き起こされます。シュウ酸カルシウムは酸に弱い特徴があるので、調理するとき手を酢水で濡らしてから調理すると、痒みが和らぐ可能性があります。また、この酢水はすりおろした後の変色を防ぐ効果もあります。アレルギーが疑われる人は、素手で長芋や山芋に触らないようにしてください。
山芋と長芋は違う野菜
山芋と長芋は、どちらもとても栄養価が高く、美容や健康によい効果をもたらす野菜です。イモ類の中ではカロリーが低く、ダイエットのときの強い味方になってくれますよ。ただ、アレルギーや肌が痒くなる成分を含んでいるので、調理のときはちょっとした工夫が必要になってきます。自分なりにできる工夫を凝らしながら、おいしく山芋や長芋を食べてみてくださいね。
更新日: 2018年10月17日
初回公開日: 2016年06月26日