ソバの実を製粉して作った麺は、年末の年越しソバなど日本食の定番として、一度は食べたことがあるのではないでしょうか。ただ、食品としてはイメージできても、植物としてのソバはなかなかイメージがつきませんよね。今回は、そんなソバについて、種類や花、実の特徴などをご紹介していきます。
ソバ(蕎麦)の花言葉は?
『懐かしい想い出』『喜びも悲しみも』『あなたを救う』『幸福』
残念ながらソバの花言葉の意味や由来は定かではありません。ただ、江戸時代より、その年の思い出を振り返りながら大晦日にソバを食べる習慣がありました。また、細工師が散らばった金粉を集めるのに、ソバ粉を丸めたものを使ったことから、金運がよくなるなどの願掛けが行われたことが、「幸福」という花言葉につながっているのかもしれませんね。
ソバ(蕎麦)の学名・原産国・英語
- 学名
- Fagopyrum esculentum
- 科・属名
- タデ科・ソバ属
- 英名
- Buckwheat
Common buckwheat
Sweet buckwheat
- 原産地
- 中国南部
- 開花期
- 4~5月/9~10月
- 収穫期
- 7月/10月
- 別名
- 和蕎麦(ワソバ)
甘蕎麦(アマソバ)
ファゴフィーラム
ソバ(蕎麦)とは?花や葉っぱの特徴は?
ソバとは、タデ科・ソバ属に分類される一年草です。擬穀類と呼ばれており、日本では種を製粉してソバ粉として利用します。1990年代より、植物学者によって中国の雲南省で野生祖先種が発見され、その後もチベットや四川省など各地で発見されたことで、中国の西南部という比較的狭い地域が原産地だということがわかりました。日本へは縄文時代に渡来したとされ、江戸時代中期に麺状の「蕎麦」が作られるようになったとされます。
草丈は60~130cmほどに生長し、茎先に直径6mmほどで臭みのある、白やピンクの小さな花をたくさん付けます。花びらに見えるのは葉っぱが変化した萼で、5枚ほどあります。直立した茎は上の方で枝分かれし、茎に毛は生えません。葉はハート型、または三角形をしており、互い違いに生えます。
ソバの名前の由来
ソバは、漢字で「蕎麦」と書きますが、これは「ソバムギ」の略称です。ソバの種は、角ばった三角形の形をしており、特徴である「角」という言葉は、古来「稜(ソバ)」と呼ばれていました。そのため、「稜」と「麦」を合わせ、「稜麦(ソバムギ)」と呼ばれたのが語源です。
ソバ(蕎麦)の効果・効能は?
体を丈夫にする
ソバの全草には、ルチンが豊富に含まれています。ルチンには、毛細血管を丈夫にし、動脈硬化の予防や血圧を下げる効果が期待できます。また、ポリフェノールの1種なので、強い抗酸化作用もあります。
疲労を回復する
ソバには、ビタミンB1とビタミンB2、タンパク質がたっぷりと含まれています。タンパク質は、の組織の回復や成長を促し、疲労や体力を回復させてくれる物質で、体の健康を維持するとき大切になってきます。これにくわえてビタミンB1は、糖分やデンプンなどの糖質をエネルギー変え、体力の向上を図るので疲労回復効果が期待できます。また、脳や神経の機能を維持し、イライラなどの精神安定や食欲不振の解消にも効果があります。さらに、ビタミンB2はタンパク質、脂質、糖質などの代謝に関する酵素を助けます。栄養素の代謝を助けるので、成長や発育を促進し、皮膚や粘膜を保護して健康を促すほか、髪や爪、肌の抵抗力を高めてくれます
ソバ(蕎麦)の種類や品種は?
ソバは、他花受精の植物のため他の品種と混ざりやすく、純粋な在来品種が減りつつあります。日本では、ソバの改良品種として、約30種が登録されており、各地の特色ある品種や地区の名前を頭に付けて呼んでいます。以下に、よく知られる種類をいくつかご紹介します。
九州秋ソバ
古くから鹿児島県や宮城県で栽培されている品種です。9月以降の初秋まきなら花が開くまでの期間が短く、たくさんの収穫が望めます。実は小粒で、褐色を帯びています。
信濃一号
長野県の農業試験所桔梗ヶ原分場にて、1944年に福島在来系統から作り出された品種です。品質的に高く評価されており、実は濃褐色をしています。播種期の幅が最も広いので、関東北部~中国地方にかけての広い範囲で栽培されています。
信州大ソバ
信州大学農学部により、信濃一号から育成された品種です。実は、黒褐色をしていて大粒。本州中部を中心とした準高冷地で栽培されています。
ソバ(蕎麦)は実を製粉して楽しむ食材
古くから日本で親しまれてきたソバ。年越しソバや引っ越しソバ、わんこソバなど色々な食べ方で楽しまれている馴染み深い食材です。ふだん何気なく食べているソバも、その植物の成り方や草姿、どんな効果や効能があるかなど知ると、一味違った楽しみ方ができそうだすね。
更新日: 2016年07月03日
初回公開日: 2016年07月03日