銀色がかった葉っぱがお部屋をさわやかな印象に変えてくれるオリーブ。どんな鉢に植えても個性が際立つので、ほかのインテリアと雰囲気をあわせやすいですよね。そんなオリーブの木を「いろいろなところに飾ってもっと楽しみたい!」と思ったら、今育てている木から増やしてみるのはいかがでしょうか。
今回は、「挿し木(さしき)」をメインに、オリーブの木の増やし方をご紹介します。
オリーブの木は増やせるの?挿し木ってなに?
オリーブの木は種や枝を使って数を増やせます。自然に生えている木は実の中にある種で数が増えていきますが、芽吹いて大きくなるまでには数年から数十年と長い月日がかかります。そのため、家庭で増やすときには枝を使うのがおすすめです。
切り取った枝を土に挿し、根を出させて新しい苗として育てる方法が「挿し木」です。数cmの長さに枝を切って土に挿すだけという手軽さとすぐに大きくなることから、初めてオリーブの木を増やすのにおすすめの方法です。
枝を何本も用意すれば、たくさんの苗を作り出せますよ。
オリーブの木を挿し木するときに準備するものは?
- 鉢に植えられたオリーブの木
- ビニール製の小さな鉢かプランター
- 挿し木用の土
- コップなどの容器
- 割りばし
- 発根促進剤(メネデールなど)
準備するグッズの中で、聞きなれないのは「発根促進剤(はっこんそくしんざい)」ではないでしょうか?
発根促進剤とは、水や栄養を吸収する力を高めて光合成を活発にする効果のある薬です。枝の切り口へ塗ると、根が生えやすくなります。
土は「挿し木用の土」を使うのもポイント。この土には、市販の培養土に含まれる肥料成分が含まれていません。肥料をまぜてしまうと、切り口を腐らせるので注意してくださいね。
オリーブの木の挿し木の時期と方法は?
オリーブの木の挿し木には、5〜7月の初夏に生長のとまった枝を使って行う「緑枝挿し(りょくしざし)」と、2月頃に太い枝を使って行う「休眠枝挿し(きゅうみんしざし)」の2つがあります。
緑枝挿しは「新しい芽のついたその年に生えた枝」、休眠枝挿しは「太く成熟した古い枝」を使うという違いはありますが、手順に違いはないので時期に合わせて使う枝を切って準備してください。
■ 手順
- コップなどの容器に水をためておく
- オリーブの木から10〜15cmの長さの枝を切る
- 清潔なナイフを使って、切り口を斜めにカットする
- 数時間、水をはったコップの中に枝をつける
- ビニール製の鉢に挿し木用の土を入れる
- 鉢の土を湿らせる
- 枝をコップから取り出して水気をとり、切り口に発根促進剤を塗る
- 割りばしで土に穴をあけ、そこに枝を挿す
- ライトの下や直射日光の当たらない窓辺など明るい日陰に鉢を置く
- 土が乾かないよう水やりをして育てる
挿し木で育てたオリーブの木の苗はどう育てるの?
挿し木をして数ヶ月たつと、枝から新しい芽が生えます。さらに葉が数枚ほど生えたら立派な苗木です。新しい鉢へ植え替え、育てていきましょう。
ここでは、新しく育った苗を鉢へ植え替えるために必要なグッズと手順をご紹介します。
■ 必要なグッズ
- 一回り大きな新しい鉢
- オリーブ専用か観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
■ 植え替える方法
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネットをかぶせる
- 鉢底石を底に敷き詰め、土を鉢の1/3ほど入れる
- ビニール製の鉢からオリーブの木の苗を抜き出す
- 手で根についた土をほぐして落とす
- 新しい鉢の中心に苗を置き、周りに土を入れる
- 土を鉢の縁から下4cmのところまで入れたら、たっぷりと水を与える
- 日光の当たる量が徐々に増えるよう、1週間ごとに場所を移動させる
- 普段通りオリーブの木を育てる
オリーブの木に他の増やし方はある?「取り木」とは?
オリーブの木は、挿し木以外に「取り木(とりき)」で数を増やせます。取り木とは、枝の途中で発根させて新しい苗を作る方法です。
挿し木のようにいっぺんに数を増やせませんが、失敗が少なくスペースをとらないメリットがあります。
成功させるポイントは「根が元気なときに行うこと」で、オリーブの木がよく生長する4〜10月がおすすめですよ。
取り木に必要なグッズ
- 清潔なナイフ
- ビニールテープ
- ラップ
- ミズゴケ
取り木の方法
- ミズゴケを水でふやかす
- 増やしたい枝を決める
- 枝の表皮を2〜3cm幅でぐるりとそぐ
※上記イラスト参照 - そいだ切り口へ湿らせたミズゴケをたっぷりとまく
- まいたミズゴケの上からラップをかけ、ビニールテープで固定する
- 水が漏れないよう下の方もしっかり密閉する
- 上の部分は水が注げるよう少し空間を空ける
- ミズゴケが乾かないように上から水を注いで管理する
- 数ヶ月後、切り口から十分に根が生えたらラップとミズゴケを取りはずす
- 根が生えているところよりも下で枝を切り、鉢へ植え替える
オリーブの木をたくさん飾るなら挿し木にチャレンジ
1つあるだけでお部屋をさわやかな印象に変えてくれるオリーブの木。銀色がかった葉っぱに光が反射して、あたりが明るくなりますよね。
リビングや玄関、キッチンなどいろいろなところに飾るなら、挿し木で数を増やしてみませんか?新しく苗を買うよりも手間はかかりますが、そのぶん愛着も沸いてもっとオリーブの木が好きになるかもしれませんよ。
更新日: 2021年09月29日
初回公開日: 2017年01月24日