オリーブの木は、たんに観賞用としても見栄えがよいだけでなく、収穫した実を塩漬けにしたり、オリーブオイルを作ったりと、様々な用途で楽しめる植物です。縁起のよい花言葉をもっているため、何かの記念日と重ねてシンボルツリーとして植える人もいるほどです。
今回は、そんなオリーブの花言葉や種類・品種、開花時期や見頃の季節などをご紹介します。
オリーブの花言葉!意味や由来は?
『平和』『安らぎ』『知恵』『勝利』
■ 「平和」の由来
「平和」は、旧約聖書の創世記に記された「ノアの方舟」の物語に由来します。人間を滅ぼすために神々が起こした大洪水から逃れるために、ノアの家族とつがいの動物たちは方舟に乗って40日間を過ごします。その後、地上に放った鳩がオリーブを持ち帰ったことで、洪水が収まったことを知ったとされます。
このエピソードからオリーブは平和の象徴とされ、ギリシャやイスラエル、ポルトガルなどの国々、さらに国連の国花に選ばれています。
■ 「知恵」「勝利」の由来
「知恵」「勝利」は、ギリシア神話のエピソードに由来します。エーゲ海を臨む町の覇権を女神アテネと海神ポセイドンは争っていました。そこで主神である全知全能の神ゼウスは、「最も人々の役に立つ贈りものをした方に覇権を渡す」と二人に言い渡します。ポセイドンは戦の際に役立ち、勝利をもたらすとして人々に馬を与えたのに対して、アテネは食用や薬効のある実が採れるオリーブの木を植えました。人々はアテネに賛同したといいます。
また、古代オリンピックでは、オリーブで作られた冠が勝者に贈られていました。これらに話にもとづいて、オリーブは知恵や勝利の象徴とされ、花言葉が生まれました。
オリーブとは?
オリーブとは、地中海沿岸が原産の高木です。世界にはたくさんの種類があり、1年中緑の葉っぱをつける姿が美しいことから、庭のシンボルツリーや鉢植えの観葉植物として親しまれています。
オリーブはどんな特徴の花や葉をつける植物?
花や葉、実の特徴は?
オリーブは、先端が尖った硬い葉っぱをつけます。葉の表は光沢のある濃緑色で、裏は銀白色をしています。
秋には球形や卵形など品種によって形の違う実をつけます。オリーブの実は、濃緑色から黄緑色へ、さらに黒っぽい紫色へと変化していきます。熟した実は塩漬けや食用のオリーブの実、実をつぶして絞ってオリーブオイルとして利用されています。
オリーブの学名・原産国・英語名は?
- 学名
- Olea europaea
- 科・属名
- モクセイ科・オリーブ属
- 英名
- Olive
- 原産地
- 北アフリカ、地中海沿岸、中近東
- 開花期
- 5~6月
- 花の色
- 白
- 別名
- オリバ
オレイフ
オリーブの種類や品種は?
マンザニロ
スペイン原産。粒が大きく果肉の質が高いので、ピクルス用に向いている。隔年結果が少ない。受粉樹に適している。
ネバディロ・ブランコ
スペイン原産。花粉が多いので、受粉樹に向く。1本では実をつけにくい。オリーブオイル用に適している。
ミッション
イタリア系品種でアメリカ原産。自家結実性がややある。実が緑から赤・紫・黒色に変化する。9月 下旬〜10月に収穫したものはピクルスなどの加工用に、11月〜12月に収穫したものはオイル用に向く。
レッチーノ
イタリアのトスカーナ地方が原産。ピクルスにもオイルにも向くが、実はやや小粒。
ルッカ
イタリア原産。自家結実性はあるが受粉樹があったほうがよい。主にオイルに使うが、小さい実がよくつく。
フラントイオ
実つきがよく、風味が豊か。イタリアをはじめ、アメリカ、オーストラリアなど世界各地で栽培されていて、適応性が高い。別名「パラゴン」。
ピクアール
含油率が21〜〜25%もあり、オイル用品種では最も多く栽培されている品種。自家結実性が高く、1本だけでも身をつけやす
オリーブの開花時期や見頃の季節は?
オリーブは5~6月が開花時期です。薄黄色を帯びた、米粒ほどの白い花がまとまって咲きます。開花期間が短く、あっという間に満開になって一気に散る姿が楽しめますよ。
アフリカ地域のように乾燥している環境に強く、現在では、スペインやフランスなど地中海沿岸地域での栽培が盛んです。日本での栽培量は香川県がトップです。
オリーブは勇敢な人にピッタリな花言葉をもつ観葉植物
Photo by まりふじさん@GreenSnap
オリーブの木は、南欧を思わせる樹形と葉形の美しさから、人気の高い観葉植物の1つです。陶器でできたテラコッタ鉢で飾れば、おしゃれなインテリアに早変わり。
また、「知恵」や「勝利」など、勇敢に進む方にぴったりな花言葉をもつこともポイント。プレゼントに迷っている方は、オリーブの木を贈ってみてはいかがでしょうか?
更新日: 2022年01月26日
初回公開日: 2015年07月14日