風に乗ってフワフワと空に舞い上がるたんぽぽの綿毛。小さな頃に、息を吹きかけてみたことのある方も多いのではないでしょうか?実は、ヨーロッパでは恋占いに使われることから、すてきな花言葉がついているんですよ。今回は、たんぽぽの綿毛とは何か、綿毛ができる時期などについてご紹介します。
たんぽぽの綿毛とは?
たんぽぽの綿毛はとても不思議な存在ですが、これは種を遠くに飛ばすためにできたものです。
たんぽぽの花全体を「頭花」と呼び、そのなかの花びら一枚一枚を「舌弁花」といいます。この小さな花を舌弁花の下には実になる子房があり、その上に毛状の突起の「冠毛」が生えていて、これが綿毛になります。
子房が熟して種ができると、冠毛が乾燥して放射状に開いて、真っ白な綿毛になります。風に乗って飛ばされやすいように、羽に似た形をしています。
雨が降ると、濡れないように閉じますが、晴れるとまた元のように開き、綿毛となって飛んでいきます。
たんぽぽの綿毛は、花言葉に関係がある?
『愛の信託』『別離』
たんぽぽの花言葉は、『愛の信託』『別離』といった、恋愛にかかわるものばかりです。ヨーロッパでは古くからたんぽぽの綿毛が恋占いに使われてきたことに由来するといわれています。
また、たんぽぽの綿毛は息を吹きかけると遠くへ飛んでいってしまうことから『別離』などの花言葉も生まれたといわれます。
たんぽぽの綿毛ができる時期や季節は?
春頃に咲いたタンポポの花がしぼむと、綿毛ができます。花が咲いて種が作られるのと並行して、綿毛も徐々にできあがります。綿毛になったあとは時期がくると風で飛ばされるようになります。勢いよく遠くへと飛ばされて、広範囲へ定着します。
たんぽぽの綿毛の育ち方は?
タンポポの種ができるまで
種ができる過程は、在来種のニホンタンポポと外来種で異なります。ニホンタンポポは虫に受粉を助てもらって種を作りますが、外来種は受粉を必要とせず、ひとつのたんぽぽ内だけで種を作ることができます。受粉の過程がなく、すぐに繁殖できるため、セイヨウタンポポなどの外来種が増えているといえます。
植え付けから育つまで
綿毛が地面に着地したあとは発芽して根を伸ばします。地面に垂直に生える直根性で、地中の深くまで伸びます。地上部は草丈20~50cmほどに生長します。生命力は強くて、地上部は踏まれるとしおれてしまいますが、根が生きていれば再び花芽をつけて新しい花を咲かせます。
自分で種からたんぽぽを育てるときは、綿毛から種を採取すれば簡単にできます。深さのあるプランターや鉢にまいて、日当たりのよい場所で水やりをして管理していれば自然に発芽します。
たんぽぽの綿毛でアレンジ!ハーバリウムの作り方
たんぽぽの綿毛はドライフラワーとして飾ったり、ハーバリウムを作って飾ったりと、様々なアレンジができます。作り方が難しいと思われがちのハーバリウムですが、実は作り方はとても簡単です。
まず、綿毛の咲く季節になったら、それを摘み取り乾燥させます。次に、綿毛のドライフラワーが出来上がったら、好きな瓶に詰め、ハーバリウム専用オイルを流し込みます。これで完成です。瓶にリボンを巻いて、可愛くアレンジしてプレゼントするのもおすすめですよ。
たんぽぽの綿毛を探しに出かけよう
たんぽぽの綿毛がふわふわと飛ぶ様子は、とても幻想的でかわいらしいですよね。春の終わり頃にフワフワと風に乗って漂う姿を見ていると、やさしい気持ちにさせてくれます。
さらに綿毛の仕組みを知ると、どうやって日本中に広がったのかを想像することもできますね。野に咲く綿毛を見かけたときはじっくり観察してみてくださいね。今までは気が付かなかった新しい発見があるかもしれませんよ。
更新日: 2023年03月29日
初回公開日: 2016年01月15日