ブーゲンビリアのビビッドな色合いの花は、夏の暑さを吹き飛ばしてくれそうな鮮やかさ。ただ、育てるときにはいくつかのポイントを抑えておく必要があります。今回はそんなブーゲンビリアの育て方について、剪定や挿し木、花が咲かない理由などをご紹介します。
ブーゲンビリアの栽培スケジュール!土作りはどのタイミングで行う?
- 4〜6月頃に土作りをする
- 5〜7月に苗を植える
- 6〜8月に剪定をする
- 気温が低くなってきたら寒さ対策をする
- 鉢植えは2〜3年に1回、4〜6月に植え替える
ブーゲンビリアのほとんどの品種は鉢植え向きなので、はじめて育てる方はまず鉢に植えていきましょう。
赤玉土4:腐葉土3:軽石2:鹿沼土1の割合で混ぜあわせた土に化成肥料を加え、苗植えの2週間前から寝かせてください。
ブーゲンビリアの苗植え!鉢植えや地植えの時期と方法は?
ブーゲンビリアは苗から育てるのが一般的です。種が市販されていないことや、種から苗になるまで数年かかることが理由です。
地植えでも育てることはできますが、冬越しをしたいなら鉢植えにするのがおすすめ。5号(直径15cmくらい)の植木鉢に1株が目安です。
- 5~7月頃、深さのある鉢の底に軽石と土を入れる
- 根を傷つけないように苗を取り出す
- 苗を鉢の中心に置いて周りに土を入れる
- 最初の1年間は、暖かく、日当たりと風通しのよい屋外で育てる
※地植えも5~7月頃、同じ手順で植えていきます。高い畝を作って、根を傷つけないようにしてください。
ブーゲンビリアの手入れ!水やり、肥料の与え方は?
水やり
ブーゲンビリアの水やりは重要です。神経質になる必要がない品種もありますが、ブーゲンビリアは基本的に水を与えるほど枝葉がどんどん生えて、花の芽の生育が鈍くなるという性質があります。
4~10月の花芽をつけはじめた頃から乾燥気味に管理してください。真夏の生育期には葉がしおれてきたらたっぷり水を与えるくらい待っても大丈夫です。
なぜなら花が咲いている時期に水を与えすぎると、花数が減るだけでなく、生長しきれなかった花の芽がトゲになって枝に残ってしまうからです。
11~3月にかけては水やりを控えて耐寒性を強くします。1週間に1回程度で十分です。また、根が凍るのを防ぐために夜や早朝ではなく晴れた日の午前に水やりしましょう。
肥料
ブーゲンビリアは長期にわたって生長と開花を繰り返すため、即効性の液体肥料より緩効性の化成肥料の方が適しています。
特に鉢植えにすると葉色が冴えなくなりやすいので、5~9月までは花の終わった後、剪定後、芽吹き後にそれぞれ化成肥料を施しておきましょう。
開花直前に肥料を与えると花付きが悪くなり、窒素成分が多い肥料は新芽の生育ばかり活発になってしまうので、肥料の時期と成分には注意してください。
ブーゲンビリアの剪定時期と方法は?
ブーゲンビリアは、伸びすぎた枝があればその都度枝先を切り戻してかまいません。本格的な剪定は6月中旬~8月の花が一段落したタイミングで行います。
ポイントは、葉を茂らせすぎず幹に日光が当たるようにすることです。
トゲだらけになってしまった枝や、花付きのまばらな枝を全て切り落とし、新芽を伸ばしながら樹形を整えていくようにしましょう。
ブーゲンビリアはつるバラのように木のてっぺんに花をつける習性があります。そのため、横に誘引すると先端だけでなく枝の所々から花芽を出すようになりますよ。
夏に剪定を行なっておくことで、冬に向けて耐寒性を高める効果があり、病気や害虫に強い丈夫な木へと生長してくれます。
ブーゲンビリアの育て方!冬越しはどうする?
ブーゲンビリアは寒さに弱く、10度以下の環境では枯れてしまいます。冬の時期、鉢植えなら室内の温かい場所に移動させて10度以上の室温を保ってあげてください。
地植えは、防寒しなければ枯れてしまうので、ビニールやバークチップを株元に敷いてマルチングしてあげましょう。
苗を植えるとき、庭土に保温性のあるパーライトを混ぜておくのもよいですよ。
また、根が横に張らない習性を利用して、根元にアリッサムや這性ベロニカなどの寒さと乾燥に強い多年草をグランドカバーとして植えてしまうのも1つの方法です。
ブーゲンビリアの栽培で注意する病気や害虫は?
ブーゲンビリアの栽培で注意したい病害虫はほとんどありません。ただ、夏に風通しの悪い場所に置くとアブラムシの被害にあうことがあります。
アブラムシに寄生されると、栄養を吸汁して株を弱らせるだけでなく、すす病を誘発する恐れがあるので、見つけ次第枝に水をかけて洗い流したり、殺虫剤を散布したりして対処してください。
また、反射光を嫌う性質があるので、株元にアルミ箔を敷いておくと予防になります。
ブーゲンビリアの増やし方!挿し木や種まきの時期と方法は?
挿し木
ブーゲンビリアを増やすなら、切り取った枝を活用する挿し木が簡単な方法です。6~7月頃、硬く傷のない枝を選んで育てていきましょう。剪定で切り落とした枝を活用すると効率的に数を増やせますよ。
- ナイフなどで長さ10cmで、切り口が斜めになるよう調節する
- 発根率を上げるために葉を4〜5枚まで減らす
- 残った葉は1/3ほど切り落とす
- 30~60分くらい水に切り口を浸けておく
- 水からあげたら切り口にメネデールなどの発根促進剤を塗る
- 湿らせたパーライトや川砂を小鉢に敷く
- 枝を挿し、2/3が埋まるくらいまで土をよせる
- 土が乾燥しきらないよう水やりを続ける
- 半日陰で管理して1〜2ヶ月後に植え替える
種まき
ブーゲンビリアは種まきでも数が増やせます。1ヶ月程度で発芽するので、苗が大きくなるまでじっくり育てたい方におすすめです。
- 花が咲いた後、サヤが十分に熟したら種を取り出す
- 封筒に入れて、さらにビニール袋にいて春まで冷暗所で保存する
- 気温が20度前後に安定した5~7月に、種まき用の土を入れたポットに種をおく
- 軽く土を被せて水を与える
- 土が乾燥しないように日陰で水やりをして管理する
- 苗が育ったら庭や鉢に植え替える
ブーゲンビリアの育て方!植え替えの時期と方法は?
ブーゲンビリアを鉢で育てているなら、2~3年に1回4月中旬から6月頃に植え替えを行います。
根が太くまっすぐ下に伸びる性質があるので、放っておくと鉢が割れたり、根が傷んで枯れてしまいます。
木の体力を消耗しないように、つぼみの作られる時期と開花期を避けて、一回り大きい鉢または同じ大きさの鉢を用意してください。
ブーゲンビリアの植え替えは、株を大きくするというよりも、土を一新してリフレッシュさせることが主な目的です。
- 新しい鉢の底に軽石と土を入れる
- 鉢から土ごと引き抜く
- 古い土などを軽く落とす
- ひどく傷んで黒ずんだ根や伸びすぎた根は切り取る
- 苗を植えて水を与える
- 植え替えが済んだら元の場所に戻して管理する
ブーゲンビリアの花が咲かない理由は?
ブーゲンビリアの花が咲かない原因は、3つあります。
1つ目は日当たりがよすぎるか悪すぎること。できるだけ午前中に日があたり、午後は直射日光の当たらない場所で、夜は街灯などの光を浴びない場所に植えましょう。
2つ目の原因は、水や肥料を与えすぎていることです。ブーゲンビリア乾燥気味で肥料は少なめくらいがちょうどよく生長します。
3つ目は、生育環境が良すぎることです。しっかり土作りをした地植えなどは、どんどん枝が伸びて大きくなります。
これはよいことなのですが、花を早く見たい方はスコップで生長しすぎた根を切ってあげると枝葉と根のバランスがよくなり、花が咲きやすくなりますよ。
ブーゲンビリアの育て方のポイントは2つ!
暖かい気候で育てる
ビニールハウスなど温暖な気候を維持できる環境であれば、ブーゲンビリアは1年中花を咲かせます。逆にいえば、冬など寒い時期は苦手です。
鉢植えなら室内に移動させる、地植えならマルチングをするなどして寒さ対策をすると枯れさせずにすみますよ。
しっかりか乾燥させてから、たっぷり水を与える
ブーゲンビリアは乾燥した地域で育つ植物です。乾燥と水やり後の湿り気とのギャップが激しいほど、花を咲かせやすくなるといわれています。
葉っぱが少ししおれるくらいまで乾燥させてから、水を与えるのが花を咲かせるポイントです。
ブーゲンビリアを鉢植えで育ててみよう
ブーゲンビリアは、水やりと冬越しを上手に行えば、育てることはさほどむずかしくありません。
4~5月と9~10月の2度花を楽しむことができるので、ちょっとガーデニングに慣れてきたという方は、ブーゲンビリアの育生にチャレンジしてみてください。
更新日: 2022年08月31日
初回公開日: 2015年07月30日