秋桜(あきざくら)という和名をもつように、昔は秋に咲く花だったコスモス。丈夫で手間のかからないコスモスは、ガーデニング初心者にもおすすめな植物です。今回は、そんなコスモスの育て方について種まきや植え替え、鉢植えの栽培方法などをご紹介します。
コスモスの育て方は地植えがベスト!なるべく植え替えはしない
コスモスの育生場所は地植えやプランター、植木鉢です。根の数が少なく、直根性のため植え替えは向いていません。
また、花芽が育つ前は、夜は光をあてないように注意してください。コスモスは短日植物なので、光があたっていると花を咲かせないことがあります。
地植えは「雨水が当たる日なたで風通しのよい場所」を選びましょう。水やりの手間が省けて初めての方におすすめです。
コスモスの苗植えと種まきの時期と方法は?
苗植え
市販の苗は、4~6月頃に販売がはじまります。根詰まりを起こしやすいので、購入してからできるだけ早く地植えか、新しい鉢に植え直してください。
植えるとき、根の周りの土を崩してしまうと根が傷ついて弱ってしまうので、ポットの土は触らずそのまま植えるのがポイントです。
種まき
コスモスの種まきは、3~7月下旬が適期です。自由に発育させたコスモスは草丈が伸びすぎる反面、茎が強くないので1mを超えると倒れてしまいます。
観賞用に育てたいときは、支柱のいらない草丈20~50cmほどがおすすめです。ただ、高く育てたいときは50cmほどに生長するまでに支柱をたてましょう。
- ポットか耕した土を準備する
- 20cm間隔で3〜4粒を土に直接まく
- 風で種が飛ばないよう薄く土を被せる
早咲き品種 | 種まきから約3ヶ月後に開花するので、開花させたい時期がある場合は逆算して種まきを行います。 |
夏咲き品種 | 7~8月に開花させるために3~4月に種まきを行います。日本では6月下旬が最も日が長いので、6月下旬までは草丈だけが生長し、日照時間が短くなった7~8月に花が咲きます。 |
秋咲き品種 | 10~11月の開花を目指して6~7月に種まきをします。夏咲きと同じで太陽の出ている時間がさらに短くなる10~11月までは草丈だけが生長します。背丈の高いコスモスを育てたい場合は、種まきの時期を早めた分、草丈の生長が短くなります。 |
コスモスの土作り、水やり、肥料の時期と方法は?
土作り
コスモスはどんな土でも育つ植物です。特別必要な作業はありませんが、庭に植えるなら植える1〜2週間前に土を耕します。
堆肥や腐葉土を1〜3割ほどと、苦土石灰を1㎡あたり一握り(100g)ほど混ぜ込んで寝かせておきます。鉢植えなら草花用の培養土で十分です。
水はけが悪いときは、川砂を混ぜて改善しておきましょう。
水やり
コスモスは、あまり水を必要としません。地植えの場合は、雨水が当たる場所であれば水やりは行わなくても大丈夫です。
7~8月で連日真夏日など、極度の乾燥状態になったときは、午前か夕方に水やりをします。
鉢植えは、土の表面が乾いて、乾燥気味になったら水やりを行います。鉢土の表面が乾いたら鉢底から流れるくらい水をあげましょう。
肥料
コスモスは、肥料をあまり必要としません。
やせた土地でもよく育つ生命力が強い花なので、むしろ与え過ぎで腐らせてしまわないよう、最初は少なめにするのがポイント。
苗や種を育てる前に、緩効性の化成肥料と堆肥を土に少量混ぜる程度で十分です。
コスモスの剪定時期や方法は?支柱はいつ立てる?
剪定、摘心
コスモスは、剪定によって背丈を調整できます。本葉6枚を目安に摘心をしてください。背丈の低いコスモスを育てたいときは、摘心後に育ったわき芽も摘み取りましょう。コスモスの花が咲き終わった後は、花柄を摘み取って次の開花へと生長を促します。
支柱
支柱は草丈が50cmほどになったら設置します。強い風が吹く地域は、もっと早い段階で支柱を立ててもかまいません。支柱は、市販で購入できる支柱とリングがセットになっているタイプがおすすめです。
支柱は、コスモスの周りを囲むように立てるか、株の側に立てます。その後、リング(行灯)でコスモス全体を囲むか、行灯を八の字にして手錠のように結びつければ完了です。
コスモスの増やし方!挿し木の時期と方法は?
コスモスは、種まきと挿し木によって増やすことができます。挿し木は、6~7月、9月頃が適期です。3節ほどを切り取り、赤玉土などに挿しこみます。
挿し木の場所も植え替えをしなくて済むような庭か鉢植えがおすすめです。
切り口から発根するまでは、水を吸い上げる力が弱いので、土が乾燥しないように、いつも湿らせておきます。
コスモスの育て方のポイントは?
コスモスは、適量の水と肥料、たくさんの日光を浴びれば立派に育つ植物です。コスモスの原産国メキシコは、乾燥した栄養分が少ない土地で、同じような環境を好みます。
草丈が1~2mほどまで生長するので、高く育てたいときは支柱が必要です。反対に低く育てたいときは、種まきを遅くして短期間で育てるか、摘心をこまめに行ってください。
生長の早いコスモスの育て方を楽しもう
コスモスは、育て方次第で草丈や花姿、花数が変わってくる植物です。また、新しい品種では花の色や形も多種多様で、約3ヶ月で花を咲かせます。好みの品種を探して、自分だけのコスモスを育ててみてはいかがでしょうか。
更新日: 2020年11月14日
初回公開日: 2015年05月15日