多肉植物の子持ち蓮華は、日本原産でランナーを伸ばすのが特徴です。地植えでも育てやすい種類で、夏は弱く冬に強い植物です。今回は多肉植物の子持ち蓮華の育て方を解説します。興味はあるけどまだ子持ち蓮華を育てたことがない人や、しっかり育て方を知りたい人は、ぜひご覧ください。
子持ち蓮華はどんな多肉植物?
子持ち蓮華は寒さにも強く、子株であるランナーもよく出すため増えすぎて困るほど丈夫です。葉はロゼット状で、花はドリルのように茎を伸ばして開花しますが、花を咲かせた株は枯れる場合があります。
蓮の花に似ていることが名前の由来です。生長スピードも早いので、環境があえばどんどん増えていきます。
基本情報
- 科名
- ベンケイソウ科
- 属名
- オロキタス属
- 学名
- Orostachys iwarenge var. boehmeri
- 原産地
- 日本
- 生育型
- 春秋型
- 耐寒性
- 強い
- 耐暑性
- 弱い
子持ち蓮華の育て方!土づくりのコツは?
土づくりは、通気性をよくして水はけのよい土にすることがコツです。しかし、適度な保湿性も忘れてはいけません。使用する土の粒の大きさを変えて土の中に隙間を作るのもおすすめです。
市販の多肉植物の土でも問題ありません。その土に赤玉土を全体の2割程度混ぜると生長がよくなります。
子持ち蓮華の育て方!日当たりや置き場所は?
子持ち蓮華は、日光がよく当たる風通しのよい場所で管理してください。しかし、夏の間だけは直射日光を避けて半日陰の涼しいところへ移動しましょう。
子持ち蓮華は寒さには強いですが、暑さには弱いからです。また乾燥した環境を好むため、湿度の高い場所や梅雨の時期の長雨は避けたほうが余計なトラブルを回避できます。
冬の置き場所は、屋外で問題ありません。これは寒冷地でも大丈夫です。ミセバヤと同じように、冬になると地上部は枯れますが、温かくなってくると芽を出します。
子持ち蓮華の育て方!水やりのコツは?
子持ち蓮華への水やりは春秋と夏・冬で、ペースや量などを変える必要があります。春と秋は土の表面が乾いてからたっぷりと与えてください。目安のペースは7~10日です。植物の状態から見ると、葉が少ししわしわになってきたら与えてください。土や植物の状態をよく見て判断しましょう。
夏
夏は半休眠期であまり動きはないため、水やり回数を減らします。月1回程度で大丈夫です。昼間に水を与えてしまうと、水が熱されてしまうので夕方や夜などの涼しい時間帯に行いましょう。
与える水の量も、すぐに乾くように表面にサッとかける程度に抑えるとベストです。やりすぎないように注意してください。
冬
冬は地上から出ている部分は枯れてしまうので、水はほとんど必要ありません。生長し始めるころまで、水の回数を減らしましょう。目安の回数は、月1回程度で大丈夫です。
もし与える場合は、午前中の暖かい時間に水やりしましょう。天気も晴れが数日続くようなタイミングが適しています。
夏同様に、水の量は少量で構いません。
子持ち蓮華の育て方!肥料の与え方は?
肥料は植え替えや追肥のタイミングに与えます。ゆっくり効果が出る固形肥料がおすすめです。肥料の製品のパッケージに従って適当な量を与えてください。
子持ち蓮華への肥料は、ほとんどなくても育つので、少し元気がないときに液体肥料を与えるだけでも大丈夫です。
たくさん肥料を与えるのもおすすめしません。植物にとってよいとはいえないので、早く大きく育てたい、元気に育ってほしいからと多量の肥料を与えるのは控えましょう。
子持ち蓮華の育て方!注意すべき病害虫と対策法は?
子持ち蓮華はカイガラムシやアブラムシに注意して育てます。風通しが悪い場所や乾燥した状態がずっと続く場合に発生しやすいです。
カイガラムシはブラシやピンセットで見つけ次第駆除しましょう。また定期的な殺虫剤の散布も効果的です。
子持ち蓮華の育て方!植え付けや植え替えの時期は?
植え替え・植え付け時期は、春か秋に行いましょう。植え替えるべき鉢かどうかの見極めは、鉢底から根が飛び出ていたり数年植え替えておらず土がカチカチになっていたりする場合です。
そのような場合だと、しっかり生長できなかったり根が養分や水分を吸えなかったりします。また、そこまでいっていないけど年に1度植え替えするというのもおすすめです。
子持ち蓮華の増やし方は?
子持ち蓮華はランナーを伸ばして増えるタイプの多肉植物です。伸びたランナーの茎が土につくと根を出して育ちます。
放っておいても簡単に育ちますが、ランナーを切って好きなところへ植えても育てられます。このやり方だと、あちこちへ伸び放題になるのを防げるので、見た目も整いやすいです。
また育った株の茎を切って茎挿しするやり方でも簡単に栽培できます。茎挿しする場合は切ったところを乾かして、根が出たら土へ植えてください。
子持ち蓮華を増やすのに適した時期は、春と秋です。生長期であるこの期間中に、根付かせるように行いましょう。
子持ち蓮華の育て方で注意すべきポイントは?
子持ち蓮華を栽培するうえで、注意しなければいけないポイントは2つあります。一つは根腐れで、もう一つは葉焼けです。
根腐れ
水をたくさん与えすぎると、土の中がいつまでも湿ってしまい根腐れに繋がります。注意が必要な時期としては、梅雨や夏です。
割り箸を土へ挿して、土内部の濡れ具合を確認しましょう。また、水を与える前の鉢全体の重さと与えてからの重さを比較して、その差から判断するのも役に立ちます。
葉焼け
葉焼けは夏場に直射日光に当てると起こりやすいです。子持ち蓮華は暑さに弱いので、夏はとくに半日陰のところでしっかり管理してください。屋外なら寒冷紗や遮光ネットで半日陰を作るのもいいでしょう。葉焼けは株へのダメージとなるので、株が弱ってしまいます。
子持ち蓮華を育ててみよう
多肉植物の子持ち蓮華は、暑さや湿度に注意して管理すれば、楽に育てられます。寒さにも強いので、寒冷地でも育てやすい植物のひとつです。水やりの加減に慣れないうちは、気持ち控えめに管理して植物の様子を観察するといいでしょう。ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
更新日: 2020年04月10日
初回公開日: 2020年04月10日