フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーとして人気のあるアジアンタム。小さな緑色の葉っぱが茂る姿は愛らしく、観葉植物としても親しまれています。
今回は、アジアンタムについて花言葉や種類、増やし方や枯れる原因などの育て方をご紹介します。
アジアンタムとは?
世界の熱帯・亜熱帯・温帯に分布している植物で、中でも熱帯アメリカ原産の「アジアンタム・ラディアヌム種」と、園芸品種が「アジアンタム」の名称で流通しています。シダ植物のため、花や実(種子)をつけない特徴があります。
緑色の小さな葉が密集して生え、草丈は15~100cmに成長します。葉が水を弾くことから、ギリシャ語で濡れないことを意味する「adiantos(アディアントス)」が名前の語源です。
- 学名
- Adiantum raddianum
- 科・属名
- ホウライシダ科・ホウライシダ属
※イノモトソウ科・クジャクシダ属など分類には諸説ある
- 英名
- Maiden hair fern
Delta maidenhair
- 原産地
- 世界の熱帯、亜熱帯、温帯
- 開花期
- ー
- 花の色
- ー
- 別名
- ホウライシダ
カラクサホウライシダ
アジアンタムの花言葉や風水の意味は?
『繊細』『天真爛漫』『無垢』『上機嫌』『無邪気』
「繊細」は、重なりあった葉っぱが薄い紙細工のようであることにちなんでつけられました。また、「天真爛漫」は、英名の「Maiden hair fern(乙女の髪のシダ)」から連想されてついた花言葉とされています。
風水では、気持ちが落ち込む「陰の気」を吸い取るとされています。そのため、陰の気の満ちやすいトイレに置くのがおすすめです。
また、葉が生い茂ることから、金運や商売運をアップする効果も。西の方角に置くと効果が期待できますよ。
アジアンタムの種類や品種は?
世界にはおよそ200種、日本には8種ほどのアジアンタムが存在しています。今回は、その中でも代表品種をいくつかご紹介します。
アジアンタム・ラディアヌム
アジアンタムの主流品種です。アジアンタムといえばこの品種を指すことが多く、鮮やかな緑色の葉っぱを茎の先にたくさんつけます。
アジアンタム・スノーフレーク
緑の葉の葉脈に沿って白い斑がまばらに入っている品種です。観賞価値が高いことから、近年人気が出てきました。
アジアンタム・ペルビアナム
エクアドルからボリビアにかけて自生する大型種です。イチョウのような大きな葉が特徴で、新しい葉が出ると、葉先がほのかにピンク色へ変化します。
アジアンタム・ミクロフィラ
他の品種と比べて小さな葉をもつ人気品種です。新芽は赤茶色をしており、紅葉すると黄色に近い黄緑色になります。
アジアンタム・フリッツルーシー
室内観賞用に改良された園芸品種です。葉が小さく、茎が立ち上がるのが特徴です。
アジアンタム・プベッセンス
葉がこんもりとせず、垂れ下がっていく特徴があります。生産量が少ないため、あまり市場に出回っていない貴重な品種です。
アジアンタムの植え付けの時期と方法は?
5~9月頃、植え付けや植え替えをします。アジアンタムは乾燥に弱いため、鉢植えにして育てるのが一般的です。
鉢植え
苗よりも大きい鉢の底に軽石と土を入れ、苗を植え付けます。しっかり手で押し固めて、目安としては耳たぶくらいの固さです。植え付け後に水やりをします。
地植え
日の直接あたらない、明るい日陰に植え付けます。庭土を掘り返して土を作っておき、2週間ほどしたら、苗を植え付けましょう。
アジアンタムの土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけのよい土を好みます。赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2の配合土がおすすめですが、市販の観葉植物用の土を使っても構いません。市販の土には、1割ほど川砂を混ぜると良いですね。地植えの場合、腐葉土を庭土に混ぜて2週間ほど寝かせておきます。
水やり
乾燥を嫌うため、土が乾く前に水やりをします。特に気温の高い夏は、朝と夕方の2回、水を与えましょう。葉は水を弾くため、根元に水を注ぎます。また、水やりとは別にこまめに霧吹きで水を吹きかけ、湿度を高めに保つのも大切です。
肥料の与え方
春から秋の生育期は、液体肥料を7~10日に1回か、ゆっくり効く緩効性の化成肥料を2ヶ月に1回施します。肥料を与え過ぎると、根が傷んで枯れてしまうのでご注意を。
アジアンタムの増やし方!株分けの時期と方法は?
アジアンタムは、株分けで数を増やします。大きく育った株を、ナイフで2~4つに切り分け、根についた土を1/3ほど落とします。葉も半分ほど取り除いてから、それぞれ別の鉢に植えます。
● 手で分ける
● ハサミで切り分ける
● 分けた株を植え付ける
新芽が出るまでは、土を乾燥させないように水やりを続け、日陰で管理します。植え替えに合わせて株分けを行うと効率的ですよ。
アジアンタムの栽培で注意する病気や害虫は?
湿度の高い環境を好むため、ナメクジやカタツムリの被害にあいやすいです。両方とも葉の上に粘液を残しながら移動し、やわらかい新芽や花びらを食べます。
害虫は、見つけ次第、割り箸や手で取り除くか、ナメトックスやグリーンベイトなどの薬剤を使って駆除しましょう。
アジアンタムが枯れる原因は?復活させるために切り戻しをしよう
乾燥と水不足が原因で、葉が枯れてチリチリになることがあります。温風にあたる場所は避け、室内の湿度が低いときは、霧吹きで湿度を高めましょう。
一度枯れてしまった葉は元に戻らないので、根元から切り取ります。苗元から数cmの枝だけになったとしても、根が生きていれば、また枝が伸びてくるので安心してください。
アジアンタムの育て方のポイントは?
高い湿度とこまめな水やりが上手に育てるポイントです。葉が傷みやすいので、水切れして乾燥した環境が続くと枯れてしまいます。
直射日光には当てず、明るい日陰やカーテン越しに日が入るところで管理しながら、土を乾燥させないようにこまめに水やりをしましょう。また、寒さにも弱いので、15度以下になるときは室内に取り込み、最低5~8度の室温は保ってください。
アジアンタムの育て方はコツをつかむまでが大変
アジアンタムは水やりや葉焼けなど気にすることが多く、育てるのにコツが必要です。ただ、一度水やりのペースをつかめば、それほど手間がかからず元気に育ってくれますよ。
葉のつき方や形は、ふわふわと葉を茂らせるもの、葉が垂れ下がるものなど、種類が豊富です。寄せ植えやハンギングなど、自分好みにアレンジしてガーデニングを楽しんでくださいね。
更新日: 2021年01月06日
初回公開日: 2015年09月10日