きれいなオレンジ色の花びらと、つややかな葉が印象的な君子蘭。最近は花色のバリエーションも増え、高貴な印象の君子蘭が手軽に入手できるようになってきました。今回は、そんな君子蘭の花言葉や種類・品種、開花時期や見頃の季節をご紹介します。
君子蘭(クンシラン)の花言葉!意味や由来は?
『情け深い』『誠実』『貴い』
花名の元となった高貴(nobilis)や君子(人格や知識が優れた人)が由来となって、「誠実」や「貴い」という花言葉がつけられました。
君子蘭(クンシラン)の学名・原産国・英語
- 学名
- Clivia
Clivia miniata
- 科・属名
- ヒガンバナ科・クンシラン属(クリビア属)
- 英名
- Clivia
Kaffir lily
- 原産地
- 南アフリカ
- 開花期
- 3~5月
- 花の色
- オレンジ、黄、緑
- 別名
- 受け咲き君子蘭(ウケザキクンシラン)
クリビア
君子蘭(クンシラン)とは?どんな花を咲かせる?
君子蘭は、南アフリカが原産の多年草です。名前には「蘭」とついていますが、蘭の仲間ではなく、ヒガンバナ科・クンシラン属の総称です。分類法によってはユリ科に分けられることもあります。日本で君子蘭というと、園芸品種の1つ、「受け咲き君子蘭(ウケザキクンシラン)」を指します。
草丈30~70cmほどで、3~5月頃にオレンジ色の花を咲かせます。ヨーロッパでは「Scarlet kaffir-lily(スカーレット・カファ・リリー)」と呼ばれ、しばしばユリの花に見立てられます。名前や花姿の通り、高貴なイメージをもった花で、流通数も少ないため入手しにくい花でしたが、品種改良の進んだ現在では、一般家庭でも育てやすくなっています。
名前の由来
君子蘭が初めてヨーロッパにもたらされたのは、200年ほど前のことです。この植物を受け取ったイギリスのクリープ公爵夫人にちなんで、クリビア属(クンシラン属の前の名前)が作られました。
君子蘭(クンシラン)の開花時期と見頃の季節は?
3~5月頃が開花期で、4月に最盛期を迎えます。長さ10cmのトランペット形をした橙色から緋色の花びらが、いろいろな方向を向いて(散形花序)咲くのが特徴です。冬の寒い気候に2ヶ月ほどあたることで花を咲かせる性質をもっています。濃緑色の葉が花色をよりいっそう引き立て、観賞価値が高いことでも知られています。
君子蘭(クンシラン)の種類や品種は?
君子蘭は数種類あり、葉っぱや株姿によって3つのグループに分けられます。今回は、その中からいくつかの品種をご紹介します。
● 高性広葉系:幅が広く長い葉が、立つように生えます。花茎が長く丈夫で、一般に鉢物として流通している種類です。
● ダルマ系:肉厚で幅広の短い葉が重なり合い、左右に開きます。花茎が短く、生長はややゆっくりです。
● 斑入り系:葉に白色や淡黄色の斑が縞状に入ります。
クリビア・ミニアータ
森の岩の上などに自生している南アフリカ原産の品種で、欧米で園芸化されました。高さ40~50cmほどの太い花茎を伸ばし、その先端に直径約3cmのラッパ形の花を10~20個つけます。鮮やかな朱赤色の花が君子蘭の色として定着していますが、黄色い花もあります。
クリビア・ノビリス
南アメリカのケープ州に自生している品種です。緋色で、細長いベル型の花を下向きに咲かせます。。他の君子蘭に比べてふくらみがなく、花茎の先端にたくさん花が咲き、先端が緑色になるのが特徴です。
クリビア・ガーデニー
南アフリカのナタール州およびトランスバール共和国が原産の品種です。花期は10~11月頃で、50cmほどの花茎の先に、下向きの花を10~15個咲かせます。
花は筒状で雄しべと雌しべが外にでており、オレンジ色~黄色から、先端に向かって緑色に移り変わる花びらをしています。葉は、先の尖った剣形で緑色をしており、30~90cmほどに生長します。
クリビア・カウレッセンス
晩春から初夏にかけて、花茎の先に小さな花を下向きにたくさん咲かせます。花は細長いベル型で、朱赤色をしています。葉が落ちた後、茎が伸びて花の先端が薄い緑色になるのが特徴で、国内ではほとんど取り扱われない、珍しい原種です。
スカドクスス・プニケウス
8月下旬に開花する、南アフリカからエチオピアが原産の品種です。日陰を好み、長さ3cm、直径3〜10cmの花を、円錐形に咲かせるのが特徴です。
ハエマントゥス・アルビフロス
南アフリカ原産の、日陰を好む品種です。開花は5月下旬頃で、花茎の長さは10〜20cmほど。糸状の雄しべが眉刷毛のように見え、オモトに似た幅広の葉をつけることから、日本では「眉刷毛万年青」と呼ばれています。
キバナクンシラン
透き通るようなやわらかい黄色の花びらをした品種です。
君子蘭(クンシラン)の花をガーデニングの仲間に入れてみよう
君子蘭の交配は、園芸愛好家の間では盛んに行われており、まだまだ改良の余地があります。花びらの大きさや色、株の特徴を引き継がせる品種改良に興味がある方は、自分で君子蘭を育てて、ガーデニングを楽しんでみてください。
更新日: 2021年04月28日
初回公開日: 2015年12月02日