日本の土は弱酸性の雨によって酸性に傾きやすくなっています。特に、人の手が加えられていない畑や庭の土は、酸性濃度が濃くなっていることをご存知でしょうか。
ガーデニングで育成を楽しむ植物の中には、酸性の土質を好むものもあれば、中性〜アルカリ性の土の方がよく育つ植物がいます。
今回は、そんな酸性に傾いた土質をアルカリ性よりに調節するための苦土石灰について、成分や効果、使い方、使用量などをご紹介します。
苦土石灰とは?読み方は?
苦土石灰は「くどせっかい」と読み、土のアルカリ性を強めるために使われる肥料です。白色の粉末状もしくは粒状の見た目をしています。
ドロマイトと呼ばれる鉱物を原料として、加熱後に砕いて作られます。
苦土石灰の成分や効果は?
苦土石灰は、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが主な成分です。
強いアルカリ性の肥料のため、雨などで酸性に傾いた土を中和したり、カルシウムやマグネシウムの栄養補給をしたりするときに使用します。
カルシウムやマグネシウムを与えると、「植物の根が強く」なり「葉っぱのツヤを取り戻して黄色く変色して枯れていくのを防いで」くれるのです。
消石灰との違いは?
また、苦土石灰と似た肥料で「消石灰」というものがあります。消石灰は苦土石灰と違ってマグネシウムが含まれていないので注意してくださいね。
苦土石灰の主な使い方
畑や庭の場合は、1㎡あたり苦土石灰をコップ1〜2杯(100~200g)混ぜ合わせ、鉢植えなら土1Lあたり3〜5gを目安いに苦土石灰を使用します。
土にパラパラとまいてスコップでよく混ぜあわせれば完了です。苦土石灰が土に馴染むまで2〜4週間ほど時間がかかるので放置しておきましょう。
苦土石灰の使用量の目安は?
植物は種類によって好む土の酸性度が違います。弱酸性〜中性など幅広い土質でも育つ丈夫なタイプから、弱酸性の土では枯れてしまうタイプまでさまざまです。
まずは、育てたい植物が好むph度数をインターネットや書籍で調べてみましょう。
市販の測定器を使えば簡単にph値が測れるので、苦土石灰を混ぜる前の土質を測っておくと安心です。通常の量を混ぜると1回あたり、0.5ほどph度数が上昇するといわれています。
土壌酸度 | pH値 |
酸性 | ~5 |
弱酸性 | 5.5~6 |
中性 | 6.5~7 |
アルカリ性 | 7.5~ |
苦土石灰の使い方で注意すべきことは?
苦土石灰は、ほかの肥料と同じタイミングで土と混ぜてはいけません。肥料に含まれる窒素成分と化学反応を起こして悪臭(アンモニア臭)を発生させます。
まずは、先に苦土石灰と土を混ぜてなじませ、1〜2週間後に肥料を混ぜるようにしましょう。また、もし粉状が風に舞って使いにくい方は、粒状のものを使うのもおすすめです。
苦土石灰の価格相場は?
苦土石灰の価格は、大袋(10~20kg)で500~1,000円ほどが相場です。粒状の方が加工の工程があるため100~200円程度割高になっています。
インターネット通販では、1〜20kgと幅広い量が購入できるため使い方に合わせた量を選んでくださいね。
苦土石灰は量を守った使い方をしよう
いろいろな植物によって必要な肥料成分は違いますが、多くの植物がアルカリ性の土壌を好むことはあまり知られていません。
また、苦土石灰に含まれるマグネシウムには、葉っぱを緑に保ち、植物の生長を促す働きもあります。
植物の下葉が黄色く枯れてきたときに苦土石灰を土に加えると、マグネシウムが補給され元気になることも。ガーデニングをはじめるなら、苦土石灰は常備しておきたいグッズの1つですね。
更新日: 2023年10月13日
初回公開日: 2015年10月25日