小さくてコロコロした感じがかわいらしい芽キャベツ。旬の冬になると、茎の周囲に50~60個ほどの実をつけますよ。見た目はミニチュアのキャベツで、同じアブラナ科の野菜ではありますが、小さいながらにキャベツよりも豊富な栄養素が含まれています。今回は、そんな芽キャベツの育て方について、苗植えや収穫時期と方法などをご紹介します。
芽キャベツの育て方のポイントは?
芽キャベツは、日当たりと水はけのよい場所で育てるのがポイントです。23度以上の気温と多湿の環境では、結球不良や病気の発生が多くなります。乾燥気味で、できるだけ13〜15度の冷涼な気候での栽培がおすすめです。生育初期に、太さを4~5cm以上の大きな茎に育てると、たくさんの実が収穫ができますよ。また、連作ができないので、地植えでは2年以上の間隔をあけてください。
芽キャベツの種まきの時期と方法は?
芽キャベツの種まきは、7月下旬~8月上旬頃が適期です。育苗の後半は、週に1~2回ほど、薄めた液体肥料を水やりの代わりに与えるとよいですよ。
- 直径10cmほどの育苗ポットに土を入れる
- 5~6粒ほど種をまき、5mmほど土を被せる
- たっぷり水やりをする
- 発芽まで土を乾燥させないよう水やりをし、風通しのよい場所で管理する
- 発芽後、双葉が開いた頃に元気な苗を2本残して間引く
- 本葉が2~3枚になったら、茎がしっかりしている元気な苗を1本だけ残して間引く
- 本葉が5~6枚になったら、地植えか1回り大きな鉢やプランターに植え替える
芽キャベツの苗植え!鉢植え、地植えの時期と方法は
芽キャベツの苗は、8月下旬~10月中旬を目安に植え付けます。8~9月頃にはホームセンターなどで売られているので、初心者の方は苗から育てるとよいですよ。緑色が濃く、しっかりとした茎で葉っぱが傷んでいない、十分に根が張っているような苗を選びます。また、苗が病害虫の被害にあっていないことも大切ですよ。
鉢植え、プランター植え
芽キャベツは、根張りがよいので深めで大きい容器を選ぶとよいです。容量20L以上の大きめのプランターで2株、10号の深底鉢で1株が植え付けの目安です。水はけをよくするために、鉢底石を敷いて土を入れ、苗よりも多少大きな植え穴を掘ったら、根についた土は崩さないようにして浅めに植え付けます。
地植え
植え付ける際は、株元の葉っぱが混み合わないよう、株同士の間隔を40cm以上とって、苗より少し大きい植え穴に浅く植え付けます。植え付けたら、たっぷり水やりをしましょう。
芽キャベツの土作り、水やり、肥料の時期と方法は?
土作り
鉢植えは、市販の野菜の培養土が簡単ですが、自分で作るときは、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合に、苦土石灰や化成肥料を混ぜたものを使いましょう。地植えは、植え付ける2週間前に苦土石灰をまいてよく耕し、1週間前になったら油粕や化成肥料、堆肥を混ぜて寝かせておきましょう。
水やり
鉢植えは、土が乾燥したら水やりをたっぷり行なってください。根付くまでは乾燥期間が長くならないように気をつけましょう。地植えは、植え付け直後以外は水やりの必要はありません。過湿気味になると根腐れを起こすので注意してください。
肥料
芽キャベツは植え付け後3週間ほど経ち、本葉が6~8枚になったら追加で肥料を施します。1株に対して一握りくらいの化成肥料を株の周りにまき、混ぜた土を株元へ寄せます。あとは1ヶ月おきに追加の肥料と土寄せを行っていきます。苗が小さいときは株元に施しますが、大きくなったら少し離れた場所にまくと根を傷めませんよ。
芽キャベツ手入れ!葉かきや下芽かきの時期と方法は?
葉かき
10月頃にわき芽が結球しはじめたら、日当たりと風通しをよくし、芽の生育環境を整えるために、頂部にある葉っぱを10枚ほどを残して他の葉っぱはすべて切り落とします。下部から結球するので、生長に合わせて下から順に古い葉っぱを切り取ってください。その際、根元から切り取らず、少し葉柄を残して切るようにしましょう。
下芽かき
葉かきをはじめる頃に行います。株元から10節目程度にある形の悪い芽は、大きくきれいな形に育たないので早めに摘み取ります。こうすることで、他の芽に養分がまわるようになりますよ。また、実が育ってくると実の下の葉っぱが黄色く変色してくるので、実が育ってきたら葉っぱは取り除きましょう。
芽キャベツの収穫と保存の時期と方法は?
収穫
芽キャベツの収穫は、苗の植え付け後90日ほどでできるようになります。だいたい芽球が2~3cmほどになり、硬く締まっているようであれば、手でやさしくもぎ取るかハサミで根元を切り取ります。収穫時期を逃すと芽球が開いてしまうので注意してください。
保存方法
乾燥しないように濡れた新聞紙やペーパータオル等で包み、ビニールやポリ袋などに入れて冷蔵庫で保存しましょう。約1週間程度もちますよ。また、かためにさっと茹でて小分けした後、冷凍保存もできます
芽キャベツの栽培中に注意する病気や害虫は?
芽キャベツは、1株で50~60個ほど結球します。株を疲労させないためにも、半分くらい収穫を終えたら、追加の肥料や土寄せを忘れずにするようにしましょう。収穫が長く楽しめますよ。
日当たりや水はけが悪かったり、株元の葉っぱが混み合っていたりすると、「べと病」「根こぶ病」「菌核病」「苗立枯病」になる場合があるので育てる環境に注意しましょう。
芽キャベツはアブラナ科の野菜のため、アオムシやコナガの幼虫による被害にあいやすく、防除しないとすぐに虫がついて、あっという間に葉っぱが食べられてしまいます。こまめにチェックし、虫食いの葉っぱを見つけたら幼虫を探しましょう。目の細かい防虫ネットを植え付け後に被せることが、最も簡単な害虫対策です。
栄養が豊富な芽キャベツを育てよう
芽キャベツは、ビタミンやミネラル、β-カロテンなどの豊富な栄養素が含まれています。美肌効果や疲労回復、抗酸化作用、ガン予防などにも役立ち、身体を根本から健康にする効果が期待できる優れた野菜なんですよ。芽キャベツを家庭で育て、美容と健康の両方を取り入れたうれしい家庭菜園を楽しんでみてはいかがでしょうか。
更新日: 2016年05月22日
初回公開日: 2016年05月23日