プテリスは、美しい葉を持つ種類が観葉植物として人気の高いシダ植物です。世界にたくさんの種類があり、葉っぱの色や姿は違いますが、いずれもすずしげな雰囲気があり、花壇をすずしい雰囲気にしてくれますよ。また、日陰でも育つので、シェードガーデンに活用するのもおすすめです。今回は、プテリスの花言葉と育て方、どんな種類があるのかについてご紹介します。
プテリス(イノモトソウ)の花言葉とは?
『信頼』『平凡な心』『愛嬌』
プテリスの花言葉の由来ははっきりとはしていません。ただ、「愛嬌」や「平凡な心」という花言葉は、木陰にひっそりと生える姿にちなんでいるとされています。
プテリス(イノモトソウ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Pteris
- 科・属名
- イノモトソウ科(ワラビ科)・イノモトソウ属(プテリス属)
- 英名
- Brake fern
- 原産地
- 世界中の熱帯~亜熱帯
- 開花期
- ー
- 花の色
- ー
- 別名
- 井の元草(イノモトソウ)
プテリス(イノモトソウ)とは?どんな植物?
プテリスは、世界中の熱帯から亜熱帯に約250~300種が分布するシダの仲間です。品種によって葉っぱの形や色にバリエーションがあり、観葉植物として出回っています。シダ類の特徴である、奉仕をつけるように分化した「胞子葉」と、胞子をつけずに光合成をする「栄養葉」の2つを持っています。草丈は5~150cmと、種類によって様々なことから、ハンギングなどアレンジの幅が広いことも魅力の1つです。
名前の由来
学名の「プテリス」は、翼を意味する「pteron(プテロン)」が語源となっており、葉っぱの形に由来します。和名の「井の元草」は、井戸のそばに自生していることにちなんでつけられました。
プテリス(イノモトソウ)の種類や品種は?
プテリス・クレティカ(オオバイノモトソウ)
世界各地の熱帯・亜熱帯に広く分布し、日本では関東から西のエリアに自生している種類です。10を超える品種群があり、葉っぱのバリエーションも様々です。特に、葉っぱの中心に斑が入る「アルボリネアタ」が観葉植物に人気です。他にも、細かく分かれた葉っぱに白い斑が入る「クリスタタ」などもあります。
プテリス・エンシフォルミス(ホコシダ)
プテリス・クレティカとともによく出回る種類で、中国やオセアニア、日本の九州南部から南に分布しています。羽のような形の葉を持つ「ヴィクトリアエ」や、葉の中央から外側に向かって白いグラデーションが入る「エバーゲミエンシス」といった品種が人気です。
プテリス・トレムラ
オーストラリアとニュージランドに自生する種類で、ワラビに似た葉っぱを密生させます。縁が細かく分かれている葉っぱは、鮮やかな緑色をしています。
プテリス・トリカラー
鮮やかな赤から銅色、最後は暗い緑色へと葉っぱの色が変化する種類です。違う色の葉っぱが入り交じることから、名付けられました。草丈40~60cmに生長します。
プテリス・フォーリー
生育環境によって草丈や姿に差はありますが、1mほどに生長する大型種です。一方、細かい葉っぱをたくさんつけることから、見た目は繊細な印象を受けます。
プテリス(イノモトソウ)の育て方のポイントは?
湿度が高く、直射日光の当たらない環境で育てることがポイントです。湿度が低いと葉っぱが縮れ、黒く変色してしまいます。また、直射日光に当たると葉が焼けてしまうので、明るい日陰で管理すると安心です。
プテリス(イノモトソウ)の苗植え、植え替えの時期と方法は?
植え付け、植え替えは5~9月が適期です。多少の耐寒性はありますが、四国以南の暖かい地域であれば地植えにできますが、鉢植えで育てた方が安心です。
鉢植えは、株よりも1~2回大きな鉢を用意し、根についた土を1/3ほど崩してから植え付けます。そして、毎年植え替えをします。そのままにしておくと、根詰まりを起こし、葉先が枯れてしまいます。地植えは、直射日光が当たらず、湿り気のある場所を選び、植え付けていきます。常緑樹の根元などがおすすめです。
プテリス(イノモトソウ)の土作り・水やり・肥料の与え方
土作り
水はけと水もちのバランスのよい土が適しています。鉢植えは、赤玉土(小粒)4:パーライト3:ピートモス3、もしくは赤玉土(小粒)6:腐葉土3:軽石(小粒)1の割合で混ぜた土がおすすめです。地植えは、植え付ける前に土を耕し、腐葉土を2~3割混ぜ込んでおきます。
水やり
鉢植えは、春から秋の生育期にかけて土が乾かないよう水やりをします。乾燥すると枯れてしまうので注意してください。一方、休眠期の冬は、土の表面が乾いたら水を与えてください。地植えは、特に水やりの必要はありません。水やり以外に、霧吹きでこまめに葉水をすると、湿度が保たれてきれいな葉色をキープできますよ。
肥料の与え方
5~9月の生育期に、2ヶ月に1回ゆっくりと効く緩効性化成肥料を株元に施すか、7~10日に1回液肥を与えると生育がよくなります。
プテリス(イノモトソウ)の剪定の時期と方法は?
大きくなるにしたがって葉っぱが密生していきます。あまりにも葉っぱが茂ってしまうと、株元や葉っぱ同士で葉がこすれ、枯れてしまいます。適度な隙間が空くよう、葉っぱを剪定していきましょう。また、枯れた葉をそのままにしておくと、病気や害虫の被害にあいやすくなるので、見つけたら切り落としてください。
プテリス(イノモトソウ)の寄せ植えの方法は?
プテリスは湿度の高い環境を好む植物なので、一緒に植える植物も同じ性質のものがよいですよ。洋ランなどと一緒に植えると、花と葉っぱのコントラストを楽しめます。
プテリス(イノモトソウ)の増やし方!株分けの時期と方法は?
プテリスは、株分けで数を増やすことができます。5~9月が適期で、植え替えと同時に行うと効率的です。土から掘りあげた株を、それぞれに3~5本茎がつくよう、手やナイフで株を分けていきます。その後は、株よりも1回り大きな鉢にそれぞれを植え付けて管理してください。
プテリス(イノモトソウ)の栽培で注意する病気や害虫は?
害虫はつきにくいですが、春から秋にかけてまれにカイガラムシやハダニがつくことがあります。いずれも茎葉に寄生する害虫で、株の栄養を奪ってしまうので、見つけたら薬剤を散布して駆除していきましょう。
ただ、カイガラムシの成虫は薬に対して抵抗力があるので、ブラシなどで株からこすり落とします。ハダニは水が苦手なので、葉水で予防できます。
プテリス(イノモトソウ)を寄せ植えにして楽しもう
葉っぱが特徴的なプテリスは、見た目の雰囲気を活かすディッシュガーデンにして楽しむのがおすすめです。ディッシュガーデンとは、お皿の上で植物を育てる方法で、根腐れ防止剤を敷いたお皿の上に植物を植え付けて完成します。いくつかの種類を寄せ植えにすると、すずしげなインテリアになってくれますよ。ぜひ、試してみてください。
更新日: 2022年03月30日
初回公開日: 2015年12月12日