たくさんの花を密に付け、はうようにして生長することから、ハンギングにして楽しまれるサフィニア。ペチュニアを原種とする園芸品種ですが、雨に弱いという弱点を減らし、1990年代からたくさんの人に親しまれてきました。今回は、そんなサフィニアの花言葉と、切り戻しや挿し木の時期と方法など、育て方についてご紹介します。
サフィニアの花言葉とは?
『咲きたての笑顔』
開発元であるサントリーフラワーズのサフィニア誕生20年を記念した応募企画で決まった花言葉です。次々に蕾を付け、花を咲かせ続ける姿が、毎日笑顔を振りまいているように見えることから付けられました。
サフィニアとは?
サフィニアは、1989年に開発された比較的歴史の浅いペチュニアの園芸品種です。サントリーと京成バラ園芸が共同で開発した品種で、サントリーの駐在員が、ブラジルを原産とするペチュニアを数系統持ち帰ったことが、品種改良のはじまりでした。
名前の由来
通常のサフィニアに比べて、地をはうように生長する力強さが特徴です。枝が波打つように広がる様子から、「Surfing(サーフィン)」と「Petunia(ペチュニア)」を合わせて、サフィニアと名付けられました。
サフィニアの花の色や開花時期は?
- 学名
- Petunia × atkinsiana Surfinia Group
- 科・属名
- ナス科・ツクバネアサガオ属
- 英名
- Surfinia
- 原産地
- 日本
- 開花期
- 4~10月
- 花の色
- 紫、黄、白、ピンク、赤
- 別名
- ー
サフィニアはどんな花を咲かせる植物?ペチュニアとの違いは?
花の大きさはペチュニアに比べて小さいですが、大株に育ち、たくさんの花を咲かせます。また、暑さや雨にも強く花壇に植えられることも人気の理由です。今では、夏のガーデニングには欠かせない存在の1つとなっています。
暑さに弱いことから一年草として扱われますが、サフィニアは本来多年草です。暖かい地域でうまく管理すると、冬越し翌年も花を咲かせてくれます。
サフィニアの種類や品種は?
サフィニア・マックス
サフィニアの中でも最も草丈が高く、ボリュームのある株に育ちます。花色はピンク、グレープ(青みのあるピンク)、パープルなどがあります。丈夫で育てやすく、雨にも強いので、鉢植えだけでなく、花壇植えやグランドカバーとして楽しむことができます。
サフィニア・ブーケ
草姿がコンパクトにまとまる品種で、場所を選ばずに育てることができます。満開のときの姿が花束のように見えることから、名付けられました。夏の暑さに強く丈夫で、花色も豊富ですよ。
サフィニア・アート
花びらの中央に星形の模様が入る複色品種です。朝顔と咲き姿が似ており、枝がたくさん生えることから、ボリュームのある株に仕上がります。
サフィニア・フリル
カーネーションのように花びらが八重に重なる品種です。夏の暑さにまけず、エレガントな花をたくさん咲かせ続けます。ライラックブルーやホワイトなど、優しい花色のものがあります。
サフィニアの育て方!苗植えの時期と方法は?
サフィニアの種は販売されていないため、一般的に苗から育てはじめます。苗植えは、4~5月が適期です。雨によって枯れる心配はありませんが、草姿が乱れることを考えて、鉢やプランターに植えるのがおすすめです。
鉢植えなら10号鉢に1株、60cmプランターに2~3株が植え付けの目安。地植えにするときは、日当たりのよい場所に株同士の間隔を30cm以上空け、梅雨に雨除けをすると安心です。
サフィニアの育て方!土作り、水やり、肥料の与え方は?
土作り
水はけのよい土を好みます。鉢やプランター植えは、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜた土がおすすめです。市販のサフィニア用培養土や花と野菜用培養土を使ってもかまいません。ナス科の植物は連作障害を起こしやすいので、ナス科を育てた土を使わないようにしましょう。
水やり
土の表面が乾いていたら、たっぷりと水を与えます。特に生育期の夏は水切れを起こしやすいので、水分が蒸発しにくい朝と夕方の2回水やりをするとよいですよ。花に水がかかると傷んで枯れてしまうので、注意してください。
肥料
たくさんのは花を咲かせるために、肥料が必要です。植え付けるとき、土にゆっくりと効く緩効性化成肥料を混ぜておきます。そして、植え付けから1週間たったら、9月まで1~2週間に1回液体肥料を与えます。
サフィニアの剪定!摘心、花がら摘み、切り戻しの時期と方法は?
摘心
つるが30~40cmほどに生長したら、たくさんの枝が茂るように摘心を行います。植え付けてから2~3週間後が作業のタイミングです。つるの先端を5~10cmほど切り取ると、左右に新しいつるが生え、株がこんもりと大きく育ちます。
花がら摘み
咲き終わった花をそのままにしておくと、株が蒸れて病気や害虫を引き寄せてしまいます。しぼんでしまった花は、花首から切り落としてしまいます。
切り戻し
植え付けてから2ヶ月半ほどたって一通り花が咲き終わり、花数が少なくなってきたら切り戻しのタイミングです。株元から10~15cmほどのところでつるを大胆に切り落としていきましょう。しばらくすると、株は再び生長し、秋まで花を楽しめますよ。
サフィニアの育て方!植え替えの時期と方法は?
翌年の4~5月に、鉢底から根がでていれば、1回り大きな鉢に植え替えます。植え替えの手順は、植え付け時と同じです。
サフィニアの増やし方!挿し木の時期と方法は?
摘心したつるを使って、挿し木で数を増やすことができます。10~15cmほどのつるを準備し、先端の葉っぱを残して全体の2/3ほど葉っぱを取り除きましょう。
切り口を2~3時間水に浸けた後、赤玉土(小粒)など清潔な土に挿します。土が乾かないよう水やりをして日陰で管理すると2~4週ほどで発根しますよ。
サフィニアの育て方で注意する病気や害虫は?
アブラムシ
新芽や茎葉に寄生する害虫で、株の栄養を吸い取って弱らせます。特に春~夏に多く発生し、すす病を誘発する恐れがあるので、定期的に薬剤を散布して予防しましょう。見つけたときも、薬剤を散布して駆除してください。
ハダニ
梅雨明けに大発生することがある害虫で、葉っぱの裏に寄生してかすり状の傷を付けます。発生したらすぐに殺虫剤で対処しましょう。湿気を嫌うので、霧吹きで葉の乾燥を防ぐと、発生を抑えることができますよ。
サフィニアの育て方のポイントは?
こまめに切り戻しをすることがポイントです。サフィニアはペチュニアに比べて暑さに強いとはいっても、湿度の高い環境を苦手としています。切り戻しによって、株が蒸れることを防ぎます。また、つるの先端をこまめに切ると、底から左右に新しいつるが生え、大きな株に育ちますよ。
サフィニアの育て方を楽しもう
サフィニアは、原種となるペチュニアに比べて丈夫で育てやすい性質を持っています。また、花色が鮮やかなことも、夏のガーデニングでよく利用されるポイントです。
特に大きな株に生長するサフィニア・マックスは、夏の花壇をたくさんの花でいろどってくれますよ。ぜひ、夏のガーデニングの仲間に入れてみてくださいね。
更新日: 2022年05月18日
初回公開日: 2015年12月22日