フジバカマは万葉集でも歌われる、歴史のある多年草です。日本人にとって古くから親しまれてきた植物ですが、近年は自生できる環境が減っていることから、野生種は少なくなっています。今回は、そんなフジバカマの花言葉や香り、葉の特徴、種類などについてご紹介します。
フジバカマの花言葉は?由来は?
『あの日を思いだす』『遅れ』『ためらい』『躊躇』
フジバカマは、少しずつ小さな花を咲かせます。この姿にちなんで、「遅れ」「ためらい」といった花言葉が付けられました。
フジバカマとは?学名や原産国、英名は?
- 学名
- Eupatorium japonicum
- 科・属名
- キク科・ヒヨドリバナ属
- 英名
- Thoroughwort
Boneset
- 原産地
- 中国、朝鮮半島
- 開花期
- 8~10月
- 花の色
- 白、ピンク、紫
- 別名
- 蘭草(ランソウ)
香草(コウソウ)
沢蘭(サワラン)
ヒヨドリバナ
ユーバトリウム
フジバカマは、キク科・ヒヨドリバナ属に分類される多年草です。秋に鑑賞して楽しむ「秋の七草」の1つとして、奈良時代より前から親しまれています。
最近ではその数が減少しているといわれ、だんだんと目にする機会が減ってきました。
フジバカマはどんな花を咲かせるの?
フジバカマは夏の終わり頃から秋にかけて花を咲かせます。3つに裂けて左右対称に生えている葉っぱと雄しべが糸のように突き出ている花がフジバカマの特徴です。
茎の先端に咲かせる花は直径5mmほどで、赤色や紫色をしています。根っこは地面をはって生長し草丈は1~2mまで生長します。
フジバカマの花はどんな香りを放つの?
地面に植えられている状態だと、葉っぱは無臭です。しかし、乾燥すると茎や葉っぱに含まれるクマリン配糖体が変化し、桜の葉のような香りを放ちます。
中国では「香水蘭」「蘭草」と呼ばれ、ポプリとして古くから利用されてきました。現代でも、この香りはアロマテラピーなどに活かされています。
フジバカマの開花時期と見頃の季節は?
フジバカマは秋の七草ですが花の咲き始めは8月頃。それから10月頃まで淡い紫色の花を株いっぱいに咲かせます。その花の咲いている姿は風情が感じられますよ。
フジバカマの花の種類は?
ヒヨドリバナ
フジバカマと同じヒヨドリバナ属に分類される多年草で、ヒヨドリが鳴く頃に花が咲くことから名付けられました。
花だけを見るとフジバカマとよく似ていますが、ヒヨドリバナの葉に切り込みはありません。
サワヒヨドリ
名前の通り、日当たりのよい湿原に自生する植物です。草丈は50~1mほどに生長し、白や淡いピンク色の花を咲かせます。ヒヨドリバナに比べて小さく、地下茎を生やさないことが特徴です。
サワフジバカマ
フジバカマとサワヒヨドリの雑種で、一般にはフジバカマとして流通していることも少なくありません。フジバカマに比べて茎は赤みが強く、花の色もやや濃いことが特徴です。
ハマサワヒヨドリ
サワヒヨドリの変種です。関東南部や伊豆諸島の海岸沿い岩場や草原に分布しています。白色から淡い赤紫色の頭花を咲かせ、葉は卵形で厚みがあります。
フジバカマは秋の七草の1つ
秋を感じるために選ばれた秋の七草。フジバカマはその1つです。秋の早い時期にたくさんの花を咲かせ、見ている人を楽しませてくれますよ。
また、奈良時代より前から栽培され、日本の気候に適応していることから、育てやすいことでも知られています。花壇の仲間に加えてみてください。
更新日: 2020年10月21日
初回公開日: 2016年01月24日