ここ数年で人気になってきているペピーノ。ニュージーランドではよく知られている果物で、日本でもだんだんと話題になってきているんですよ。今回はそんなペピーノとはどんな植物なのかや、育て方ポイントと種まきや苗植えなど栽培方法についてご紹介します。
ペピーノの学名・原産国・英語
- 学名
- Solanum muricatum
- 科・属名
- ナス科・ナス属
- 英名
- Pepino
Melon pear
melonshrub
sweet cucumbe
- 原産地
- 南アメリカ
- 収穫期
- 5~12月
- 別名
- ー
ペピーノとは?どんなフルーツ?
ペピーノは、ナス科ナス属に分類されるトロピカルフルーツです。コロンビアやチリなど南アメリカで、古代からアンデス山脈のあたりで栽培されてきました。そしてニュージーランドで品種改良が盛んに行われ、1980年頃から日本でも流通するようになりました。
本来は常緑性の多年草ですが、寒さに耐えられないことから日本では一年草として扱われます。草丈は0.5~1mほどに生長し、植え付けから3~4ヶ月で収穫を楽しめます。実は、メロンやスイカのような見た目で、ほんのりと甘い味わいがありますよ。
ペピーノの種類や品種は?
ニュージーランドでは一般的なフルーツで、たくさんの品種があります。以下に日本でよく出回っている品種をいくつかご紹介します。
ゴールドNo.1
早く実が付く早生種です。実付きがよく、糖度も高いことから初心者でもおいしい味わいを無理なく楽しめます。
ミスキ
早生種で草丈が低く、コンパクトに栽培して楽しみたい人におすすめです。ニュージーランドでは一般的に流通しています。
アップリンミミー
ハート型の実がかわいらしく、鑑賞するのにも向いている品種です。果実は、名前の通りほのかにりんごの香りがします。
ゴールドボーイ
ゴールドNo.1を改良して作られた晩生種です。糖度が高く、フルーティーな味わいが魅力となっています。
ペピーノの育て方のポイントは?
暑くならず、寒くもならない環境で育てるのが果実をたくさん収穫して楽しむポイント。ペピーノは、30度以上の高温と10度以下の低温になると弱ってしまいます。また、霜に当たるとすぐに枯れてしまうので注意してください。
ペピーノの種まきの時期と方法は?
種は一般に市販されていないので、収穫した実から採取したものを植え付けていきます。収穫した種は、よく乾燥させた後乾燥剤を入れた袋に密閉し、冷蔵庫で保管して翌年の3~4月にまいていきましょう。
赤玉土(小粒)など種まき用の土を入れた3号の育苗ポットに、数粒まいてきます。そして、たっぷりと水やりをしたら土が乾燥しないよう管理すると、2~3週間で新芽が生えてきますよ。
ペピーノの苗植えの時期と方法は?
ペピーノの生育適温は18~25度あたりなので、真夏を除いた4~9月の間に植え付けて栽培を楽しめます。鉢植えで栽培するのが一般的です。深さのある6~8号くらいの鉢に市販の野菜用培養土を準備し、植えていきます。土は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土でもかまいません。
- 鉢底ネットを敷き、3~4cm鉢底石を入れる
- 鉢の縁から下2~3cmのあたりまで土を入れる
- 鉢の中心に苗がすっぽり入るくらいの植え穴をスコップで掘る
- 根を傷つけないよう育苗ポットから苗を抜き出し、植え穴に置く
- 苗の周りに土を被せ、ぐらつかないようにする
- たっぷりと水やりをして完了
ペピーノの水やり、肥料の与え方
水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。乾かないうちに水やりをすると、株が蒸れて弱ってしまいます。葉っぱがしおれてきたくらいで水やりをした方が、果実の甘さも増しますよ。
肥料の与え方
4~9月の生長期に、1.5~2ヶ月に1回肥料を施します。骨粉入りの油かすか、リン酸が多めに含まれている化成肥料がおすすめです。1~2週間に1回のペースで液体肥料を与えてもかまいません。
ペピーノの手入れ!わき芽摘みや剪定の時期と方法は?
わき芽摘み
ほうっておくとどんどん茎が生えてくるので、生育期間中はコツコツ摘心していきます。まず、草丈が15cmほどに生長したら、左右と上向きの太い茎を3本残して、他の茎は全て切り落としてしまいます。そして、それぞれの茎が弱らないよう、中心とX字に3本支柱を立て、結んで固定します。
剪定
冬越しをさせる株は、果実を収穫し終わった10月頃に草丈が1/2になるようにバッサリと刈り込みます。
ペピーノの収穫の時期と方法は?
人工授粉
そのまま放っておいても結実しますが、人工授粉をした方が収穫できる確率は高まります。綿棒や筆に花粉を取り、花の内側を軽く撫でていきましょう。
摘果
実が付きすぎてしまうと、栄養が分散して味が落ちてしまいます。1つの房に5~7つ実が付くこともあるので、生長のよいものを2つ選んで、他は摘みとってしまいます。実が直径5cmほどになったら、摘果のタイミングです。
収穫
実が8~15cmほどの大きさになり、黄色く熟してきたら収穫できます。花が咲いてから1~1.5ヶ月ほどたった頃が適期になります。収穫した実は、2~3日置いてから食べると、追熟してやわらかい歯ごたえになり、甘くなりますよ。生でそのまま食べるだけでなく、サラダに加えたり、炒めたりしてもおいしいです。
ペピーノの増やし方!挿し木の時期と方法は?
ペピーノは発芽率が低いので、増やしたいときは挿し木がおすすめです。5月頃、5~8cmほどに茎を切ったら、市販の挿し木用培養土や赤玉土(小粒)など清潔な土に挿してやります。その後日陰で、土が乾燥しないように管理していき、新芽が生えてきたら鉢に植え替えます。
ペピーノの栽培で注意する病気や害虫は?
ペピーノは、アブラムシやハダニなど株の栄養を吸い取る害虫の被害を受けやすい植物です。ハダニは、葉っぱの裏に付いていることが多く、水が苦手なので、水やりとは別に葉水をすると予防できます。アブラムシは、見つけたら粘着テープなどを使って株から引き剥がすか、果樹や野菜用の薬剤を散布して駆除していきましょう。
ペピーノは年に数回の収穫が楽しめる果樹
まだまだ日本では流通数が少なく、なかなか見かける機会のないペピーノ。果樹の中では簡単に育てられるので、人とは違ったものを育ててみたいという人におすすめです。年に2回収穫できるのもうれしいポイント。収穫した実は、ぜひまずは生で味わってみてください。
更新日: 2016年05月08日
初回公開日: 2016年05月08日