ジャボチカバは「ブラジリアン・グレープ」という別名の通り、見た目も味も巨峰に似た果実を付けるトロピカルフルーツです。幹に直接実を付ける姿がユニークで、原産国のブラジルでは、一度植え付ければ孫の代まで収穫を楽しめるほど丈夫な果樹とされています。今回は、そんなジャボチカバはどんな花や果実をつける植物なのか、苗植えや剪定の方などの育て方についてご紹介します。
ジャボチカバの花言葉とは?
『神秘』『永代』
ジャボチカバの「神秘」という花言葉は、おしべをたくさん突き出した白い花が数輪集まって幹や枝にびっしりと咲き、ぎっしりと実がなる不思議な見た目にちなんでつけられました。また、孫の代までの収穫を楽しめるほど丈夫で生命力にあふれていることが、「永代」という花言葉の由来となっています。
ジャボチカバの学名・原産国・英語
- 学名
- Myrciaria cauliflora
- 科・属名
- フトモモ科・ミルキアリア属
- 英名
- Jabuticaba
Brasilian grape
- 原産地
- ブラジル
- 開花期
- 6〜11月
- 収穫期
- 7~10月
- 別名
- ブラジリアン・グレープ
木葡萄(キブドウ)
ジャボチカバとは?どんな果樹?
ジャボチカバは、ブラジル南部原産の果樹です。ブドウによく似た実を付けることから、「ブラジリアン・グレープ」「木葡萄」という別名が付けられています。
生長はゆっくりで、最終的に樹高3~10mに生長します。葉っぱは、幼木のときは淡いピンク色で、徐々に緑色へと変化していきます。年に2~4回、幹や枝から直接白い花が咲き、満開時にはほのかに甘い香りを漂わせます。その花が結実すると小さな緑の実がふくらみ、2cm大の丸い濃紫色の実がなります。その幹に直接実が付く姿がとても珍しいんですよ。
ジャボチカバの育て方のポイントは?
日当たりのよい場所で育てることが、ジャボチカバの実をたくさん収穫するポイントです。耐寒性があり、関東より西南の地域では戸外で管理できますが、生長がゆっくりなことから、一般に鉢植えで管理されます。日光が不足すると実付きが悪くなるので注意してください。
ジャボチカバの種まきの時期と方法は?
果実から採取した種をすぐにまいて育てていくと、6~7年で実を付けるようになります。種の周りに付いている果肉はきれいに水洗いして落としてください。そして、3号の育苗ポットに赤玉土(小粒)など種まき用の培養土を入れたものを準備し、種を植え付けます。土が乾燥しないよう水やりをして管理すると、1ヶ月ほどで発芽します。
ジャボチカバの苗植えの時期と方法は?植え替えは必要?
春~夏の間に出回る苗を鉢に植え付けていきます。7~8号鉢に1株が植え付けの目安で、根に付いた土は崩さないように植えます。土は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜ合わせた、弱酸性で水はけと水もちのバランスがよいものを好みます。
園芸用培養土か、赤玉土(小粒)3:鹿沼土3:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜたものでもかまいません。植え替えは1~2年に1回、1回り大きな鉢に植えていきます。
ジャボチカバの水やり、肥料の与え方
水やり
乾燥を苦手とするので、土の表面が乾いてきたら水やりをしていきます。特に夏は水切れを起こしやすいので注意してください。
肥料の与え方
5~9月の間、骨粉入りの油かすなど窒素・リン酸・カリウムが等分配合された有機質肥料を控えめに施していきます。与えすぎてしまうと、肥料やけを起こして枯れてしまうので注意してください。
ジャボチカバの収穫の時期と方法は?
種類や品種によって開花時期は異なりますが、花が幹いっぱいに咲いてから1ヶ月ほどたち、果実が黒紫色になったら収穫の適期を迎えます。果実はすぐに味が落ちてしまうので。収穫したら早めに食べてしまいましょう。すぐに食べきれないときは、冷凍保存するとよいですよ。
ジャボチカバの剪定の時期と方法は?
多く茂った枝に実を付けるので、混みすぎた細い枝はその都度付け根から切り、風通しをよくしておきます。伸びすぎている枝や弱い枝、細い枝は付け根から切り取り、幹に日光が当たるように仕立てていきましょう。3~11月の間であれば、剪定はいつ行ってもかまいません。
ジャボチカバ 増やし方の時期と方法は?
4~9月頃に挿し木で数を増やしていきます。枝を5~7cmほどの長さに切り、バーミキュライトや赤玉土(小粒)などの新しく清潔な土に挿していきましょう。
ジャボチカバの栽培で注意する病気や害虫は?
風通しの悪い場所や枝が混みすぎていると、アブラムシやカイガラムシが発生することがあります。特にカイガラムシの排泄物からすす病を誘発する恐れがあり、ジャボチカバの生育を妨げます。見つけたら薬剤で駆除していくとともに、カイガラムシはブラシなどを使って株から擦り落としてください。
ジャボチカバは見た目がユニークな果樹
枝や幹いっぱいにブドウのような実を付ける姿がユニークなジャボチカバ。見た目だけで判断するなら、栽培を戸惑ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。ただ、寒さにも暑さにも比較的強く、育てやすいとされています。ほかの家庭では見たことのないような珍しい植物を栽培してみたいという方におすすめです。
更新日: 2022年07月20日
初回公開日: 2016年05月31日